「まだ寒いのに花がムズムズする」ということはありませんか?もしかすると花粉症かもしれません。春に花粉がよく飛ぶというイメージがあるかもしれませんが、実は年中さまざまな種類の植物の花粉が飛んでいるため、花粉症は通年、起こりうる病気なのです。それぞれの季節に飛散する花粉の種類と時期について、ぜひ参考にしてください。

目次

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花粉症ってなぜなるの?

花粉症は花粉によるアレルギー反応で、体内に入ってきた花粉を排除しようとして、体が反応する際にくしゃみ鼻水といった症状を引き起こします。

同じ食物アレルギーでも人によってアレルギー反応が生じる食物が違うように、花粉でも人によってアレルギーを生じる花粉の種類が異なります。

そのため、スギやヒノキなど春に代表的な花粉にアレルギー反応がある場合は、春に花粉症を発症しますが、他の季節に花粉を飛ばす植物にアレルギー反応がある場合には、春以外で花粉症を発症してしまうのです。

春(3月〜5月)に飛散する花粉

春には花粉症の原因としてよく知られている、スギやヒノキを始め多くの花粉が飛散します。春に飛散する花粉の種類と時期を紹介します。

スギ

スギ花粉のピークは春のイメージが多いでしょう。しかし、実際は2月から多く飛散し始めて、4月までがピークです。北海道や沖縄を除く、全域に多くの花粉を飛ばします。

ヒノキ

スギにやや遅れて飛散し始めて、3月〜5月の春にピークになります。スギ同様に全国で飛散しますが、関東や九州では3月ごろからピークを迎え、その他の地域では少し遅れてピークを迎えます。

ハンノキ

1月から飛散しているハンノキですが、ピークは3月〜4月で迎えます。とりわけ、関東や関西で春に飛散量が多くなります。スギやヒノキに比べ飛散量は少ない花粉です。

シラカンバ

スギやヒノキが少ない春の北海道の花粉症といえば、シラカンバが原因であることが多いです。4月〜6月にかけて多くの花粉が飛散します。しかし、生育環境の条件で、東北までしか花粉は飛びません。

イネ

夏の花粉として知られるイネですが、関東や関西、九州では4月〜5月にかけて飛散のピークになります。

夏(6月〜8月)に飛散する花粉

春は木による花粉が原因でしたが、夏になるにつれ草による花粉が原因となっていきます。

草は木と違い花粉の飛散距離が短く、近づくことで花粉を吸い込むリスクが高まります。夏に代表される花粉が飛散する時期と特徴をみてみましょう。

イネ

夏の花粉として最も代表的な草はイネです。田植えの後から6月ごろまで花粉の飛散がピークとなり、その後一旦落ち着きますが、8月〜9月の稲刈り前後には、イネについた花粉により花粉症のリスクが大きくなります。特に東北では5月ごろから9月までと長い期間飛散するので注意が必要です。

秋(9月〜11月)に飛散する花粉

秋は稲刈りが原因で飛散するイネの花粉に加えて、ブタクサやヨモギといった草による花粉が増加します。代表的な草の花粉が飛散する時期と特徴を確認します。

イネ

9月〜10月の稲刈り時期にイネについた花粉が花粉症を引き起こします。

ブタクサ

秋の花粉症の代表的な草であるブタクサは、多くの地域で9月ごろに飛散のピークになります。特に関東では花粉の量が多く、飛散期間も長いため注意が必要です。北海道では飛散せず、東海も少ないです。

ヨモギ

ブタクサと同じような時期に飛散します。8月ごろから飛散し始めて、9月でピークを迎えます。多くの場所で繁殖しており、近づかないように注意が必要です。

カナムグラ

ブタクサやヨモギと似た時期に飛散しますが、飛散量はやや劣ります。しかし、関東では多く飛散して、飛散のピークも9月〜10月までと長いです。

冬(12月〜2月)に飛散する花粉

冬にも花粉は飛散しますし、2月になるとスギ花粉の飛散が多くなります。冬に飛散する花粉の時期や特徴を把握して、油断せずに対策を立てるようにしましょう。

スギ

量は少ないですが、スギ花粉は秋や冬の間も飛散しています。そして、関東では2月の初旬から多くの花粉が飛散しますし、北海道や沖縄を除く他の地域でも、2月中には大量の花粉が飛散し始めます。

花粉の飛散量は予測できる?

重症のスギ花粉症の患者さんはシーズン中の症状を少しでも軽減するため、花粉飛散予測日を基準にして少し早めに投薬をはじめる初期療法が推奨されています。

また、シーズン中は花粉の飛散量に応じて、外出を控えたり洗濯物を控えたりするなど、患者さん自身が花粉との接触を回避するよう自己管理が求められています。

そこで、花粉飛散量の予測が重要になってきます。

春に飛散するスギやヒノキ花粉の量は、前年の夏の気象条件に影響を受けるといわれています。夏の気候が、

  • 日照時間が多い
  • 気温が高い
  • 降水量が多い

という条件が揃うと、翌年の春の花粉飛散量が増える経口にあるようです。花粉飛散量が少なかった年の翌年は、スギ雄花の着花量が増加するともいわれています。

また他にも、次のような日・時間には花粉飛散量が多くなるとされています。

  • 気温が高く晴れの日
  • 風が強く空気が乾燥している日
  • 雨あがりの翌日や気温の高い日が2~3日続いたあと
  • お昼前後
  • 日没後

 いつの季節でも花粉対策を!4つの対策方法

説明してきたように花粉症はいつの時期でも起こる可能性があります。そのため、花粉症になる前に常日頃から予防や対策を取っておくことが必要です。日常生活でのできる対策方法を紹介しますので、是非実践してみてください。

外出時に服装に注意する

なるべく花粉に接触しないように、マスクやメガネ、帽子やマフラーをしましょう。また、花粉が服に付着して室内に持ち込まないようにするために、ツルツルした服を着るようにしましょう。

外出後に花粉を持ち込まないよう

外出後は玄関の外で服などについて花粉を振り落として室内に持ち込まないようにしましょう。そして、すぐにうがいや洗顔をして、付着した花粉はすぐに洗い流しましょう。

室内でも花粉をシャットアウト

室内に花粉を入らせないために、ドアや窓はしっかり閉めておきましょう。また、こまめに掃除をして、万が一花粉が室内に入っても、すぐに除去するようにしましょう。空気の入れ替えには空気清浄機などを活用しましょう。

布団を外に干さない

布団を外に干してしまうと、花粉が付着して室内への侵入を招きます。出来るだけ布団は室内で干して、布団乾燥機を活用しましょう。午前中は飛散量が比較的少ないので、どうしても外に干したいときは、午前中にしましょう。

室内に取り込んだ後は、掃除機などで表面を吸うと花粉を取り除くことができます。

まとめ

花粉症の対策を紹介しましたが、自分に花粉症を引き起こしている花粉がいつ飛散しているのかという情報をしっかり把握することが重要です。そのためには、しっかりと花粉が飛散する時期や特徴を把握して、症状がひどくなる前に対策を立てるようにしましょう。