例年11月~4月にかけて猛威を奮うインフルエンザ。仕事への影響を防ぐためにも、お子さんの受験シーズンに備えるためにも、予防接種(ワクチン)は有効です。効果的な摂取時期としては、12月までには終わるように計画を立てることをおすすめします。特に13歳未満の子供は2回の接種が推奨されているので、1回目は10月~11月上旬、2回目は11月中に受けるスケジュールが理想です。
インフルエンザの症状とは?
インフルエンザは、通常の風邪と違い、38度以上の熱とともに、頭痛、関節痛、筋肉痛などの痛みが急激に発症します。日本では、毎年約1,000万人が罹患し、約1万人が亡くなっていると推計されています(厚生労働省より)。
季節性のインフルエンザワクチンは、インフルエンザA/H1N1亜型(インフルエンザ(H1N1)2009)と同じ亜型)とA/H3N2亜型(A香港型)、B型では2タイプの4種類が含まれたワクチンとなります。
インフルエンザの予防接種の効果
予防接種の有効性は、60%程度といわれています(アステラス製薬より)。ただし、ワクチン株と流行株が一致しなかったときの有効性はこれよりも低くなります。この結果は健康な成人で調べられたもので、型別にみるとA型の有効性はおよそ80%、B型は一般的にA型より低くおよそ50%と報告されています。
一方で、子供の場合、A型では予防効果があるのは30~50%程度で、B型や1歳未満ではさらに効果が低くなります。
これらの数値を見ると、インフルエンザワクチンの効果はそれほど高くないと思われるかもしれません。ただし、ワクチンの役割は発病を予防するだけではありません。インフルエンザワクチンを接種しておくことで、感染・発症した場合にも脳炎や重症肺炎などの重症化を防ぐことが主な目的です。
また、妊娠中の母親が摂取すると、生まれた赤ちゃんにも予防効果があります。
インフルエンザ予防接種を受ける時期

大人
13歳以上は通常1回接種ですが、2回接種することもできます(接種間隔はおよそ1~4週間)。
子供
生後6か月以上で12歳まで(13歳未満)では2回ずつ接種します。10月ごろに1回目を接種し、およそ2~4週間(できれば4週間)の間隔をあけて、2回目を接種します。
インフルエンザ予防接種の副反応
季節性インフルエンザで比較的多くみられる副反応(副作用)は、局所的な反応と全身の反応に大別されます。
局所的な反応は、接種を受けた人の10~20%に起こりますが、通常2~3日でおさまります。
- 赤み(発赤)
- はれ(腫脹)
- 痛み(疼痛) など
また、全身の反応は接種を受けた人の5~10%に起こり、通常は2~3日でなくなります。
その他、ごくまれに以下のような重い副作用の報告があります。
- アナフィラキシーショック(呼吸困難、紅潮、蕁麻疹などのアレルギー症状)
- ギラン・バレー症候群
- 急性脳症
- 急性散在性脳脊髄炎
- けいれん
- 肝機能障害
- 喘息発作
- 血小板減少性紫斑病
異常があった場合は速やかに摂取した医療機関に連絡することをおすすめします。
インフルエンザ予防接種の料金
民間企業の調査結果によると1回あたりの摂取料金が、1,000円~6,500円と価格差は大きいです。平均的には大人が3,500円前後、子供が3,000円前後が多いようです。企業が加入している健保組合によっても、補助の金額が違う場合があるので、摂取する際には、一度加入している健保組合に確認するとよいでしょう。
まとめ
国内外を問わずエボラ出血熱やジカ熱、デング熱といった感染症が話題になることが増えています。毎年のように流行するインフルエンザは、日本人にとって最も身近な感染症と言っても過言ではないでしょう。一人ひとりが早期に予防することで、感染拡大を防いでいきたいものです。