健康診断の時や、病院で測った時だけ血圧が高い!なんて方はいませんか?
実はその症状、珍しいことではなく、「白衣高血圧」と呼びます。
白衣高血圧はなぜ起こってしまうのでしょうか? また、白衣高血圧の方はどのような対処をすれば良いのでしょうか。
白衣高血圧ってどんな状態?
医療機関で血圧を測ってもらう時、いつもより血圧が高くなってしまうことを「白衣高血圧」と呼びます。白衣(医療者)を見る状況で血圧が上がるので、この名前がついています。
そもそも血圧は、一日の間で大きく変動をするものです。白衣高血圧の方は、病院という環境で緊張や不安を感じ、一時的に血圧が上がっていると考えられます。
厳密には、家庭で測る血圧は正常値の人の場合に白衣高血圧といい、家庭で測る血圧も高血圧の方の場合には白衣現象という風に区別して使います。
いずれも、降圧薬を使うべきか等、今後の治療方針に関わってきますので、家庭と病院とで血圧の数値に大きい差がある方は主治医に相談しておく必要があります。
日常生活での血圧が正常なら、治療の必要はないのでは?と思うかもしれませんが、感情に左右されて血圧が高まりやすいことも良くない状態なので、自己判断は禁物です。
白衣高血圧の場合にはどうすれば良い?
白衣高血圧では、通常の高血圧とは少し対応が異なってきます。
以下、白衣高血圧と診断された患者さんが気を付けるべきこと、するべきことを知っておきましょう。
自己測定をする
白衣高血圧の方が病院でも正常な血圧を保つ方法には、残念ながら確立したものがありません。
そこで、患者さんが血圧を自分で測定していく必要があります。
家庭での自己測定によってリラックスした状態の血圧を診ることで、適切な診断や治療をすることができます。
高血圧の予防
白衣高血圧の方は将来、高血圧と糖尿病になるリスクが高いと言われています。
よって「家庭での血圧は通常の範囲内だから大丈夫」と思わず、減塩を心がけた食生活や肥満の解消などを積極的にしていきましょう。
イライラや興奮を抑える
血圧の高い状態が続くことを防ぐため、日常生活において興奮気味になることは避けるべきと言われています。
とはいえ感情のコントロールは難しいため、ストレス対策の薬剤を利用することもあります。薬剤の使用が必要かは医師の指導に従いましょう。
正しい自己測定の方法
上記に挙げた白衣高血圧の方がやるべきことの中でも、特に重要なのが血圧の自己測定です。正しい方法で測定できるように心がけましょう。
患者さんがご自身で血圧を測る方法には、家庭血圧測定と自由行動下血圧測定の2つがあります。
それぞれの測定方法は以下の通りです。
家庭血圧測定
二の腕で測るタイプの血圧計で、朝と夜の2回血圧を測り、血圧手帳などに記録をつけていく方法です。
記録は毎日つけるのが理想ですが、毎日つけなくてはと思うと血圧が上がってしまうこともあるため、気負いすぎない方が良いでしょう。
朝は起きてから1時間以内に、排尿を済ませてから落ち着いて測りましょう。服薬や朝食の前に行ってください。
夜は眠る前に計測します。
1度の計測で2回測定して、その平均をとることが好ましいと言われています。
計測の際の注意事項
- 背もたれのついた椅子に足を組まずに座り、1-2分安静にしてから測定します。
- 静かな場所で、会話はせずに計測してください。
- 測定前に喫煙、飲酒、カフェインの摂取をしてはいけません。
- カフ(腕に巻く部分)の位置を、心臓の高さで維持できるようにしてください(机の上に血圧計を置く等)
- 冬場に暖房のない部屋で測定すると血圧が上がってしまいます。室温にも注意しましょう
自由行動下血圧測定
こちらは白衣高血圧かどうかを判断するために、一日かけて行われることが多い測定方法です。
自動血圧計(腕に巻くカフと、腰に装着する測定装置で成り立っている血圧計です。病院から貸し出しされます)を身に着け、15-30分間隔で一日中血圧を測定します。
家庭血圧測定と違い、環境に気を使うことはなく、普段通りに過ごすことができます。
まとめ
白衣高血圧の方は、治療に降圧薬は必要ないことが多いです。ですが、将来、高血圧と糖尿病に移行するリスクが高いとも言われており注意が必要な状態です。
自己判断はせずに、まずは医師と相談し、正しいやり方で血圧測定することを心がけましょう。