前回、「海外に行く前に!病気に備えて知っておきたいこと3つ」という記事で、海外旅行に行く前に準備しておくべきことをご紹介しました。しかし、どんなに備えていても、不慮の災害には遭遇してしまうものです。そんなもしもの時、どんな対策がとれるのでしょう。

目次

1.日本の薬は持ってきた?一番多いのは「旅行者下痢症」

海外でちょっとした体調不良になることはよくあります。行きの飛行機の中での「乗り物酔い」に始まり、機内の乾燥による咽頭痛」「など「風邪症状」、現地の水や食べ物による「下痢」等です。特に下痢症は、旅行者中に最も多い体調不良で「旅行者下痢症」と呼ばれています。

ちょっとした体調不良には、悪化する前に早めに対応できるよう使い慣れた薬を持参しましょう。特に旅行中は旅の疲れや慣れない食事で悪化しやすいので、症状が軽いうちに対応し楽しい旅にしたいものです。

2.ニセ薬に注意

症状が比較的軽い場合、日本から応急対応の薬や衛生用品を持参すれば十分対応が可能です。

体調が悪くなったら、現地で薬を調達すればいいじゃないかと考える方もいらっしゃると思いますが、急な体調不良の中、海外で薬や衛生用品を入手するのは、言語の問題もあり簡単ではありません。

また、原因となる菌の種類や症状から、日本の薬では効かず現地の安価な薬が良く効くという場合はあります。しかし、その薬にも要注意。世界の多くの地域でニセ薬が問題となっています。ニセ薬を買ってしまう可能性は、アジア等の特定の地域では30%以上にもなると言われています。また、効果の薄い医薬品も出回っています。やむを得ず、現地で薬を購入する時には以下の点に注意してください。

  • 屋台等ではなく、認可を受けた薬局で購入し、買った際の領収書を請求し保管する。
  • 極端に安い薬を買わない。
  • 錠剤やカプセルをばら売りでもらう場合には、元容器をみせてもらい、写真を取るなど、商品名、製品番号、有効期限を記録する。
  • 箱入りの薬については、添付文書がついていることを確認し、受診の際には持参できるようにする。

3.海外の病院に行く

外国人ナース

海外の医療施設についても情報収集をする

まずは、行ける病院がどこにあるか確認しましょう。旅行前に確認しておくことが望ましいですが、既に現地に到着している場合にはインターネット可能な環境であれば、外務省ホームページ「在外公館医務官情報」から、主要都市の病院情報について得ることができます。

また、日本食スーパーや空港にあるタウン情報誌に病院の情報がある場合があります。無料の情報誌は現地でまめに入手し、情報を集めておくと良いでしょう。

インターネット、情報誌からの情報収集が困難な場合でも、現地の日本大使館や領事館の連絡先を控えておけば、最悪の場合でも相談する事が可能です。

海外旅行保険の保険証書パスポートを持参する

クレジットカード付帯の海外旅行保険の場合、保険会社の提携病院でない場合や夜間には、個人の確認がとりにくく診療がスムーズに始まらない場合があります。病院に行く際は、加入している海外旅行保険の保険証書とパスポートを持参してください。

また、現地の病院を受診する場合には、高額な医療費を一度自己負担しなくてはならない場合があります。風邪や下痢など普段なら重篤ではない病気でも、一度の負担が5万円以上になることが少なくありません。持参のカードが支払い可能かどうか、確認してください。

現在使用している薬剤、医療の状況についての情報持参

慢性疾患等をお持ちの方は薬剤の一般名も記載された処方箋のコピー(できれば英文)を持参することが望ましいのですが、予め準備できない場合には薬本体でも良いので病院に持参してください。管理が必要な慢性疾患の場合、医療状況についての情報を主治医に英文で作成してもらうといざという時安心です。

また、入院治療が必要になるような場合には、早めに連絡先情報として「日本・現地在住の家族・友人」「日本のかかりつけ医・かかりつけ病院」についてまとめておきましょう。

最後に

海外での体調不良は、海外生活が楽しめないだけでなく、不安で辛いものです。しかし、渡航に胸を躍らせついつい無理をしがちです。行きの飛行機でも仕事の追い込みや機内での飲みすぎに注意し、現地でも体調不良の際は少し旅行のプランを改め、早めに休養を取るようにしましょう。