なんだか熱っぽい、喉もいたいし風邪かな…と思って市販の総合かぜ薬を買いに行ったという経験は誰しもがあると思います。けれど総合かぜ薬って種類が多すぎて店頭で迷ってしまいませんか?

同じメーカーの同じシリーズでも10種類以上の商品がでていたりして、どれがいいのか、どう違うのかわからないですよね。そこで今回はそんな総合かぜ薬の中でも有名な「パブロン」シリーズについて、どんな症状にきくのか、何歳から服用できるのか、副作用はどんなものがあるのかなどについて詳しく見ていき、違いをお伝えしたいと思います。

目次

パブロンSゴールドW

剤型

錠剤・微粒

使用可能年齢

8歳から

成分

  • アンブロキソール塩酸塩:去痰・痰きり成分
  • L-カルボシステイン:去痰、気道粘膜の正常化
  • ジヒドロコデインリン酸塩:しっかりとした効き目の止め
  • アセトアミノフェン:子供でも使える解熱鎮痛作用
  • クロルフェニラミンマレイン酸塩:くしゃみ、鼻水を止める
  • リボフラビン(ビタミンB2):栄養補充するビタミン

副作用

咳止め成分による便秘や鼻水止め成分による眠気、口の渇きなどがあらわれやすいです。

またクロルフェニラミンマレイン酸塩によって前立腺肥大・緑内障の症状を悪化させることがあるため、このような方は使用を控えるか、医師・薬剤師に相談してください。

特徴

パブロンSゴールドWには去痰成分が2つ入っており、気道粘膜を正常化することでウイルスなどの原因物質を痰とともに外に排出させる効果があります。

そのため痰が絡む咳や、痰が切れなくて困っている風邪などに特に効果的です。

パブロンSゴールドWの「W」は、この去痰成分が2種類、つまりW(ダブル)処方されていることからつけられています。

パブロンSα

剤型

錠剤・微粒

使用可能年齢

錠剤:5歳から、微粒:1歳から

成分

  • ブロムヘキシン塩酸塩:去痰成分
  • ジヒドロコデインリン酸塩:中枢(脳)に作用する咳止め
  • dl-メチルエフェドリン塩酸塩:気管を広げて呼吸を楽にする咳止め
  • アセトアミノフェン:解熱鎮痛成分
  • マレイン酸カルビノキサミン:くしゃみや鼻水を抑える成分
  • 無水カフェイン:頭痛緩和成分
  • ビスイブチアミン (ビタミンB1誘導体):栄養補充するビタミン
  • リボフラビン(ビタミンB2):栄養補充するビタミン

副作用

咳止め成分による便秘、また気管支拡張成分によって血管収縮による血圧上昇心臓刺激などが生じるおそれがあるため、高血圧・糖尿病・心臓病などの方は使用を控えるか薬剤師、医師に相談してください。

また鼻水止め成分による眠気、口の渇きなどがあらわれやすく、症状悪化の可能性があることから前立腺肥大・緑内障の方の使用も控えるか、相談が必要です。

特徴

比較的低年齢から使用でき、また色々な症状にも対応していることから、常備薬としておいておくと便利でしょう。しかし持病がある方や高齢者が使用する場合、注意が必要となりますので確認してから服用してください。

パブロンゴールドA

剤型

錠剤・微粒

使用可能年齢

錠剤:11歳から、微粒:1歳から

成分

  • グアイフェネシン:去痰成分
  • ジヒドロコデインリン酸塩:咳止め成分
  • dl-メチルエフェドリン塩酸塩:気管支拡張、咳止め成分
  • アセトアミノフェン:解熱鎮痛剤
  • クロルフェニラミンマレイン酸塩:くしゃみ・鼻水止め成分
  • 無水カフェイン:頭痛緩和成分
  • リボフラビン(ビタミンB2):栄養補充するビタミン

副作用

便秘や眠気・口の渇きなどがおこりやすいです。

高血圧・糖尿病・心臓病・前立腺肥大・緑内障の方の使用は控えるか、医師・薬剤師に相談してください。

特徴

こちらもパブロンSα同様色々な症状に対応しており、微粒は子供から服用できるので常備薬として置いておくのもよいでしょう。またお値段も安くたくさん入っているため購入しやすいです。しかし持病のある方は注意が必要です。

パブロンエースAX

剤型

錠剤・微粒

使用可能年齢

15歳から

成分

  • イブプロフェン:しっかりとした効き目の解熱鎮痛剤
  • アンブロキソール塩酸塩:去痰成分
  • ジヒドロコデインリン酸塩:咳止め成分
  • dl-メチルエフェドリン塩酸塩:気管支拡張、咳止め成分
  • クロルフェニラミンマレイン酸塩:くしゃみ、鼻水止め成分
  • 無水カフェイン:頭痛緩和成分
  • チアミン硝化物(ビタミンB1硝酸塩):栄養補充するビタミン
  • リボフラビン(ビタミンB2):栄養補充するビタミン
  • アスコルビン酸(ビタミンC):栄養補充するビタミン

副作用

便秘や眠気・口の渇きなどに加えて、イブプロフェンが入っているため胃腸障害などが生じる恐れがあります。また胃・十二指腸潰瘍・高血圧・糖尿病・心臓病・前立腺肥大・緑内障の方の使用は控えるか、医師・薬剤師に相談してください。

特徴

イブプロフェンが配合されているため、15歳未満の小児は使えません

しかしイブプロフェンは解熱鎮痛剤のイブやリングルアイビーなどにも入っている、しっかりとした効き目がある成分です。特に痛みや腫れなどに効果的なので、のどの痛みがひどい場合などに用いるとよいでしょう。

パブロン50

剤型

錠剤・顆粒

使用可能年齢

15歳から

成分

  • アセトアミノフェン:解熱鎮痛成分
  • グアヤコールスルホン酸カリウム:去痰成分
  • 麦門冬湯乾燥エキス:乾いた咳や痰が切れにくいときなどによく用いられる漢方

副作用

ジヒドロコデインリン酸塩やアレルギーを抑える成分が入っていないため、便秘や眠気・口の渇きなどの副作用はあらわれにくいです。

比較的副作用の少ない成分で構成されているため持病をお持ちの方でも使いやすい商品になっていますが、併用薬・持病がある方は医師・薬剤師に確認をしてから服用してください。

特徴

漢方である「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」が入っており、副作用がでやすい成分が入っていないため幅広い層に使えます。

しかし鼻水・くしゃみを抑える効果はあまりなく、全体的に穏やかな効果をもつ薬といえるでしょう。鼻症状がなく、眠気などを起こしたくないとき使用するとよいでしょう。

子供用パブロン

風邪をひいた男の子-写真

パブロンkidsかぜシリーズ

剤型

シロップ・微粒・錠剤

使用可能年齢

シロップ:3ヶ月から、微粒:1歳から、錠剤:5歳から

特徴

子供用に特化したシリーズで味もイチゴ味など飲みやすく工夫されています。

カフェインやdl-メチルエフェドリンが入っていないため眠りを妨げることもなく、しっかりと熱を下げ、鼻水や咳などを抑えます。

こどもパブロン座薬

剤型

座薬

使用可能年齢

1歳から

特徴

病院で出される子供用の座薬と同じ成分です。急な発熱など、早く熱を下げたいときや嘔吐など口から薬を飲むことができないときに使用します。

まとめ

いろいろな種類のパブロンをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?以上の特徴をもとに、子供用以外のパブロンシリーズを簡単にまとめてみました。

 シリーズ名 剤型 年齢 副作用 特徴
パブロンS
ゴールドW
錠剤
微粒
8歳~ 便秘・眠気・口喝

前立腺肥大・緑内障は注意!

去痰作用◎
パブロンSα 錠剤
微粒
5歳~
1歳~
便秘・眠気・口喝

前立腺肥大・緑内障・高血圧・糖尿・心臓病等は注意!

常備薬として◎
パブロンゴールドA 錠剤
微粒
11歳~

1歳~

便秘・眠気・口喝

前立腺肥大・緑内障・高血圧・糖尿・心臓病等は注意!

常備薬として〇

値段もお手頃◎

パブロンエースAX 錠剤

微粒

15歳~ 便秘・眠気・口喝・胃腸障害

胃潰瘍・前立腺肥大・緑内障・高血圧・糖尿・心臓病等は注意!

のどの痛みや腫れ◎
パブロン50 錠剤

顆粒

15歳~ 副作用少ない◎ 鼻水・くしゃみ×

 

家族全員が使える常備薬ということで、痰を伴う事が多いなら「パブロンSゴールドW」、小さいお子さんがいて一般的で値段も手頃なものなら「パブロンSα」、一番安いものなら「パブロンゴールドA」などがいいでしょう。

のどの痛みや腫れがひどいときは「パブロンエースAX」、仕事や勉強などで眠気を伴わない風邪薬が必要ということなら「パブロン50」がよいでしょう。

家族構成や、持病の有無、どんなタイプの風邪を引きやすいかなど考慮して購入してください。