なんだか首が痛い…という方いらっしゃいませんか?

首が痛いと何をしていてもつらく、日常生活に支障をきたしてしまいます。早めに治療するためにも今回は、「首が痛い」という症状をきたす病気のうち頚部(けいぶ)周辺に生じる7つの病気を紹介します。

目次

1.急性疼痛性頚部拘縮(寝違え)

急性疼痛性頚部拘縮(きゅうせいとうつうせいけいぶこうしゅく)、いわゆる「寝違えは首の痛みとして一度は経験のある方も多いのではないでしょうか。ご存知の通り、寝起きに首や肩・背中などに痛みがある状態のことをいいます。

決まった姿勢をとると一定の場所に痛みが生じる特徴があります。頚椎(けいつい)の動きの制限や頭痛、筋肉のしこりを伴うこともあります。

寝違えが起こってしまう原因のひとつに、睡眠時の姿勢により頚部の関節・筋肉に負担がかかることがあります。この関節・筋肉への負担は、睡眠中の冷え、頚椎の老化、鼻やのどの炎症の影響をうけることが考えられます。

2.外傷性頚部症候群(むちうち損傷、頚椎捻挫)

外傷性頚部症候群、いわゆる「むちうち」は交通事故などで後ろから追突された車に乗っていた人がよくなります。

うなじの痛みや熱感、頭重、肩こり、首のこわばり、首や腕を動かせない、背中の痛み、腕の痛み、などの症状があります。ひどいものだと頭痛、めまいかすみ目耳鳴り、吐き気、難聴などの症状を伴います。

3.頚椎椎間板ヘルニア

首や肩・腕の痛み、しびれ、脱力感といった症状が起きる病気です。

首から背中かけては、椎骨と呼ばれる骨が積み重なるように並んでいます。「椎間板」とはこの椎骨と椎骨の間にあり、骨同士がぶつからないように衝撃を吸収するクッションの役目をしています。椎間板が変性して、組織の一部がとびだすことをヘルニアといいます。このとき、とびだした組織が付近にある神経を圧迫し、首や肩・腕にさまざまな症状を引き起こしてしまうのです。

4.胸郭出口症候群

胸郭出口(きょうかくでぐち)症候群は、腕のしびれ、肩こり、首が重い肩から肩甲骨にかけてのこわばりと痛み、腕や手の指にだるさや腫れぼったさ、指先が冷たいといった症状が出ます。

またそれだけではなく、顔面のしびれ感、頭痛、吐き気、目のかすみなどの自律神経症状が出ることもあります。つり革につかまるなどの腕を上げたときに症状が生じるのが特徴的です。

5.変形性頚椎症

首のうしろの痛み、重だるさ、首の疲れ、肩こりが特徴です。変形性頚椎症には3つのタイプがあります。

頚椎症性神経根症

初期症状は、首から背中や首から肩または腕から指先までの響くような激痛やしびれなどがあげられます。両方の腕に症状がでることは比較的まれで、首をうしろにそらせると症状がでることが多いといわれています。40歳代以降の人によくみられます。

頚椎症性脊髄症

からだの左右両側に症状が出ることが多いといわれています。手足のしびれや痛み、お箸やボタンかけの動作がぎこちない、階段が怖い、歩行がぎこちない、などの症状が病気を判断するポイントとなっています。また、進行すると排尿がうまくいかなくなることもあります。50歳代以降の人によくみられ、高齢者では症状に気づくのが遅れることがあります。

頚椎症性筋萎縮症

発症に先行して腕の痛みが生じたり、痛みやしびれはなく肩や腕または指の筋肉が細くなって筋力が低下したりする病気です。保存療法により改善する場合もありますが、早期に手術が必要な場合もあります。専門医や総合病院での診断治療が適切といわれています。

6.頚椎後縦靭帯骨化症(けいついこうじゅうじんたいこつかしょう)

手指の運動障害、歩行障害、膀胱障害、手足のしびれ、首を前後に動かす動作の範囲が狭くなるという症状があります。糖尿病や肥満の方や中年以降の方に多く、比較的男性に発症頻度が高いといわれています。

7.髄膜炎

髄膜炎は、激しい頭痛、発熱、寒気、吐き気、嘔吐を伴うことのある病気です。首の後ろが張ってかたくなり、首を前に曲げると痛みます。悪化すると、意識の低下や痙攣が起きる病気です。

まとめ

今回は首が痛いときに考えられる病気のうち、頚部周辺に生じる病気を紹介しました。寝違えや、むちうちなどの聞き覚えのあるものから、今まで聞いたことのない難しい名前のものまで様々ありました。

症状が首の痛みだけなら、しばらく様子をみてもいいかもしれません。しかし、発熱、頭痛、吐き気などの症状もあり、さらに痛みが長引いているようでしたら、かかりつけの医療機関での受診をおすすめします。