目の前がまぶしくて見えづらくなったと思ったら頭が痛くなる。頭の片側がズキンズキンと痛む。あるいは頭痛と同時に吐き気がしたり、光・音・臭いに敏感になったりする。こんな症状はありませんか?これらに心当たりがある方は片頭痛をお持ちかもしれません。今回は日本人の悩みの種である片頭痛の解消法をご紹介します。

目次

1.片頭痛とは?

片頭痛とは慢性頭痛の1つで、「頭の片側でズキンズキンと痛む」というのが典型的な片頭痛の症状です。慢性頭痛は脳がうまく働くなることによる症状です。脳腫瘍やくも膜下出血などの重大な病気に関わる「器質的」な原因のある頭痛とは異なります。ご自身の頭痛が片頭痛かどうかわからないという方は、「頭が痛い!頭痛を解消するための頭痛タイプの見分け方」の記事で頭痛タイプをチェックしてみてください。

2.片頭痛の症状は?

片頭痛の典型的な症状は前述の「頭の片側でズキンズキンと痛む」というものです。しかし、頭の両側が痛む場合やズキンズキンと脈打たない痛みの場合もあり一概には言い切れません。それ以外の特徴としては、

  • 痛みの頻度:月に1回~数回。痛みが1日中続く。
  • 痛みの変化:階段の昇降などの日常的な動作で痛みが強くなる。
  • 関連症状 :吐き気を感じる。光・音・臭いに敏感になる。
  • 前兆   :目の前がまぶしくて見えづらくなる現象が起こる(閃輝暗点)

などがあります。

3.どんな人に多い?

一般的に片頭痛になるのは、環境の変化(気圧、雑踏など)やホルモンの変化(月経など)に敏感に反応する人に多いようです。また、努力家にも多く見受けられ、頑張ったあとホッとしたときなどに起こります。これらの人はストレスや生活習慣などの影響が考えられるため、自分の気持ちの癖を見直し、心にゆとりと安定したリズムを持つことで改善が見込めます。

また、若い女性にも多く、生理がきっかけとなって片頭痛の症状がみられることもあります。

4.片頭痛の原因誘因は?

偏頭痛

片頭痛の仕組みは、「脳のセロトニンの低下などにより血管が広がり痛みを感じる」と考えられています。片頭痛には誘因となるものがあり次のようなものが片頭痛を招くと考えられています。これらの誘因を避けることが予防の第一歩となります。

精神的誘因

睡眠不足やストレスは片頭痛の大きな誘因となります。

睡眠不足、休日の寝だめなど、普段の生活習慣は、片頭痛の発生に大きく関わります。

生活のリズムを一定に保ち、ストレスをなるべく溜めないよう、心がけましょう。

内因性の誘因

生理も片頭痛の大きな誘因です。女性の片頭痛患者の多くに月経と頭痛の関係が見られています。

環境の誘因

騒音、人ごみ、いやな臭いなどの外部からの刺激は、片頭痛の誘因となります。

光や音以外にも、急激な気温差や、匂いなども片頭痛を起こしやすいです。

食べ物の誘因

チョコレート、チーズ、赤ワインなどの食べ物には、「チラミン」という物質が多く含まれています。この「チラミン」が、片頭痛の原因となると言われています。

5.片頭痛の治療法は?

軽症の場合

軽症の場合は消炎鎮痛薬が有効ですが、現在はトリプタン製剤が主流です。トリプタン製剤は血管の拡張を抑える薬で現在は頭痛薬で最も有効であると言われています。頭痛が起きたらなるべく早く服用することが重要です。

頭痛頻度の高い場合

予防薬として高血圧の薬や、抗てんかんの薬、抗うつ薬などが有効な場合がありますが、副作用もあるのでまずはかかりつけ医に相談しましょう。

6.薬物乱用頭痛にならないためには?

薬で症状が緩和しているうちはよいのですが、人間は薬に対して耐性を持ちます。使用し続けるとだんだん薬が効かなくなり、効果の強い薬剤を求め出します。ここで、市販の薬でも病院で処方された薬でも飲み方を間違えると薬物乱用頭痛へと頭痛の種類が変わります。頭痛薬は月に10日以上飲まないようにしましょう。

まとめ

辛い片頭痛を予防するにはまずは生活習慣の誘因(睡眠不足、ストレス)、環境の誘因(騒音、人ごみ、いやな臭い)、食べ物の誘因(チョコレート、チーズ、赤ワイン)を避けることが効果的です。また、軽症の内に薬を利用して治療するのもよいでしょう。くれぐれも薬の過剰摂取にはご注意ください。