心筋梗塞とは心臓の細胞が死んでしまい、心臓の機能が低下し、最悪の場合死に至る病気です。心筋梗塞は、日ごろの生活習慣の影響を受ける病気になります。心筋梗塞を予防するには、まずは正しい知識を身に付けることが重要です。そこで、今回は心筋梗塞とはどんな病気かを説明し、心筋梗塞を予防するための理想的な生活習慣をご紹介します。

目次

心筋梗塞とは

心臓は1日に約10万回も収縮・拡張を繰り返し、全身に血液を送り出すポンプの役割をしています。心臓の動きが止まってしまうと、全身に血液が行かなくなってしまいます。

収縮・拡張する心臓の筋肉細胞に、酸素や栄養を含む血液を送り込んでいるのが、心臓のまわりを通っている冠動脈という血管です。
この冠動脈が動脈硬化などの理由で狭くなると、心筋細胞に送り込まれる血液は不足してしまい、最終的には冠動脈が完全に詰まって心筋に血液が行かなくなってしまいます

この状態を心筋梗塞と呼んでいます。

血液が行かなくなった部分は壊死してしまい、壊死の部分が大きくなると心臓の収縮・拡張ができなくなります。そのため全身に血液が行き渡らなくなり、最悪の場合死に至ってしまいます。

心筋梗塞の主な原因は生活習慣病

心筋梗塞の主な原因は動脈硬化ですが、これは高血圧脂質異常症によって進展することが多いです。

高血圧脂質異常症糖尿病生活習慣病ですから、心筋梗塞の主な原因は生活習慣病であるということになります。

生活習慣病の原因は睡眠不足や運動不足、食生活など様々な生活習慣です。つまり、心筋梗塞を予防するためには生活習慣の見直しが欠かせないのです。

理想的な生活習慣

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では心筋梗塞を予防するためにはどのような生活を送ればよいのでしょうか?2014年にスウェーデンのカロリンスカ医科大学のAgneta Akesson教授らの研究グループが、心筋梗塞のリスクが最も低い男性のライフスタイルを明らかにしました。その研究による、「理想的な生活習慣」をご紹介します。

タバコを吸わない

タバコを吸うと、様々な有害物質とともに一酸化炭素も体内に取り込まれます。
一酸化炭素は、赤血球に含まれるヘモグロビンと結合しやすいため、本来ヘモグロビンによって体中に運ばれなければならない酸素が体内に回りづらくなってしまいます。

その結果、体内の組織が酸素不足に陥るため動脈硬化が進み、心筋梗塞をはじめとする様々な循環器疾患が起こりやすくなってしまうのです。

タバコの本数が増えれば増えるほど、心筋梗塞で死亡するリスクは高くなります。ですから、心筋梗塞を防ぐためには禁煙が一番なのです。

健康的な食生活を送る

朝食を抜く、インスタント食品やファストフードばかり食べるなど、不規則な食習慣が続いている人は、自分の食事を見なおしてみましょう。
基本的に和食をとり、食物繊維を多めに・塩分は少なめに、ミネラルが多くバランスの良い食事を心がけると良いでしょう。

週に1時間程度のエクササイズを行っている

軽い運動を行うと、心筋梗塞や狭心症を予防することができます。瞬発力が必要とされる無酸素運動ではなく、持続的にできる有酸素運動を行ってください。

いちばんのおすすめはウォーキングです。ゆっくりとしたジョギングや、軽い水泳でも構いません。

早朝や深夜は動脈がいつもよりも収縮していることがあります。その時間帯は避け、起床後しばらくしてから有酸素運動を行うと良いでしょう。

まとまった時間がとれないという人も、できるだけ歩く機会を増やしてみてください。

最後に

今回紹介した生活習慣は、あくまで目安です。自分の生活や健康状態に合わせて、適宜変更してください。無理をしすぎてすぐにやめてしまうのではなく、自分にできる範囲で長期間続けることが大切です。身近な生活習慣を見なおして、健康な体を作りましょう!