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健康な人も歯科との関りを

――今日のお話で、脳卒中の治療において、口の機能を診ることも大切なことだと思いました。

脳卒中は発症した時点で、半年くらいの長い療養生活が待っています。
治療が終わってもリハビリなどの療養生活がずっと続いていく病気です。

口の問題は生活に密着していますが、最初は病状が優先なので、後回しになりがちです。
しかし、口のことも忘れずに歯医者さんにきちんと診てもらうことで、リハビリもうまく進みますし、療養していく上で、楽しくストレスのない食事ができるようになると思います。

なので、どこかで歯科にみてもらうチャンスがあれば、積極的に診てもらいましょう。
歯科のある病院にいるうちに、今後も時々歯科に診てもらった方が良いかは判断してもらうと良いのではないでしょうか。

元気な時には、口の問題はどうにでもなることが多いです。
ちょっと歯が痛いぐらい、別に大丈夫だったりしますし、入れ歯があっていなくても「食べれてるからいいや」となってしまいます。

でも脳の病気などで口が上手く動かなくなったりすると、そういう口の問題が一気に表面化します。

――健康な人も意識しなくてはいけない問題ですね。

パンクしてる自転車でも、元気だったら乗れてしまいます。でも漕ぐ力がなくなってくると、上手く乗れません。
そういう意味では、普段からかかりつけの歯医者さんに行って、きちんと歯を治してもらうことが本当は一番大事です。
そうすればいつ病気になったとしても、「とりあえず歯はきちんとしているから大丈夫」という状況になると思います。

リハビリをずっと続けていくときに、歯の状態が良くないことでリハビリが上手く進まないこともあるんです。
それを防ぐには普段から歯科に行ってきちんと治してもらうこと、もしくは、療養段階のなるべく早い段階で一回歯科にみてもらうことが大事だと思います。

脳卒中はいつ起きるかわからない病気です。
予測ができれば、そろそろ歯を治しておこうかと事前に治療できますが、それができないので、元気なうちにきちんと歯を治しておくことも大切だと思います。

※医師の肩書・記事内容は2017年7月20日時点の情報です。