花粉症は春だけでなく、秋にも症状が出ます。秋には春とはまたちがった種類の植物の花粉が飛散しているのです。花粉症の人にとっては秋もまだまだ油断できない季節です。今は花粉症ではないという人もいつ発症するからわからないので、ある程度の花粉症の知識を得ておくことをおすすめします。秋の花粉症の予防法や治療法をみていきましょう。

目次

 

秋の花粉症!?風邪との見分け方

季節の変わり目で体調を崩しやすい秋ですが、なかなか風邪がすっきりしないな…という人は実は秋の花粉症かもしれません。くしゃみ・鼻水・鼻づまりといった症状は風邪のときと症状が似ているため紛らわしいですが、花粉症と風邪の見分け方をご紹介します。

花粉症 風邪
平熱~微熱 微熱~高熱
くしゃみ 連続して出る
続けて10回近く出ることも
続けて出ても
2・3回と回数は少ない
鼻水 透明で水っぽく
サラサラしている
粘性があり黄色っぽい
鼻づまり 両方の鼻がつまるなど
症状が重い
程度は軽い
目のかゆみ かゆみがあり
充血・涙が出ることもある
かゆみはない
時期 毎年同じ時期に症状があり
長く続く
1週間程度でおさまる

花粉症と風邪は似たような症状でも、細かく見ると実は上記のような違いがあります。これらの特徴をしっかりと把握して花粉症と風邪を見分けるようにしましょう。

花粉症の症状について詳しくは、「秋の花粉症、風邪とはどう違うの?原因となる植物って?」をご覧ください。

花粉症は予防できる!?

春の花粉症と同じく注意が必要な秋の花粉症ですが、実は秋の花粉症のほうが春の花粉症よりも症状が軽いといわれています。

春の花粉症に代表されるスギ花粉やヒノキ花粉は風邪に飛ばされて何キロ先までも花粉を飛散させますので、飛んでくる花粉を避けて通ることはできません。これに比べ、ブタクサやヨモギなどの秋の花粉症は道端などにある草花の花粉が主なので花粉が飛散してもせいぜい数十メートルというところです。つまり道端に生えていたら遠回りをするなどで避けて通ることができるのです。

秋の花粉症は原因となる草花に近づかないようにするだけである程度の予防はできるのです。

花粉症の治療法

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花粉症の治療法としては症状を緩和させる「対症療法」と完治させるための「根治療法」に分けられます。「対症療法」には薬物療法・レーザー手術、「根治療法」には舌下免疫療法が挙げられます。

薬物療法

くしゃみ・鼻水・鼻づまりといった花粉症の3大症状を抑えてくれる「抗ヒスタミン薬」、鼻づまりに効果的な「抗ロイコトリエン薬」、鼻症状がひどいときに効果的に「鼻噴霧用ステロイド薬」という3つの薬が主に使用されます。

 レーザー手術

鼻粘膜にレーザーを照射して抗原(花粉)が鼻粘膜に吸着するのを防ぎ、アレルギー反応を鈍くするという方法です。花粉症のシーズンに突入するまでに治療を終えておくのが理想的ですが、効果は永久的なものではありません。個人差がありますが1~3年ほどといわれています。

舌下免疫療法

花粉症の原因物質のアレルゲンを低い濃度から取り入れ、徐々に濃度を上げていきアレルゲンに対する免疫を得ようとする方法です。今までは注射で行われていましたが、近年舌の裏側に薬を滴下する舌下免疫療法が注目され取り入れられています。この治療法は、花粉症が治る唯一の方法ともいわれています。

日常でできる対処法

医療機関を受診し治療を受けるのも花粉症対策として有効ですが、次のような自分でできるセルフケアもとても大切です。

花粉を室内に入れない

目に見えない花粉はいつどこから降り注いでくるかわかりません。外出時に洋服についた花粉を部屋に取り込んでしまうと、外ではない室内でも花粉症の症状が出てしまいます。帰宅後は洋服を払い花粉を落とすようにしましょう。帽子なども忘れずに払い、手洗い・うがいは習慣づけましょう。

原因物質に近づかない

花粉症対策の基本は花粉症の原因となる植物に近づかないということです。特に秋の花粉症は道端や野原の雑草や花などが原因となりますので、これらが生えている場所には極力近づかないようにしましょう。

目鼻口を花粉からガードする

花粉を取り込まないようにするために、マスクや眼鏡などを使用しましょう。マスクは花粉症用のマスクを・眼鏡も花粉症用の隙間がない眼鏡を使用するとより花粉から守ることができます。

まとめ

秋の花粉症は身近な草花が原因となっているだけに、春の花粉症よりも対策しやすいといえます。しかし秋は暑さも和らぎ外での活動が増える時期でもありますので、気を緩めずに春と同じようにしっかりと花粉症対策を行い快適な毎日を送れるようにしましょう。