麺がのびる前にラーメンを急いで食べようとしたとき、カップの蓋の穴からコーヒーを飲もうとしたときなど、舌は火傷(やけど)をすることがよくありますよね。舌を火傷してしまったとき、ヒリヒリ痛かったり、水ぶくれ(水疱)ができたり、そんなときどのように対処すればいいのでしょうか?
口の中の火傷の度合
舌の火傷は次の3段階に分けることができます。
Ⅰ度熱傷
舌の最も外側の部分(上皮)が損傷。ヒリヒリとした痛みを感じたり、舌が赤くなったりします。
Ⅱ度熱傷
舌の最も外側の部分と、その下にある粘膜下組織が損傷を受けた場合をいいます。水ぶくれができたり、赤く腫れあがったりし、Ⅰ度熱傷のときよりも強い痛みを感じます。また、味がわからなくなります。
ケロイドができてしまう恐れがでてきます。
Ⅲ度熱傷
舌の粘膜全層が火傷をした状態です。白い皮のようになったり、黒い炭のようになったりします。火傷の跡が残らないように皮膚や粘膜を移植する手術を行うことがあります。
舌の火傷のほとんどはⅠ度熱傷ですが、水疱ができるⅡ度熱傷の場合もあります。
舌の火傷が治るまで
一般に、舌の火傷は唾液によって湿潤かつ唾液の殺菌作用があるため、治癒が早いといわれています。
Ⅰ度熱傷の場合
- 3~4日で舌の表層が回復します。
Ⅱ度熱傷の場合
- 火傷をしてから3時間が経つまでに、水ぶくれができます。
- 1~2日後から、水ぶくれが退縮していきます。
- 潰瘍(口内炎)ができます。
- 約2週間後には、糸状乳頭などの味蕾が修復され、味覚が元に戻ります
- 約4週間で完全に回復します。
舌を火傷したときの対処法
舌を火傷した場合の対処法です。なお、Ⅲ度熱傷の場合にはすぐに病院に行くようにしましょう。
Ⅰ度熱傷の場合
感染が起きないように清潔にすることを心掛けてください。
具体的には、
- 食べかすが残っている場合は優しく取り除く。
- 冷水を口の中に入れ、数分間すすぐ。
- 歯磨きは火傷をした部位に触れないように、丁寧に行う。
- 刺激が少ないうがい薬(アズノールうがい薬など)でうがいをする。
- 刺激物(アルコールや香辛料)は食べない。
- ケナログなど口内炎の塗り薬を塗る。
- 痛みが強い場合は鎮痛剤を飲む。
Ⅱ度熱傷の場合
感染を予防することが大切です。水ぶくれを潰さないように気を付けて、歯磨きや食事を行ってください。なるべく歯科医院や皮膚科を受診しましょう。
具体的な対処法は
- 亜鉛が含まれている食品を食べる
- ビタミンCがたくさん含まれている食品を食べる
- 食べかすが残っている場合は優しく取り除く。
- 冷水を口の中に入れ、数分間すすぐ。
- 歯磨きは火傷をした部位に触れないように、丁寧に行う。
- 刺激が少ないうがい薬(アズノールうがい薬など)でうがいをする。
- 刺激物(アルコールや香辛料)は食べない。
- ケナログなど口内炎の塗り薬を塗る。
- 痛みが強い場合は鎮痛剤を飲む。
ヒリヒリした痛みが治らない!

ヒリヒリとした舌の痛みは火傷のせいだけではありません。舌の痛みは他の病気が原因となっている場合があります。
上記のような原因が考えられますが、原因が明確でない場合も多く認められます。
火傷をしてから、2週間程経過しても痛みが治らない場合は、歯科医院や皮膚科を受診するようにしましょう。
まとめ
舌を繰り返して火傷をしていると、舌ガンの原因になってしまう場合があります。また、熱い食べ物は食道などにも負担がかかります。火傷をしないように食べ物の温度を確かめてから食べるようにしましょう。火傷をしてしまった場合はまず冷やし、刺激物を避けて経過をみるようにします。
また、2週間程度経っても、ヒリヒリ痛い場合は火傷の痛みではない可能性があります。歯科医院や皮膚科を受診するようにしましょう。