季節の変わり目や気圧の変化などで頭痛を経験する人もいるのではないでしょうか。

慢性の頭痛・片頭痛に悩む方も多くいることと思います。市販薬などの鎮痛剤や自分なりの対処方法で痛みを和らげている方もいるでしょう。

しかしその頭の痛み、放っておいても大丈夫な痛みですか?

目次

頭痛とは

頭蓋内外の痛覚組織が刺激されて現れる痛みの総称で、簡単にいうと頭の一部や全体に痛みがある症状のことです。頭痛は冷たいものを食べたときや風邪をひいたとき、寝不足のときなど普段の生活の中でも簡単に起こりうる、またどの年齢層でも起こる可能性のある身近な症状のひとつです。

しかし、脳腫瘍や髄膜炎くも膜下出血などの脳血管障害や、高血圧・血管疾患・中毒などの全身性の病気などが原因のこともあり、安易に捉えることは危険です。

頭痛の診断のために必要な情報とは?

頭痛には、脳血管疾患や眼・鼻・耳・歯などの局所性疾患、頭部の外傷など原因が分かるものと、特に病気が隠れているわけではないのに起こる片頭痛緊張型頭痛などの慢性頭痛、さらに不安やストレスなどからくる心因性の頭痛などがあります。

さらに、頭痛の種類によっては痛む場所や痛み方も人それぞれであるため、その頭痛がどのような種類の頭痛なのか判断するためにはまず、痛みの出現時期(一日のうちいつ痛くなるか、何をしたときに痛くなるか)・頻度・性質(どのような痛みか)・程度・部位・持続時間などの情報をもとに分析していく必要があります。

病院にかかる際には、前述の項目を参考にしながら、痛みを感じてから現在に至るまでの様子について細かく医師に伝えるようにしましょう。正確な診断適切な治療のために必要です。

後頭部の痛み

肩こりがつらそうな男性

頭痛の中でも後頭部、いわゆる頭のてっぺんから後ろ・首筋にかけて痛みを感じることがあります。これを後頭部痛と呼びますが、この後頭部痛を訴える人は「緊張型頭痛」「後頭神経痛」「くも膜下出血」である可能性が考えられます。

緊張型頭痛

後頭部から首筋にかけて、重苦しい感じや圧迫感があることが特徴とされています。

無理な姿勢を長時間続けたり、パソコン作業により目や肩・首が疲れたりすることで、頭や肩・首の筋肉に負担がかかりその筋肉は過度に緊張します。緊張した筋肉は血行が悪くなり、疲労物質が停滞しやすくなります。その疲労物質がうまく排出されずに頭痛が起こるとされているのです。

また、心配や不安ごとなどの心理的ストレスからもこの頭痛は起こるといわれています。

片頭痛

片頭痛も後頭部の強い痛みから始まることがあります。片頭痛から放散する痛みを後頭部に感じるのです。片頭痛による痛みだった場合、後頭部の痛みを感じた後、頭全体や片側の脈打つような強い痛みに変化するのが特徴です。

後頭神経痛

後頭部には後頭神経という神経が走っており、この神経が何らかの原因で炎症などを起こすことによって頭痛を引き起こすとされています。

この頭痛の場合、炎症の起きている神経の部分を触ると強く痛んだり、電気が走ったようなぴりっとした痛み・きりきりとした痛みなどが特徴とされています。

耳の後ろや後頭部にかけての痛みが多く、左右どちらか一方のこともあれば頭全体が痛むこともあります。

原因としては、長時間の同一姿勢による神経への負担、外傷などによる外的刺激頸椎の異常、疲れが溜まったときや体が弱っているときに活性化しやすいへルペスウイルスによるものが考えられています。

くも膜下出血

くも膜下出血では、突然今までに経験したことのないような激しい痛みを後頭部に感じます。「ハンマーで殴られたような痛み」とも表現されるほどで、立っていられなくなるような激痛を伴います。

これは、脳内にある大きな血管が破れ出血することによって感じるもので、放っておくと死に至ることもあるので早期の対応が必要となります。

まとめ

頭痛は誰でも経験する身近な症状のひとつです。片頭痛などの慢性頭痛を持った人も多く、解消方法や対処方法もその人それぞれであることでしょう。

しかし、頭痛といっても実は生命に関わる重大な病気が隠れていることもあります。これはいつもの片頭痛だから……などと自己判断せず、長期に渡る頭痛が改善されない場合や、いつもと違う痛みを感じた場合など、何か気になることがあれば躊躇せず病院を受診することをお勧めします。