解熱・痛み止めの市販薬として、一番に思い出す薬はなんでしょうか?

おそらく「バファリン」と答える方が一番多いのではないでしょうか。それもそのはず、バファリンが日本で販売されたのは1963年、つまり50年以上も前から使われているのです。

そこで今回はこのバファリンについて、正しい使い方や副作用などについて詳しく見ていきたいと思います。

目次

バファリンの種類

一言に「バファリン」といっても、現在は色々な種類のバファリンが販売されています。

今回は一番歴史の深いバファリンAについて詳しく見ていきたいと思いますが、その他のバファリンシリーズについても簡単にご説明します。

バファリンEX

主成分:ロキソプロフェンナトリウム水和物

一番新しく販売されたバファリンで、医療用の痛み止め「ロキソニン」と同じ成分が入っているため、しっかりとした効果が期待されます。第一類医薬品であるため、薬剤師の説明が必要な商品です。

バファリンプレミアムバファリンルナi

主成分:イブプロフェン∔アセトアミノフェン

痛みや腫れ、また生理痛に効果的なイブプロフェンと、子供でも使えるアセトアミノフェンが一緒に入っています。

バファリンかぜEX

主成分:イブプロフェン

のどの痛み・腫れに効果的なイブプロフェン、また止め、鼻水・くしゃみ止めなどもしっかり配合された総合風邪薬です。

小児用バファリンバファリンルナJ

主成分:アセトアミノフェン

医療用としてもよく用いられる、子供も使えるアセトアミノフェンを配合しています。

バファリンAの成分

それではバファリンAについて詳しく見ていきましょう。

バファリンAの成分は以下の2種類となっています。

  1. アセチルサリチル酸(アスピリン):330mg
  2. 合成ヒドロタルサイト(ダイバッファーHT):100mg

それぞれの成分について詳しく見ていきましょう。

アセチルサリチル酸(アスピリン)

昔からある解熱鎮痛成分で、医療用としても用いられています。頭痛や歯痛など、痛み全般に効き、熱も下げることができます。副作用として胃腸障害がでやすいです。

合成ヒドロタルサイト(ダイバッファーHT)

胃の粘膜を保護し、アスピリンの副作用である胃腸障害を緩和します。また、アスピリンを素早く溶かして吸収を助ける作用もあります。

バファリンAの副作用

バファリンAの副作用として、たまに聞かれるは以下のような症状です。特に痛み止めの副作用として胃腸障害が一番有名でしょう。

以下のような症状が現れた場合は使用を中止して、医師・薬剤師などに相談してください。

  • 発疹、かゆみ、青あざ
  • 吐き気、胸やけ、胃もたれ、腹痛、下痢、血便、食欲不振
  • めまい
  • 鼻血、歯茎の出血、発熱、のど・背中の痛み、過度の体温低下

また、まれにですが、以下のような重大な副作用が起きる恐れがあります。以下のような症状が現れた場合は、すぐに病院に行くようにしてください。

  • アナフィラキシー、ショック:服用後すぐにかゆみ、じんましん、息苦しさ、動機、意識混濁などが現れる。
  • スティーブンス・ジョンソン症候群・中毒性表皮壊死融解症:目の充血や高熱、唇のただれ、のどの痛み、皮膚の発疹が広範囲で持続・悪化する。
  • 肝機能障害:発熱、皮膚や白目が黄色っぽくなる(黄疸)、だるさなどが現れる。
  • 喘息(アスピリン喘息):服用後一時間以内にヒューヒュー、ゼーゼーと喘息が現れる。
  • 再生不良性貧血:歯ぐきから出血しやすくなる、青あざ、疲労感、血尿などが現れる。

バファリンAを服用してはいけない人

  • バファリンや他の解熱鎮痛薬、風邪薬を服用してぜんそく・アレルギー症状を起こしたことがある人。
    アスピリンによって、アレルギー症状や、喘息の症状が現れる恐れあるため。
  • 15歳未満の小児。
    ライ症候群
    (肝機能障害や急性脳症による意識障害・けいれんなどを引き起こす命にかかわる病気)を引き起こす恐れがあるため。
  • 出産予定日12週以内の妊婦。
    胎児への影響、分娩時の出血増加などが生じる恐れがあるため。また妊娠中は12週以内でなくとも自己判断で服用せず、医師に相談するほうがよいでしょう。

また以下の人は服用の際に医師・薬剤師などに相談してください。

  • 病院で治療中の方
  • 妊娠中・授乳中の方
  • 高齢者
  • 薬などでアレルギー反応を起こしたことがある方
  • 心臓病・腎臓病・肝臓病・胃十二指腸潰瘍の方

バファリンAの正しい使用方法

頭を抱える女性

薬の副作用を減らし、より効果的に服用するには薬の箱に入っている説明文書に書いてある通りに服用する必要があります。

またこの説明通りに服用しなかった場合、なにか副作用が出ても「医薬品副作用被害救済制度」(正しく医薬品を使った場合に起こった重篤な副作用による医療費の交付を行う制度)などを受けることができないことがありますので、注意してください。

用法用量

痛みや熱があるときに 1回2錠、1日2回まで 使用してください。

続けて服用する場合は6時間以上あけてください。時間を空けなかった場合、副作用などが表れやすくなります。

また胃腸障害の副作用を軽減するためなるべく空腹時を避けて服用してください。

してはいけないこと

  • バファリンの服用中はほかの解熱鎮痛剤、風邪薬などは服用しないでください。バファリン服用後6時間以上経過すれば、服用可能です。
  • バファリンの服用前後はアルコールを取らないでください。
    副作用の消化管出血が出やすくなる恐れがあります。
  • 長期間連続して服用しないでください。
    胃腸に負担がかかりやすくなったり、薬剤誘発性頭痛になったりする恐れがあります。

まとめ

薬は痛みを抑えたり、熱を下げたりと普段生活するうえで非常に便利である反面、副作用などが生じる恐れもあります。

しかし適切に服用することで、副作用の発現を抑えたり、より効果的に使用したりすることができます。

薬を購入するとき、また服用する際にはパッケージの裏面説明文書を確認し、また分からない場合や他に薬を飲んでいる場合も医師・薬剤師に相談してから服用しましょう。