咳が出たり、息をするとゼーゼー・ヒューヒューと音が出たりする喘息。気温の変化が激しくなる、季節の変わり目に特に症状が起こりやすくなります。ときには眠ることすらままならない程つらい喘息の症状ですが、家庭などでしっかり対策を立てれば症状の悪化を予防することはできます。本記事を通して、喘息の症状を防ぐための正しい知識を身につけていただければと思います。

目次

喘息の原因と症状

喘息は、気道の炎症によって様々な症状がみられる病気です。息苦しさ喘鳴(息をするとゼーゼー・ヒューヒューと音が鳴る)などの症状が起こり、ときには命に関わることもあります。

喘息の原因は患者さんによって異なりますが、アレルギーが原因となる場合それ以外が原因になる場合との2種類に大別されます。

アレルギーが原因となる場合

下記のような物質が、喘息の発作を招く原因となります。

  • ダニの糞や死がい
  • ほこり
  • ペットの毛
  • 食品
  • 花粉
  • (アスピリンなど)
    など

アレルギー以外が原因となる場合

下記のような原因が考えられますが、原因が特定できないこともあります。

喘息と季節、天気の関係って?

空

喘息の症状は、梅雨時や秋口に悪化することが多いです(「喘息ガイドライン作成に関する研究」によると、特に関東地方では9月から10月にかけて患者数が増加します)。また、移動性高気圧・台風・寒冷前線が通過するときにも症状が悪化することがあります。

これらの気象と喘息の関係については多くの研究が成されていますが、明確な原因は未だに明らかになっていません。ただし、様々なデータをみると、上記のような季節の変わり目に症状が悪化しやすいということは明らかのようです。

季節の変わり目、症状を悪化させないために

喘息の悪化を避けるためには、下記3点に注意を配る必要があります。

  1. 気候の変化の影響をできるだけ避ける
  2. アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)をできるだけ避ける
  3. 規則正しい生活を送り、風邪を予防する

一つずつ見ていきましょう。

1.気候の変化の影響をできるだけ避ける

季節の変わり目に喘息の症状が悪化しやすい理由の一つとして、気温や気圧・湿度の急激な変化が気道に刺激を与えていると考えられています。そのため、喘息の患者さんはできるだけ、気候の変化に対処すると良いでしょう。

例えば、気温の変化が激しい春先や秋口には服装に気を配りましょう。カーディガンなどの羽織ものを1枚常備するだけでも、調節ができます。空気が乾燥するは、加湿器を活用して保湿を行います。また、は、室内外の温度差が高くなりがちです。冷房の効きすぎには十分注意するようにしてください。

2.アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)をできるだけ避ける

アレルギーが原因で喘息が生じている場合、原因となるアレルゲンを避けることが大切です。

特に、ダニによるアレルギーは秋に症状が悪化しやすいです。ダニやほこりが原因となっている場合、部屋の掃除を丁寧に行いましょう。

また、タバコを吸う方に喘息の症状がみられた場合は、禁煙することをおすすめします。この他、アレルギーの原因が分かっている場合は、できるだけその物質を避けることが喘息の予防に直結します。

3.規則正しい生活を送り、風邪を予防する

大人の喘息でよくみられる原因の一つが、風邪などの感染症です。

季節の変わり目には、様々なウイルスが流行します。手洗い・うがいをしっかり行うことはもちろん、規則正しい生活をして体力をつけることも大切です。

最後に

季節の変わり目に悪化しやすい喘息。つらい症状に悩まされている方も多いことと思いますが、喘息は多くの場合、医師の指導のもとで管理を行えばコントロールすることができる病気です。本記事で紹介したセルフケアに加え、定期的に呼吸器内科を受診し、できるだけ快適な生活を送れるようにしていきましょう。