食物アレルギーが疑われるとき、いったい誰に相談したら良いのか、どうしたら良いのかと悩む方は多いです。初めて症状がみられたときからその後の食生活の工夫まで、3つのステップに分けて正しい対応方法をご説明します。食物アレルギーの原因については、「ママや妊婦さんは特に注意!食物アレルギーの原因とは?」をご参照ください。

目次

1.何のアレルギーか知る

安全な食生活を送る最初のステップは何のアレルギーか知ることです。しかし食事中に蕁麻疹や口回りの赤みが生じても、原因食品まで特定できないことが多いのです。経験や推測ではなく専門医を受診しましょう。

また、軽度の赤みでは本当にアレルギーか疑ってしまうかもしれません。自分の痒みは感知しやすくても、お子様の場合分かりづらいことも確かです。そのような場合は「食物日記」のような食事記録をつけることをおすすめします。

食事記録には、その日に食べた食材・調味料・油など全て記入できると良いのですが、毎日記録するのも大変ですので、症状が出た日だけでも記録をしておくと、意外と共通の食品が浮かび上がってきて、その後の検査や診断にとても役に立ちます。例えば血液検査や皮膚テストにしても、これから食べる食品全てを調べるわけにはいかないので、怪しいものを抽出して検査するのです。

症状についても書いておくと、次に発症したときにも役立ちます。しかし、たとえ軽度でも2度同じ症状がみられた場合は必ず医療機関を受診してくださいね。

2.アレルゲンを摂取しない

87c9debb9490aa44ed3307a1b05203f7_s

症状を引き起こすアレルギー食品(アレルゲン)が特定できたら、次は「摂取しない」ことが重要になります。

重症の食物アレルギーは命を落とす可能性もあるほど危険な場合があります。決してアレルギーを持つことを隠してはなりません。特に重篤なアレルギー症状を発症した経験のある方は該当食品を周囲の人に伝えておきましょう。そして誤って食べてしまい、ショック症状を来たした時に使用するアドレナリン自己注射薬(商品名:エピペン)を携帯している方は、そのことも周囲の人に伝えておいた方が良いでしょう。

お子様の場合、食品名とエピペンの件は、担任の先生や栄養士だけではなく、教職員全員やクラスの同級生に知ってもらう必要があります。

 

では調理の段階で原因食品を除けない、すなわち加工食品を購入したり外食する場合どうすればよいでしょうか。

卵、乳、小麦、そば、落花生、えび、かには「特定原材料」と呼ばれ、これらを含む加工食品には「(○○、△△を含む)」のような表示が義務付けられています。また、サバ、鶏肉、ゼラチンなどの20品目は表示が推奨されています。

しかし、店内で焼いたパンや量り売りのお惣菜など、そもそも原材料の表示がないものもあります。また、原材料として「マヨネーズ」と表示してあれば、「卵」が表示されないことがあります。これは、「マヨネーズが卵、油、酢などを原材料に作られるとよく知られている」という考えのもと認められているのです。

これらを特に注意して、「アレルゲンを摂取しない」ことが第2ステップです。

3.他の食品で栄養を補う

アレルギー食品の代わりに他で栄養を補うことが最後のステップです。実際お子様のアレルギーが発覚すると、しっかり栄養が摂れているか悩んでしまう方は多いです。

栄養を補うポイントは次の3つです。

代替食品を利用する

低アレルゲン化した食品や、食品成分にアレルゲン食品を含まないように製品化した代替アレルギー用食品が各メーカーから販売されています。

同じ栄養素を含む食材で代用する

乳製品のアレルギーなら魚でカルシウム補給をする。魚類がアレルギーなら、魚に多く含まれるビタミンDをきのこ類で補う。などの工夫が可能です。

調理の工夫で低アレルゲン化する

卵や魚のように、加熱するとアレルギーを起こしにくくなるものも知られています。しかし個人差は大きいので、ご自身の体質を知った上で行ってくださいね。

最後に

アレルゲンを知る、アレルゲンを摂らない、栄養を他で補う。この3ステップで食物アレルギーと正しく付き合っていきましょう。

少し大変ではありますが、気負いすぎないことも大切です。正しい知識を持っていればきっと楽しい食生活が送れますよ。