歯茎が腫れて出血する、歯がぐらぐらする、口臭がする。末期になると、虫歯になっていなくても、歯自体が抜けてしまうという歯周病。
気付くのが遅いと、歯医者さんに行っても元通りにはなりません。
こんな恐ろしい歯周病、出来ればなりたくないものですが、一番の原因、つまり歯周病の主犯とは一体何なのでしょうか?
この記事では原因と、予防法について書いていきます。

目次

これこそが憎き歯周病の主犯!

歯垢(プラーク)

食後、歯に白い塊がくっついているのを見たことがありませんか?
きっと食べかすだろうと思っている方もいるかもしれませんが、実は食べかすではありません

それは歯垢(プラーク)と呼ばれる細菌の塊で、なんと1mgの中に10億個もの細菌が住みついています。
そして、この細菌こそが、歯周病の主犯なのです。
歯垢(プラーク)が付着していると、細菌が出す毒素によって歯茎が炎症を起こし、歯を支えている骨が破壊され、やがては歯が抜けてしまうのです。

共犯者にならないために…生活習慣でできる予防法3つ

歯周病は生活習慣病と言われるように、日頃の些細なことが歯周病に繋がっています。
あなたのその行動が歯周病の促進につながってしまっているかも?この機会に、是非見直してみて下さい。

1.正しい歯磨き

歯ブラシ

歯周病の犯人である歯垢(プラーク)は、粘着性があり、うがいをした程度では落ちません。ですから、日々の歯磨きは本来、この歯垢(プラーク)を落とすためにするものなのです。ただし、毎日磨いていても、正しい位置に歯ブラシが当たっていなければ落ちません。また歯と歯の間の汚れは、デンタルフロスや歯間ブラシを使わないと十分に落とせません。

「磨いている」と「磨けている」では大きな違いがあります。歯垢(プラーク)が残っていれば、いくら頑張っていても歯周病になってしまう可能性は高いのです。

意外と正しい歯磨きの仕方は難しいものですので、あなたに最適な磨き方を歯医者さんで伝授してもらいましょう

2.禁煙する

歯茎の中には毛細血管という細い血管が通っており、血液が栄養を運んでいます。 歯茎は、歯垢(プラーク)が残っていると炎症を起こし、出血というSOSサインをだし私達に知らせてくれます。

しかし喫煙すると毛細血管が収縮するので、歯茎に栄養が行き渡りにくくなり抵抗力が低下したり、出血しにくくなったりしてしまうのです。そのため自覚症状がないうちに歯周病が進行し、気づいた時には手遅れになってしまうことも珍しくないのです。

喫煙している人は、より一層の注意が必要なのだと言うことを十分念頭に置いておいてください。そして、できることなら禁煙してしまうのが一番です。

3.「口呼吸」や「歯ぎしり」に気を付ける

口で呼吸する癖は、口の中を乾燥させ歯垢(プラーク)の付着を促します。歯ぎしりは、歯周組織(歯を支えている歯茎や骨)への負担となり、歯周病の進行を加速させる可能性があります。

癖になっている時、眠っている間の歯ぎしりはなかなか治せないかもしれません。しかし諦めるのではなく、日常生活で少し意識してみると良いでしょう。

歯医者さんでできること~定期健診のすゝめ~

定期健診を受ける女の子

歯周病の原因は、自分だけではどうにもならない状態になっていることもあります。これらは歯医者さんで処置してもらいましょう。
また、普段は気づきにくい歯の異常について、定期健診をしっかりと受診することが予防につながります

歯石の除去

磨き残された歯垢(プラーク)は、時間が経つと硬くなり、歯ブラシでは取り除きにくくなっていきます。
そして、唾液中の成分と結合し、歯の表面に強固に沈着します。これを歯石といいます。

歯石自体は悪さをしませんが、表面のざらつきに新たな歯垢(プラーク)が付着し、歯周病を進行させるので要注意です。
ついてしまった歯石は、自分では取り除けません。

歯列不正、不良補綴物(合っていない被せ物や詰め物)を治す

歯並びが悪い部分や不良補綴物の境目は、複雑な形態になるため歯垢(プラーク)がたまりやすく、また歯磨きでも取り除きにくい所です。そのような部分の歯茎は炎症を起こしやすく、歯周病になるリスクも高くなります。

お口だけじゃない!歯周病と体の関わり

様々な体の変化も、歯周病を引き起こす要因となり得ます。

糖尿病

糖尿病になると細菌感染に対する抵抗力が低下し、歯周病が悪化しやすい状態になります。
徹底した歯周病治療をすることで血糖値が改善するなど、確かな関連があることも研究で分かっています。

老化、ストレス

老化やストレスなどで体の免疫力は低下します。歯周病は細菌が原因の感染症ですので、免疫力が落ちると歯周病にかかりやすくなります。さらに唾液の分泌量が減り、歯周病菌の増殖を抑える(抗菌作用)機能、お口の中の細菌を洗い流す(自浄作用)機能も低下するため、歯周病になりやすくなります。

まとめ

歯周病は、食い止めることも予防することも可能ですが、その為に欠かせないことが2つあります。
一に、あなたの努力。二に、歯医者さんの協力。
生活で見直せる部分を見直し、定期健診をしっかり受け、適切な歯周治療をしてもらう。
できるところから、歯周病の予防を始めましょう。