タバコが止められない、肉や脂っこい食べ物が大好きで最近太ってきたなと思うことはありませんか。健康診断で血圧が高い、糖尿病予備軍だといわれた、中性脂肪やコレステロールが高いなど何らかの異常を指摘されたことがある人は特に要注意です。なぜ体に異常が現れるのでしょうか。今回は、心筋梗塞の原因となる生活習慣を4つ紹介したいと思います。

目次

心筋梗塞とは?

心筋梗塞とは、心臓の血管が狭くなってところに動脈硬化でできた血栓(血の固まり)が詰まって、血液が流れなくなる病気です。

心筋梗塞になると20分ほどで心臓の筋肉(心筋)が壊れ始め、対処が遅れると命に関わってきます。
幸運に助かった場合でも、心筋は一度壊死してしまうと回復することはなく、一生付き合わなければならなくなります。

心筋梗塞の症状は?

心筋梗塞の典型的な症状としては、胸が締め付けられる感じ急激な胸の痛みが挙げられます。
しかし胸以外の痛みが出現する場合もあり、心臓だと気付かないこともあります。

症状をまとめてみると

  • 胸に激痛が走り、動悸が止まらない
  • 激しく脈が乱れ呼吸困難になる
  • 吐き気や冷や汗で顔面蒼白になる
  • 圧迫感と強い不安感が起こる
  • 肩や腕の痛み(放散痛)

などがあります。

どんな人に多い?

心臓の病気は、攻撃的で競争心が高く、せっかちで短気な性格の人に多くみられるという研究結果があります。

特に日本では、仕事中心主義の人にこのような傾向が見られるようです。
思い当たる人は、時には自分と家庭のための時間をのんびりと過ごしてみてください。

また、ストレスが心筋梗塞やその原因となる狭心症は、現代の生活習慣や食事などに大きな影響を受けます。
タバコと血中にあるLDLコレステロールには注意が必要です。

不健康な生活をしていると感じている人は心筋梗塞になりやすいといえます。

心筋梗塞が起こりやすい生活習慣を見直しましょう

ハート

脂っこい食事などで脂肪が消費されず血液内に溶け出すと、血管内にプラークと呼ばれる固まりができます。
これが狭心症の原因となり、そこに血栓が詰まった状態が心筋梗塞です。

心筋梗塞の原因を知った上で生活を見直し、病気の予防に役立てましょう。

喫煙

喫煙は様々な原因で心筋梗塞を引き起こします。
煙の中の一酸化炭素やタールが血管の内皮を障害したり、善玉(HDL)コレステロールが減少して、逆に酸化LDLコレステロールが増えます。

これらは全て動脈硬化に関係します。
また、タバコの煙は一時的に血圧や心拍数を上げ、血管を収縮して、心筋梗塞を起こしやすい環境を作ります。

喫煙することにより心筋梗塞のリスクは3倍になります。

また、本数が増えるとリスクは高まります。
しかし禁煙すると2年ほどでリスクは減るため、予防に効果的です。

欧米化した食事

肉中心の食生活は脂肪分が多く、血液成分中のLDL(悪玉)コレステロールが増えることで動脈硬化や狭心症になるリスクが上がります。

魚には中性脂肪・LDLコレステロールを下げる働きがあるEPA(エイコサペンタエン酸)があります。特に青魚(イワシやサバなど)に多く含まれています。

動脈硬化は高血圧とも関連するため、塩分を控えることも予防に効果的です。

アルコール

喉が渇いたときに飲むビールは美味しいですが、アルコールには利尿作用があるため脱水になってしまいます。
脱水になると血液が粘っこくなり、血栓ができやすくなります。

飲酒するときはアルコールが含まれない水分も一緒に飲むことが必要です。

また、大量のアルコールは肝臓で代謝しきれず、中性脂肪が血中に多く排出されてしまいます。
アルコール健康医学協会では、1日にビールなら中びん1本(500ml)・日本酒なら1合(180ml)までを適量としているので参考にしてください。

ストレス・うつ

ストレスやうつはホルモンのバランスが崩れ、心臓に異常が出ることが分かっています。

例えば働き盛りの若い男性喫煙者では夜遅くの就業中に、働いている男性では月曜日の朝に多く見られます。

さらに、うつ病も心筋梗塞と関係があります。うつ病患者さんの場合心筋梗塞の予後が悪いことが知られており、これはうつ病による不規則な健康習慣や、ストレスに伴って分泌されるホルモンの影響ではないかと考えられています。

ストレスは心筋梗塞以外にも様々な病気の原因となるものです。
最近ストレスを感じているな、と思ったら、少し息抜きや気分転換をしてみるとよいでしょう。

ストレス解消のための3つのRとは?ストレスコーピングを実践しよう!」の記事を参考にしてみてください。

心筋梗塞の治療

直ちにカテーテル手術が必要になります。足の付け根や腕の血管から心臓に細い管を入れ、狭くなった血管を膨らませたり、ステントという網状の金属を入れて血管を支えたりします。

しばらくは血栓を溶かすための薬剤を24時間点滴し、安静のためベットからまったく動けなくなります。
退院しても病院に通い続けなければなりません。

まとめ

心筋梗塞は命に関わる病気ですが、原因は動脈硬化や狭心症など日常生活の習慣で予防できるものです

生活習慣をいきなり変えることは難しいですが、無理のない範囲でできることを増やしていきましょう。
たとえばタバコをやめる、アルコール量を減らす、肉ばかりでなく野菜や魚も食べる習慣を付ける、など、今日から始めてみてはいかがでしょうか?