緊張しているときや焦ったときなどにろれつが回らなくなった、舌がもつれた経験はありませんか?精神的緊張状態にある場合などにろれつが回らなくなることはありますが、脳梗塞脳出血などの病気の症状のひとつとしてろれつが回らなくなることもあります。この場合、放っておくと最悪死に至るケースもあるため注意が必要です。では、注意が必要な状態とは一体どのようなときでしょうか?

目次

ろれつが回らなくなる原因は?

ろれつが回らなくなってしまう原因には、脳血管疾患神経・筋の疾患、口腔内や舌に異常がある場合過労やストレスが原因の自律神経失調症小脳疾患球麻痺などがあります。詳しい病気名やそのメカニズムについては「ろれつが回らずうまく話せない…これって何かの病気?」の記事で解説しています。

突然症状が出るものや、徐々に症状が進行していくものなど病気によって違いはありますが、ろれつが回りにくいとコミュニケーションに影響を与えます。そのため、まずは何が原因なのかを見極める必要があります。

病院に行くべき?

結論から言うと、ろれつが回らないといった症状が出た場合は早めに病院へ行くべきです。

先でも述べたように、ろれつが回らなくなる原因のひとつに脳血管疾患があります。厚労省によると、脳血管疾患は日本の死因別で、第4位であり年間11.3万人が亡くなるとされています(厚生労働省)。そのため、早期発見・早期治療は発症後の後遺症や回復の早さに大きく影響を与えます。

ろれつが回らなくなっても一時的であり、すぐに症状が改善したから病院へ行かなかったら、その三日後に急死した…という事例があります。これは一過性脳虚血発作(TIA)といって、脳への血液の流れが一過性に悪くなり、運動麻痺やろれつ障害などの症状が現れますが症状が数分~24時間以内に消失することをいいます。この症状は脳梗塞の前触れでもあり、放っておくと脳梗塞を引き起こす危険性があります。そのため、症状が一時的であったからと安心せずに、症状が出た場合は速やかに病院への受診をお勧めします。

何科を受診するの?

脳血管疾患の疑いがあるため、脳神経外科神経内科の受診が適切です。かかりつけの内科などでも、症状を説明すれば、検査機器の整った大きな病院への紹介状を書いてもらえるはずですので、近くに脳神経外科や神経内科がない場合はかかりつけの病院へ受診しましょう。

また、明らかに口腔内や舌に異常がある場合は口腔外科や咽喉科への受診でも問題ありません。

対処法は?

聴診器とファイル

何度も述べますが、まずは病院への受診が一番です。

しかし、病院へ受診しても明らかな異常が見つからなかった…といった場合は、ストレスや過労が原因であったり、自律神経失調症の症状のひとつである可能性が考えられます。また、対人恐怖や精神的緊張状態によるものが原因であることも考えられます。

ストレスや過労・自律神経失調症である場合は、まずは休息をとり心身共に休むことが大切です。趣味やリラックスできる時間を持ち、身体的精神的安定を図りましょう。

緊張しやすい場合は、まずは大きく深呼吸することで脳への酸素供給を促すとリラックス効果があります。リラックスした状態で落ち着いてから、ゆっくり大きく口を動かしながら話をするようにしましょう。

まとめ

ろれつが回りにくい場合は脳血管疾患を疑って早めに病院を受診しましょう。何事もなければ安心ですし、他の原因が見つかればその治療を行っていきます。また、自分だけでなく周囲の人でろれつの回りにくさを感じるときは遠慮せずに指摘し、病院受診を勧めましょう。