イッキ飲みがなぜ危険なのかに関しては「イッキ飲みはなぜ危険?急性アルコール中毒の恐怖」で解説していますが、本記事ではその対策として、急性アルコール中毒の予防法、さらにもし同席者で急性アルコール中毒になってしまった人が出た場合の対処法を紹介します。急性アルコール中毒の危険性も指摘していますので是非参考にしてください。

目次

急性アルコール中毒はなぜ危険か

アルコールは、脳神経を麻痺させます。ゆっくり飲むと穏やかに血中アルコール濃度が上昇し、まず最初に大脳皮質が麻痺するので、理性が弱まり感情が表に出て、多弁や興奮状態になり、本音で語り合えたり小さなことでも面白く感じたりと気分よく酔えます。

しかし、さらに飲酒を続けると小脳が麻痺するので運動機能に障害が現れ、千鳥足になります。それでも飲酒を続けると生命維持に重要な延髄が麻痺し、呼吸の低下、血圧の低下による死へと進みます。

短時間に多量を飲酒しても症状が現れるまで30分以上かかるため、本人の自覚のないまま、延髄が麻痺して死に至る程のアルコール量を摂取している場合があります。これが急性アルコール中毒の怖さなのです。

急性アルコール中毒の予防法

1.まず食べてから飲む

空腹のままアルコールを摂取すると胃腸からのアルコール吸収が高く、急激に血中アルコール濃度が高くなってしまいます。空腹時の飲酒は、できるだけ避けてください。

2.短時間の多量飲酒を避ける

「イッキ飲み」を強要されそうな飲み会には参加しないか、または乾杯だけ参加して早々に帰りましょう。一気飲みの雰囲気が出てきたら電話がかかってきたふり、トイレに行くふりをして逃げることも大切です。

3.その日の体調に注意する

胃もたれ、寝不足、倦怠感、疲労など少しの体調の変化で、いつもなら問題ないアルコール量で急性アルコール中毒になってしまう場合があります。体調の崩れは、肝臓におけるアルコール分解速度の低下が起こります。少し疲れていると分かっているときには、極力ゆっくりと飲むか、最初から飲酒を断りましょう。

4.未成年者は飲まない

未成年は体内の臓器が未熟です。よってアルコールを分解するための肝臓も未発達であり、アルコールを分解するための酵素が充分量分泌されません。さらにアルコールは脳細胞の破壊を加速させると言われていて、実際にアルコール依存症患者の海馬は小さくなります(久里浜医療センターより)。そのため、脳を発達させる必要のある青年期に飲酒することは禁止されています。

急性アルコール中毒の対応

救急車-写真

1.一人にしないで良く観察します

昏睡状態の人はいつの間にか呼吸数が低下したり、泡を吹いたりする場合があり、そのときは救急車による搬送が必要になります。また、泥酔しているけれど歩けるという人はフラフラと車道に出てしまったり、ホームから転落したりすることがあります。絶対に一人にしてはいけません。

2.横向きに寝かせましょう

呼吸が正常なら寝かせましょう。その際仰向けだと急に嘔吐した場合、嘔吐物が喉につまる恐れがあります。横向きにして嘔吐しても気道が確保できるよう、首を伸ばして顎を上げさせます

また、体温低下を防ぐために毛布やコートなどをかけて暖かくします。アスファルトに寝かせている場合は地面に体温を奪われないように地面と体の間に布が挟まるようにしましょう。

3.異変があるときは救急車を呼びましょう

強く叩いても呼びかけに応じない、呼吸が浅く早い、呼吸をしていない、泡を吹いているなどの症状があるときは生命の危険があります。すぐに119番通報しましょう

まとめ

前述3の項目に当てはまる場合、度を超えて酔っぱらっただけで救急車を呼ぶなんて…と迷ってはいけません。一刻を争う事態ですので、すぐに救急車を呼んでください。

酔っ払った人を放置しておくと、命に関わる事態になることも少なくありません。まずはアルコールを適量で抑えることが重要ですが、酔いつぶれてしまった場合はその後の対処にも気をつけましょう。