が長引くので、風邪かと思い病院に行ったら気管支炎だった。激しく強い咳が続くと身体への負担も大きく体力を消耗してしまいます。1回の咳で2キロカロリーのエネルギーを使うといわれておりますから、激しい咳が続くと多くのエネルギーを消費してしまいます。医療機関を受診してしっかり治すようにしましょう。今回は、急性気管支炎と診断されたときに病院で行う治療と日常生活で行えるセルフケアについて紹介します。

目次

どんな検査をする?

急性気管支炎の診断は、一般的には、咳やといった症状から判断されます。咳と痰に加えて、発熱が長引いている場合は、肺炎を合併している可能性があるので、胸部X線胸部CTの検査をして胸の内部を調べます。

治療にはどれくらいかかる?

急性気管支炎には、対症療法が中心となって行われます。原因菌の多くがウイルスであるため、病原体に効く治療薬がないので、安静にして過ごしながら水分や栄養を十分に補給することで治していきます。痰を効果的に出すために去痰剤が処方されたり、高齢の方や他の基礎疾患を持っている方に対しては、細菌感染を防ぐための抗菌薬が使用されたりすることもあります。

通常は、発症後3週間に満たない場合を急性気管支炎と定義しています。

咳は持続期間により、3週間未満を急性咳嗽3週間以上8週間未満を遷延性咳嗽8週間以上を慢性咳嗽と分類します。が3週間を越してしまったら、感染症ならマイコプラズマ百日咳感染、または肺炎肺結核も考慮しないといけません。感染症でないとすると、咳喘息気管支喘息を疑う必要があります。「風邪や急性気管支炎は治ったのに咳が出だすととまらない」といった症状は、咳喘息の患者さんからよく聞く症状です。

家庭で行えるセルフケアは?

毎日の暮らしの中で負担にならない程度に治療を取り込んでいく工夫が必要になります。症状を悪化させないために、自分で行えるセルフケアを続けていきましょう。

風邪の予防に努める

気管支炎は風邪から発生することが多いので、まずは風邪やインフルエンザなど呼吸器感染を予防することが大切です。

外出から帰ったときの手洗いとうがいは徹底して行います。冬にインフルエンザが流行するときは、インフルエンザワクチンなどの予防接種を行うのも効果的です。もし風邪にかかってしまったら、状況によって内科や呼吸器内科を受診し、安静にして栄養と水分を摂るようにしましょう。

タバコをやめる

タバコに含まれるタールは、気道を刺激して粘膜を傷つけ、痰や咳を出しやすくして、気管支炎の原因となり病気の進行を早めます。タバコは吸わないことが大切です。どうしても喫煙をやめられなければ、医師に相談をして禁煙をサポートしてもらいましょう。

気道を清潔に保つ

痰を積極的に排出して、気道の清潔さを心掛けます。水分を多めに摂れば、痰の粘り気が減って外に出しやすくなります。部屋の環境にも気を配り、夏は、26℃~28℃くらい、秋から冬にかけては、20℃前後に設定し、加湿器を使って乾燥しないようにしましょう。薬を処方されていれば、指示通り服用します。

肺の機能を高める

呼吸筋ストレッチ方法1-図解
呼吸筋ストレッチ方法2-図解

肺胞の数は数億個と決まっており、肺胞の数を増やすことも、肺胞を鍛えることもできません。しかし、呼吸に関与する筋肉、つまり呼吸筋を鍛えるための呼吸筋ストレッチは肺の機能を高めるのに有効です。

※上の図は、クリックまたはタップで拡大することができます。

栄養をとる

咳の症状がひどくなると、体力が消耗されて食事をとるのが辛くなり、栄養が不足することもあります。食欲が落ちたときは、一度に食べる量を減らし、その分一日の食事の回数を増やすなどして十分な栄養をとるようにしましょう。

運動をする

適度な運動は、肺機能の維持や改善に効果があり、気分もリフレッシュできるので生活に張りが出ます。疲れを残さない程度のウォーキングやストレッチなどの運動を毎日続けられると症状の緩和に役に立ちます。運動中に呼吸が苦しくなってきたら、無理をしないで休むようにしましょう。

まとめ

気管支炎は、や痰が出るという症状から診断され、対症療法が主体となって行われます。治療が長期化することもありますので、忘れずに通院をすることが大切です。家庭 で行えるセルフケアとしては、風邪を引かないこと、タバコを止めること、肺の機能を高めるために呼吸筋ストレッチを行うこと、気道を清潔に保ち、適切な室温と湿度に保つこと、適度な運動と十分な栄養の補給が挙げられます。