冷え性は女性と男性とでは、明らかに女性に多いとされています。もちろん男性でも冷えを感じる人はいますが、どうして女性に多いのでしょうか?
ここでは、冷え性の原因や対策についてお話ししたいと思います。
そもそも冷え性とは?病気なの?
気温はそこまで低くないのに、身体が冷えたように感じることを冷え性と呼びます。
冷え性は症状であって病名ではありません。ですが、東洋医学では病気を引き起こす前段階の状態(未病)とされており、冷えが続くと下記のような病気に繋がると考えられています。
冷え性のある女性が気を付けるべき病気
- 生理不順
- 無月経
- 月経困難症
- 不妊症
- アトピー性皮膚炎
- 腰痛、肩こり
- 頻尿
- 膀胱炎
- 下痢
- 慢性疲労
- 不眠
上記以外にも、抜け毛や白髪、歯周病、ドライアイ、疲れ目、ニキビ、乾燥肌など、さまざまなトラブルの元となるとされています。
女性のほうが冷え性になりやすいのはなぜ?
冷え性は男性にも起こりうる症状ですが、圧倒的に女性に多いとされています。その理由としては、下記の内容が挙げられます。
筋肉量の少なさ
男性に比べて、女性は筋肉が少ないため、熱をつくりにくい体質と言えます。また、心臓のポンプの働きや血を末梢まで運ぶ筋肉の働きが弱いことも冷え性の原因になります。
血管の細さ
一般的に女性の方が男性よりも血管が細く、そのせいで末端の血行が悪くなりやすく、血行不良から冷えにつながりやすい可能性があります。
骨盤の形
男性の骨盤はシャンパングラス型なので骨盤の「底」に血液がたまりにくく、下肢から戻ってきた血液が骨盤内で滞りにくいといえます。
一方女性の骨盤はワイングラス型なので、骨盤の「底」に血液が集まりやすく、また子宮もあるため骨盤内の血液が滞りやすくなります。
服装の傾向
男性に比べて、スカートやワンピースなど服装的に冷えやすいものが多い傾向にあります。
さらに、昔は冷えといえば冬の寒さが原因でしたが、今は夏場でも冷房によって冷えることが多く、年中冷え性に悩まされる方も少なくありません。
冷え性の対策8つ
冷え性は、血液の流れが悪くなることによって起こります。逆にいえば、血のめぐりをよくすることが冷え性対策になるということです。具体的な対策として、下記の内容が挙げられます。
- 薄着や露出の多い服装、体を締め付けるような服装を避ける
- 食事は1日3食とる
- 冷たい飲食物は避け、できるだけ温かい食べ物や飲み物を摂取する
- 無理なダイエットは避ける
- ウォーキングやストレッチ、ヨガ、体操などの軽い運動を継続的に行う
- シャワー浴だけでなく、湯船に浸かる(半身浴も効果的)
- 睡眠時間を確保する
- ストレスを溜めない
漢方薬が有効な場合も
上記の冷え性対策のほか、漢方薬の服用が効果的な場合があります。西洋医学ですと特に治療法のない冷え性ですが、東洋医学においては治療が必要な状態とされ、冷え性に有効な漢方薬があります。
ただし冷え性に処方される漢方の種類もいくつかあり、体質に合った漢方薬を選ぶことが大切です。漢方の専門医や、薬剤師に聞いてみると良いでしょう。
漢方だけでなく、体を温める効果のあるハーブティーや、ビタミンEの摂取も有効な場合があります。
まとめ
冷え性が女性に多い理由には、筋肉量やホルモンの影響など体質によるもの他、服装が比較的薄着であることも考えられます。冷え性に悩まされている方は、防寒対策や食事、運動といった生活習慣から対策を始めてみてはいかがでしょうか。
また、冷え性に効果のある漢方薬がいくつかあります。冷え性は体質だと諦めてしまっている方も、一度、漢方を扱っている医療機関やドラッグストアなどで相談してみることをお勧めします。