トイレの後、赤く染まった便器を見て「あっ!」と驚いた経験はありませんか?

血便は、さほど心配をしなくてもよい場合から大腸がんなどの大きな病気が原因となっている場合まで、さまざまなケースがあります。ここでは、血便の原因となるさまざまな病気を見ていきましょう。

目次

そもそも血便ってどうしてでるの?

血便は、食べ物を食べて排出するまでの消化・排泄の過程のトラブルによって出血し、便に血が混ざることによっておこります。口に近い、食道、胃、十二指腸などの上部消化管からの出血の場合は、黒色に近い便となり、これらは下血と呼ばれます(本記事では、すべて「血便」とします)。

一方、小腸、結腸、直腸、肛門などの下部消化管が出血している場合は、便器が赤くそまるなどの鮮やかな血が混ざった血便となります。

血便の原因となる病気

腰をおさえる男性

では、血便の原因となる病気を、上部消化管(食道、胃、十二指腸)と下部消化管(小腸、大腸(盲腸・結腸・直腸)、肛門)にわけて見ていきましょう。

1.上部消化管のトラブルが原因となるもの

上部消化管からの出血では吐血を伴うことがあります。血便よりも先行し、吐血の方が主な症状となることもあります。

胃潰瘍十二指腸潰瘍

胃潰瘍十二指腸潰瘍は、ピロリ菌や薬、胃酸などによって、胃や十二指腸の粘膜が傷つけられ、粘膜や組織の一部がなくなる病気です。上腹部の痛み胸やけなどの症状を起こします。黒い血便の出る上部消化管出血で一番多いケースです。

胃がん

胃がんの初期症状として、黒色便がでることがあります。また、貧血をともなうことも。出血が少量の場合は、黒色にならない場合もあります。

食道炎

食道の粘膜が炎症のため傷ついている状態で、そのほとんどは逆流性食道炎と呼ばれる病気です。胃潰瘍・十二指腸潰瘍同様に、黒色の血便となりますが、吐血を伴う場合も多くあります。

食道静脈瘤(しょくどうじょうみゃくりゅう)

食道静脈瘤は、肝臓の病気などが原因となり、行き場を失った血液が逆流し、細い血管に大量の血液が流れ込むために起こります。食道静脈瘤に自覚症状はありません。この静脈瘤が破裂して大出血をおこし、初めて気づくケースが多いようです。

胃にもできることがあり、その場合は胃静脈瘤といいます。

2.下部消化管のトラブルが原因となるもの

上部消化管からの出血に比べ、あざやかな血が見られます。

内痔核

いわゆるいぼ痔です。便器が赤くそまったり、排便後拭き取った紙に血が付着したりします。痔を長く患っていると、出血・血便に対して次第に慣れが生まれてきますが、他の原因による場合もありますので油断は禁物です。

裂肛

いわゆる切れ痔です。激しい痛みが伴いますので、血便の原因としては分かりやすいといえます。

大腸がん

大腸がんの初期症状としての血便があります。大腸がんの初期には自覚症状がありませんから、血便というサインを読み取って受診することが早期解決のカギとなります。肛門に近いがんほど、赤い血のついた便が出ます。がんのサインを見落とさないようにしたいものです。

炎症をともなう腸の病気(潰瘍性直腸炎大腸炎,クローン病,感染性大腸炎など)

クローン病など、原因がわかっていない炎症をともなう腸の病気でも血便が出る場合があります。腹痛下痢、発熱などをともないます

トイレ

血便はさまざまな消化管のトラブルによってもたらされるので、どの病気による出血なのか原因をいち早くつきとめることが大切です。口に近い部位からの出血は黒色のタール状の便、肛門に近い場合は赤い血が見られるケースが多いと覚えておきましょう。

まとめ

血便になったら、まずは内科、消化器(内・外)科、肛門(内・外)科などの医師に診てもらいましょう。その際に、便と血の混ざり具合もよく見ておくと、血便の原因のヒントとなります。また、目で見てわかるほどの血が混ざっていない場合は、便潜血検査という検査で便に血が混ざっていないかを調べ、大腸がんなどの重い病気でないかをチェックすることもあります。

重大な病気の場合もあるため、早めに検査を受けるようにしましょう。