インフルエンザは例年、12月~3月が流行のシーズンです(厚生労働省より)。インフルエンザに罹ったとき、一番心配になるのは家族間での感染なのではないでしょうか?特に高齢者や乳児、小児はインフルエンザによって命に関わる合併症を引き起こす可能性もあるため、大変危険です。

そこでこの記事では、インフルエンザに罹ったときの過ごし方について、周囲への感染予防とあわせて解説します。

目次

インフルエンザのときの過ごし方4つのポイント

インフルエンザが発覚した時に自宅で行ってほしい基本的な処置です。

1.安静にする

インフルエンザへの感染が発覚したら、薬を飲みながら自宅で安静にし、回復を待つことになると思います。特に睡眠をとることは大切です。

2.水分補給を忘れずに

体温上昇により汗をかくこと以外にも、不感蒸泄(ふかんじょうせつ)といって皮膚や呼気からも水分が失われるため、普段よりも多く水分が体外に排泄されます。そのため水分補給はしっかりと行いましょう。

特に食事がとれない状態であれば、スポーツドリンクなどはカロリーもあり、体内のナトリウムやカリウムなどの電解質のバランスを補えるため理想的です。もちろん、家にスポーツドリンクがない場合には、お茶やスープなど水分であればどんなものでも構いません。

3.できるだけ食事を摂る

食事が摂れるようになれば抵抗力をつけるために食事を摂りましょう。

4.適度な温度・湿度を保つ

乾燥した部屋は呼吸器を傷めるため、60~70%の湿度に部屋を加湿し、身体を冷やさないよう20~22度に部屋の温度を設定しましょう(石狩振興局より)。

とにかく早く治したい

仕事や旅行などの日にちが決まった用事がありインフルエンザを一刻も早く直したいという方もいるのではないでしょうか。

インフルエンザを1日でも早く治す最大のポイントは、発症後すぐに治療薬を利用するということです。

発症後2日以内に内服すれば症状を軽くし、罹病期間の短縮も期待できるものとされています(NIID国立感染症研究所より)。

家庭内での感染拡大を防ぐポイントとは

家の中で感染拡大を防ぐためにはいくつかポイントがあります。

1.発症から3日目までは要注意

インフルエンザは発症から3日目までが最も感染力が強いといわれているため、特にその期間は濃厚接触を避けるようにしましょう(石狩振興局より)。

2.マスクの着用、手洗い、アルコール消毒

インフルエンザの感染経路は、インフルエンザにかかっている人のくしゃみなどのしぶきに含まれるウイルスを吸い込むことによって感染する飛沫感染、ウイルスが付着した手で口や鼻などに触れる接触感染があります。

そのため、家の中でも必ずマスクを着用しましょう。また、手でくしゃみなどを受け止めた場合は必ず手洗いを行いましょう。また、インフルエンザに罹った人が触れたであろうドアノブなどをアルコールなどで消毒するとよいでしょう。

3.こまめな換気、適度な加湿

インフルエンザに罹った際に1人で部屋に閉じこもれるのであればまだしも、他の人と一緒の部屋で眠らなければならないという場合は、部屋を加湿し、換気をこまめに行いましょう。また、可能であれば1m以上は離れて眠れるとよいでしょう(丸石製薬株式会社より)。

インフルエンザにまつわるQ&A

レモネード
ここで、インフルエンザにまつわる素朴な疑問とその答えをご紹介します。

Q:薬を飲み忘れてしまったら?

A:薬を飲み忘れてしまったら、気づいたときに飲み、一度に2回分などを飲まないようにしましょう。万が一、過量に内服してしまったという場合はすぐに医療機関へ相談しましょう。

Q:薬を飲んだ後吐いてしまったら?

A:もしも吐いてしまったら、もう1錠内服せずに次の内服時間まで待ちましょう。成分がどれほど吸収されたか分からないため、前述したように過量投与を避けることが理由です。

また、タミフルの副作用によって吐いてしまっている可能性もあります。そのため、経過を見て医療機関へ相談してみてもよいでしょう。

もしも、診察を受ける前から嘔気(気持ち悪さ)があれば、吸入タイプのお薬もあるため、そちらにしてもらえるように相談してもよいかもしれません。

Q:体調が悪くてご飯が食べられない

A:食事がとれなければ無理してとる必要はなく、食べられるようになってから食べても大丈夫です。

しかし、水分だけはしっかりととるようにしましょう。スポーツドリンクなどであれば、カロリー摂取もできるので便利です。

Q:いつから仕事へ行ってもいい?

A:インフルエンザは発症から3~7日間は鼻やのどにウイルスが存在しているとされています。そのため、その期間は外出を控えることがのぞましいとされています。

学校保健安全法(昭和33年法律第56号)では「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては、3日)を経過するまで」をインフルエンザによる出席停止期間としています(厚生労働省より)。

仕事の場合は、会社によってインフルエンザの出勤停止期間は異なりますが、解熱後2~3日を参考として良いでしょう。場合によっては、インフルエンザ完治の証明書を医療機関からもらわないと出勤できないという所もあるようです。

まとめ

毎年冬になると猛威を振るうインフルエンザ。今年はしっかりと対策をとってできることならインフルエンザに感染せずに冬を越したいものですね。

また、万が一罹った場合の症状を軽減するため、感染拡大を予防するため、予防接種を検討するとよいでしょう。