ストレスや肩のこるような仕事が長時間続いたとき、頭が重くなったり痛くなったりすることはありませんか?心当たりがある方は緊張型頭痛という種類の頭痛をお持ちかもしれません。緊張型頭痛はストレスが深く関与しており、「痛みの悪循環」に陥るとだらだらと数か月に渡って頭痛に悩まされてしまう可能性もあります。今回はそんな悪循環を断ち切り、緊張型頭痛を予防・解消する方法をご紹介します。

目次

緊張型頭痛とは?

緊張型頭痛とは機能性頭痛(慢性頭痛)の1つで、身体的・精神的ストレスが深く関与し、慢性頭痛の中で最も多い頭痛です。緊張型頭痛には、頭痛の発作が数分~1週間ほど持続する反復性緊張型頭痛と、数日~数か月に及ぶ慢性緊張型頭痛の2種類があります。ご自身の頭痛が緊張型頭痛かどうかわからない、という方はまずは「頭が痛い!頭痛を解消するための頭痛タイプの見分け方」で頭痛のタイプをチェックしてみてください。

緊張型頭痛の症状は?

緊張型頭痛の症状は「両側のこめかみから頭の周りが締め付けられる」ような痛みで、片頭痛のズキンズキンと脈を打つような頭痛とは痛み方が異なります。1日中痛みが続き夕方に痛みが増すような頭痛が典型的な例です。片頭痛と合併する場合も多々あります。

  • 痛みの期間:数分~1週間(反復性)、数日~数か月(慢性)
  • 痛みの変化:日常動作によって痛みが増すことはない
  • 関連症状 :しばしば肩こりやめまいを伴う
  • 吐き気・嘔吐、光・音・臭過敏を伴うことはほとんどない
  • 前兆   :なし

緊張型頭痛の原因誘因は?

緊張型頭痛の主な誘因は精神的・肉体的ストレスです。精神的・肉体的ストレスによって頭を支える筋肉が凝り、頭痛が発症すると考えられています。緊張型頭痛の誘因となる精神的・身体的ストレスは以下のようなものがあります。

緊張性頭痛の主な誘因
身体的ストレス 精神的ストレス
・口やあごの機能異常
(かみ合わせの悪さ)
・長時間の同じ姿勢
・うつ向き姿勢
頭痛治療薬の過剰摂取
・睡眠環境の悪さ
・眼精疲労
・運動不足
・なで肩
・不安や抑うつ
不眠
・環境の変化
出典:「全部見える脳・神経疾患」をもとにいしゃまち編集部作成

痛みの悪循環

緊張型頭痛では

  1. ストレスなどの誘因により頭を支える筋肉が緊張する
  2. 筋肉緊張が続くと血行不良で痛み・疲労物質が溜まり、その「凝り」が頭痛を起こす
  3. 痛みがストレスになる

という3つ繰り返され、だらだらといつまでも頭痛が続く「頭痛の悪循環」を招きやすいのが特徴です。

緊張型頭痛の症状を軽くするには?

緊張型頭痛では血管収縮による血行不良が痛みの原因となります。そのため、入浴、運動、マッサージなどで血管を拡張させると、血行が良くなり、痛み物質が洗い流されると凝りがほぐされ痛みが解消されます。また、緊張型頭痛の誘因となる精神的ストレスを解消させることでも痛みの悪循環を断ち切ることができます。注意したいのは、片頭痛を併発している場合です。片頭痛は体を動かすと血管が拡張し痛みが増すので、入浴、運動はかえって痛みを悪化させてしまうのです。片頭痛の可能性がある場合は、「閃輝暗点は片頭痛の前兆?片頭痛解消のための6つの基礎情報」をご覧ください。

まとめ

今回は身体的・精神的ストレスによって引き起こされる緊張型頭痛をご紹介しました。頭痛はその種類によって対処法が大きくことなるので、自分の頭痛のタイプをしっかり見極めそれぞれに合った対処法を実践することが重要です。