声がかすれて出づらい、声が枯れているなど、毎日出している声に違和感を持つことはありませんか。

大きな声を出し過ぎたためなのか、風邪などの他の病気のせいなのか、声が出ないときの原因はいくつかあります。ただの声の出し過ぎならば、症状が落ち着くまで自然治癒を待てば良いのですが、深刻な病気の場合は一刻も早く医療機関を受診しなければいけません。今回は声が出ないときに考えられる原因をご紹介します。

目次

声はどうやって出ているの?

そもそも、声はどのような仕組みで出ているのでしょうか。

喉仏の中には声帯があります。声帯の下には気管があり、気管から出てくる空気が声帯を震わせます。声帯は2枚あって、声を出すときには声帯の隙間に空気が通り、声帯が吸い寄せられるようにくっついて声帯を振動させます。

声帯の粘膜表面が柔らかく正常な状態だと、声帯はよく震えます。

声が出づらいときは声帯がどうなっているの?

声帯に何か余計なものができると、上手に震えることができなくなるので声が出づらくなります。また、声帯がぴったりくっつくことができなかったら声がかすれます。

声帯に何かできたり、声帯がうまく動かなくなることで、声が出にくくなるのです。

声帯の検査ってどうやって行うの?

声帯など、喉の奥を観察するには喉頭内視鏡検査が行われます。

光学系の内視鏡が従来から使われていますが、最近では先端にCCDカメラを装着した電子内視鏡も使われるようになり、画像の解像度が良くなりました。内視鏡は鼻腔や口腔から挿入することが多いですが、喉から直接入れるものもあります。

喉頭の様子がパソコンなどの電子機器に動画や静止画で保存される時代になったので、画像を見ながら医師から説明を受けることができます。

声が出ない時に考えられる原因7つ

喉を抑える女性

日常生活が原因のとき

1.声の出しすぎ

大きな声を急に出したり、長い時間話をしたりして声帯を酷使した時に、声帯が炎症やむくみを起こして変形してしまい、声がかすれることがあります。

2.お酒の飲みすぎとタバコの吸いすぎ

アルコール度数の高いお酒は、喉を刺激して炎症を起こします。タバコの煙に含まれるタールは、気管と気管支を刺激して声帯に炎症を起こし、声のかすれの原因となります。

3.加齢

年をとるにつれて声帯も変わってきます。

声帯がだんだんと委縮して、2本の間にすきまができてぴったりくっつかなくなります。そのすきまから息が漏れるので、かすれたような声が出るようになります。

4.疲れ

年齢とは関係なく、体や精神的な疲れからも声は出しにくくなります。

話声が低くなったり、歌手では中低音が出しにくくなったりすることが多く、炎症が無くても声が出にくくなることはぜひ覚えておいてください。

疾患が原因のとき

5.風邪やインフルエンザ

風邪インフルエンザに感染して喉頭に炎症が起きると、粘膜が腫れて喉の痛みを起こします。

声帯も腫れるので、声を出すときにぴったりと合わさらなくなり、声がかすれてきます。 

6.声帯結節

声帯にできる疾患で最も多いのが結節です。

指には使いすぎると「タコ」ができますが、声帯も使いすぎると同じようにその一部が固くなって「タコ」ができ、声が出しにくくなります。

7.声帯ポリープ

大きな声を急にだすと声帯の粘膜に内出血が起きて、血豆ができます。

ポリープは血豆と考えると分かりやすく、時にはしぼむと自然に治りますが、しぼまずに固まってしまうと治らなくなります。

声帯にポリープができると、ある日突然声が出づらくなります。

8.喉頭がん

喉頭部にできたがんが声帯の働きを弱めるために声がかすれます。また、肺がん食道がんが声帯の神経を傷つけて声がかすれることもあります。

9.甲状腺の疾患

甲状腺の炎症や、腫瘍によって声がかすれることもあります。

炎症では甲状腺の機能が低下して声がかすれることがあり、腫瘍の場合は急いで詳しく調べる必要があります。

1ヶ月以上声がかすれることが続けば、深刻な疾患が疑われるので、耳鼻咽頭科か気管食道科を受診しましょう。

まとめ

声が出ないときの原因には、日常生活によるものと疾患によるものがあります。

声帯は身体の他の部分と比べて比較的観察しやすい位置にあるので、重大な疾患の場合も早い段階で発見できることがあります。長引く場合はなるべく早く専門施設を訪れ、的確な診断をしてもらうようにしましょう。