「お腹にガスが溜まる」、「出したいのに出ない」など、便秘で悩む人は多くいます。便秘は1つの原因で起こるものではなく、さまざまな要因が絡み合って起こるものです。また、対処法は人それぞれ異なるので、原因を解明し、それに合った対処法を見つけることが大切です。この記事では、便秘解消のための食事のポイントについて解説していきます。

目次

便秘ってどんな状態?

一般的に便秘とは、3日以上の排便がなく、不快な状態を伴うものといわれています。しかし、実は日数的な便秘の定義ははっきりとは決まっていません。1日1回の排便があるという人もいれば、2〜3日に1回しか排便しないという人もおり、このときに自分が苦痛を感じるかどうかということが便秘の目安になるようです。

便秘の状態では腸の中に老廃物が溜まっています。そのため、便が出ないという症状だけではなく、腹痛や悪心、嘔吐、頭痛といった症状を伴い、肌荒れや化粧のノリの悪さも、便秘が原因で起こっている場合があります。ただの便秘だと思って対処が遅れると、このような症状が現れ、便秘を悪化させる原因にもなるので注意しましょう。

便秘の原因はなに?

便秘が起こる原因には、食生活の乱れ、食物繊維・脂質・水分の摂取不足、ストレス、精神的なもの、排便を我慢しすぎる、薬の乱用などさまざまなものがあります。日本人で便秘を抱えている人の3分の2は腸の動きの低下による弛緩性便秘であるといわれており、改善するためには食生活を中心とした生活習慣全体の見直しが重要です。

便秘を改善するための食事のポイント

それでは実際に、便秘を改善するための食生活のポイントについて解説していきます。

1.食物繊維を多く含む食品を摂取する

食物繊維には、腸内環境を整えて便通を改善する、便のカサを増やす、大腸のぜん動運動を刺激するといった働きがあります。食物繊維の摂取量の目安としては男性が20g以上、女性が18g以上となっていますが、その量を正確に把握することは難しいので野菜類を350g果物を200gという量を意識してみましょう。

2.適度に油を摂る

油は体にはよくないからといって極端に控えすぎるのも便秘の原因になります。脂肪を構成している脂肪酸が大腸を刺激し、排便するときの潤滑剤の役割をして便を出しやすくしてくれます。

3.水分を摂る

水分は便を柔らかくするために欠かせません。起床後にコップ1の水を飲めば腸を刺激して排便を促してくれます。

4.食事量を確保する

便は食べ物の残りカスなので、食べるものの量が少ないと便秘になりやすくなるのは自然なことです。極端なダイエットをしていると食事の量が減って便秘になることもあるので注意しましょう。

5.腸を刺激する食品を活用する

香辛料、酢、アルコール、炭酸飲料は、腸を刺激して排便を促してくれます。腸を刺激するということは、もちろん摂り過ぎると悪影響を与えるということなので、適量は守りましょう。

また、自律神経失調が原因で起こる痙攣性便秘の場合は刺激物を摂取すると逆効果になってしまう場合があります。

6.乳酸菌やビフィズス菌を活用する

乳酸菌やビフィズス菌は、腸内に生息する善玉菌で、腸内環境を整えて便秘を改善する効果があります。乳製品から摂取できるものもありますので、そういった食品を利用したり、善玉菌を増やす効果のあるオリゴ糖を摂取したりするのも良いでしょう。必ずしも乳製品ではなくても、味噌や漬物など日本人にゆかりのある食品からも善玉菌を摂取することはできます。

7.朝ごはんを摂る

朝食の役割の1つとして、体の中の老廃物や有害物質を排出するという役目があります。眠っていた体を目覚めさせ、腸のぜん動運動を促進させるためにも重要です。朝の排便習慣を身に付けるためにも、毎日朝食を食べられるように心がけましょう。

まとめ

便秘によって引き起こされる症状は、小さいものから大きいものまでさまざまで、慢性化してしまうと正常に戻すのが難しくなることもあります。便秘かなと思ったときは早めに原因を解明し、生活習慣の改善とともにそれに合った対処法をとりましょう。