今や国民病と言われる花粉症。毎年シーズンになるとくしゃみや鼻水、目のかゆみなど、不快な症状に悩まされる人も多いと思われます。花粉症はアレルギー疾患の一種で、薬剤による症状の緩和や免疫に関する治療法など治療法が進歩する一方、いまだ完治ができない病気です。

症状の悪化予防には流行時期の前から花粉の吸収や付着を予防することが必要ですが、これらの予防をしていても症状が出てしまった場合は症状がひどくならないうちに医療機関を受診し、適切な治療を受けることが必要です。

しかし、すぐに受診できない場合はどのような点に注意すればよいのでしょうか?花粉症を悪化させない生活習慣のポイントをまとめてみました。

目次

 

花粉症を悪化させない生活習慣の7つのポイント

1.疲労やストレスをためない

花粉症の症状そのものがストレスとなりやすく、特に鼻閉感(鼻が詰まったかんじ)が強いと集中力が低下し、仕事や勉強の効率が上がらずイライラしてしまいがちです。また、目のかゆみや違和感から頭痛を起こすこともあります。ただでさえこうしたストレスの多い花粉症ですが、それに加えて肉体的な疲労や精神的なストレスが加わると、花粉症の悪化を引き起こします。花粉が飛散する時期は、無理をせず普段よりもこまめに休息をとり、リラックスするように心掛けましょう。

アロマは花粉症の症状を軽くし、リラックス効果もあります。ミントやユーカリなど、清涼感のあるアロマオイルをマスクに数滴垂らしておくと、鼻の通りがよくなります。またアロマオイルを加湿器に加えたり、カップや洗面器に熱湯を入れ蒸気を吸入したりするなどの方法も症状の緩和には効果的です。

2.睡眠を十分にとる

寝ている男性

睡眠不足はホルモンバランスを崩し、アレルギー症状を悪化させます。鼻閉感が強いと睡眠中も口呼吸となっており、睡眠の質が低下しています。むやみな長時間の睡眠は健康には逆効果ですが、夜更かしは控え早めの就寝を心掛けましょう。また就寝中も加湿器の使用やマスクの着用によって、喉や鼻を保湿することが安眠にも繋がります。

3.食事

花粉症を悪化させたり、症状を改善させたりする特定の食品はありません。しかし免疫力を高める効果として乳酸菌やポリフェノールを含む食品が推奨されています。

  • 乳酸菌を含む食品:ヨーグルト 味噌など
  • ポリフェノール:緑茶 赤ワイン など

また鼻や目の粘膜の炎症の改善に必要なビタミンミネラルを含む食事をバランス良く摂取し、免疫力を低下させるジャンクフードや加工食品ばかりに偏らないようにしましょう。

4.禁煙

花粉症によって鼻や喉は炎症を起こし、過敏になっています。その状態での喫煙はさらに粘膜の炎症を悪化させ、症状を悪化させます。花粉症を悪化させないためには必ず禁煙しましょう。

5.飲酒は控えめに

アルコールの摂取は鼻の粘膜を一時的に充血・肥厚させることがあり、鼻閉感が強くなってしまいます。また、二日酔いの原因物質であるアセトアルデヒドは、アレルギーの原因となるヒスタミンを増やすため花粉症を悪化させます春先は送別会やお花見など飲酒の機会も増えますが、くれぐれも飲みすぎには注意しましょう。

6.肌の保湿

花粉症は鼻や目だけでなく、皮膚の炎症も起こします。乾燥した皮膚は小さな傷を作りやすく、花粉による刺激を受けやすい状態となっています。保湿性の高いローションやクリームを使用し肌の保湿も心掛けましょう。

7.市販薬の服用は慎重に

葉っぱに乗った錠剤

現在ではドラッグストアなどでも花粉症の症状を和らげる薬が販売されています(市販薬の比較についてはこちら)。

多くは抗ヒスタミン剤というアレルギー物質に直接作用する薬で、くしゃみや鼻水などの症状には即効性があります。しかし、眠気や喉の渇きといった副作用があります。

また、内服薬以外に点鼻薬も市販されていますが、血管を収縮させて鼻の通りを良くする効果がある一方、長期間使用すると鼻の粘膜を肥厚させ、かえって鼻閉を起こしやすくなる副作用があります。

市販薬は花粉症の不快な症状を一時的に緩和する目的で使用し、長期間の服用は控えましょう。

まとめ

くしゃみ鼻水鼻づまり目のかゆみなど、花粉症の症状はつらく不快なものです。少しでも症状を軽くするためには、身体の免疫力を高めておく必要があります。今回ご紹介したように、ストレスの緩和や睡眠、食事など基本的な生活を整えることが花粉症の悪化予防につながりますが、症状が強い場合は無理をせず医療機関を受診しましょう。