温度差が激しいときやホコリが多いところで、鼻水やくしゃみが良く出る。風邪をひいたわけではないのに、鼻水が止まらず何度もくしゃみが出る。こんな症状でお悩みの方は、寒暖差アレルギーの疑いが持たれます。医学的には血管運動性鼻炎と呼ばれるものですが、一体どんな病気なのでしょうか。今回は、寒暖差アレルギー(血管運動性鼻炎)について説明します。

目次

どんな症状が起きる?

アレルギー性鼻炎と似たような症状が続いているものの、検査の結果アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)が特定できないときに、「血管運動性鼻炎」という診断がつくことがあります。

どんなときに発症する?

スキー板
  • 暖かい場所から寒い場所へ移動したとき
  • カレーやラーメンなど熱くて刺激性が強いものを食べたとき
  • スキー場などで冷たい空気を吸ったとき

など

気温差が激しい季節や刺激物に触れたときに症状が引き起こされることがあります。

なぜくしゃみなどが出るの?

鼻は外から空気を取り込んでいますが、外気にはチリ、ホコリや細菌などの色々な異物が混じっています。そのまま吸い込むと病気になってしまうので、身体を守るために鼻水やくしゃみを出して異物を追い出しています。鼻水を流すことによって、異物を洗い流し、くしゃみを出すことによって、勢いよく外に飛ばしています。

原因は何?

  • 気候の変化
  • 温度差の激しい環境
  • 煙草の煙
  • 刺激的な臭い
  • 精神的ストレス

特定の原因はまだ明らかになっていませんが、これらの外的要因が関与しているのではないかと考えられています。それに加えて、鼻粘膜の自律神経のバランスが崩れることによって、症状が起こると推測されています。

アレルギー性鼻炎とはなにが違う?

ハウスダスト、ダニや花粉などのアレルゲンが原因となって起きる病気が、アレルギー性鼻炎です。鼻から吸い込まれたダニなどの抗原が鼻の粘膜でアレルギー反応を起こしている状態です。寒暖差アレルギーとは、くしゃみ、鼻水、鼻づまりの症状が共通しています。

症状 原因 治療
寒暖差
アレルギー
くしゃみ
鼻水
鼻づまり
温度差や刺激物と
触れたときなどが
考えられているが、
はっきりとした原因
は不明
薬物治療
などの
対症療法
アレルギー
性鼻炎
くしゃみ
鼻水
鼻づまり
目のかゆみ
ホコリ、ダニや
花粉などの
アレルゲン
アレルゲン
の除去、
吸入回避

寒暖差アレルギーでは、目のかゆみはほとんどありません。また、原因も身体のアレルギー反応は関与していないので、治療は症状を抑える対症療法が主体となります。

症状だけでは、寒暖差アレルギーなのか、アレルギー性鼻炎なのか区別することができないので、検査が必要になります。このような症状でお悩みの方は、耳鼻咽喉科を受診しましょう。

まとめ

寒暖差アレルギーは、医学的には、血管運動性鼻炎と呼ばれており、気温差の激しい季節や刺激物を食べたときに発症することがあります。原因ははっきりとは分かっておりませんが、気候の変化、タバコなどの刺激物や自律神経の不調などが影響していると考えられています。アレルギー性鼻炎と症状が似ていますが、アレルギーは関与していません。