皮膚がピリピリして痛い、赤い発疹と水ぶくれが帯状に現れ始めた。このような症状が身体に出たら、帯状疱疹を患っているのかもしれません。名前の通り、 帯状に小さな水ぶくれが現れるのが特徴的なこの病気は、一体どうして発症するのでしょうか?今回は帯状疱疹の原因や症状、よく似た病気との見分け方について解説します。
帯状疱疹の症状や、発症しやすい年齢
帯状疱疹の主な症状は以下のようなものです。該当する症状が出てきた場合、皮膚科で相談することをおすすめします。
- 身体の片側にピリピリとした痛みと、場合によっては痛痒さが現れて、数日から1週間続きます。
- 虫さされのような赤い発疹が現れ、微熱、リンパ節の腫れや痛み、発疹の場所によっては頭痛などが見られることもあります。
- 赤い発疹の上に小さな水ぶくれが多く発生します。水ぶくれの中央にくぼみがあり、透明だったものが黄色くなり、6~8日で水ぶくれが破れてただれます。
- 発疹が現れてから1週間は、赤い発疹や水ぶくれが新しくできて拡がります。約2週間でかさぶたとなって、約3週間でかさぶたがはがれおちて、治癒に向かいます。通常、発疹がなくなると痛みも引いていきますが、痛みだけ残る場合もあります。
上記のほかに、以下のような合併症が起こることもあります。
身体の知覚神経のある部位に発症します。一般的には、身体の片側の神経に沿って帯状に発疹が現れ、特に胸から背中にかけて多く見られます。
帯状疱疹が最も多くみられる年代は50~70歳代ですが、ストレスや疲れが溜まっていると若い人でも発症することがあります。
また、発症するのは基本的に生涯に一度で、免疫が低下している方を除けば再発することはほとんどありません。
帯状疱疹後神経痛
帯状疱疹の大部分は、発疹が治ると共に痛みもなくなります。
しかし発疹が治まったあとも、持続的なヒリヒリとした痛みや、刺すような痛みが一定の時間で繰り返すなど、痛みが続く場合があります。この痛みが3ヶ月以上続くような症状が、帯状疱疹後神経痛です。
高齢者に多く、初期に重症な症状ほど帯状疱疹後神経痛に移行しやすいといわれています。
帯状疱疹の皮膚症状が強かったり、眠れない程の痛みが出たりする場合は、特に注意してください。
帯状疱疹後神経痛では神経の損傷により痛みが出ているため、ペインクリニックなどで専門医の治療を受けることをおすすめします。
帯状疱疹が起こる原因は?

帯状疱疹は、ヘルペスウイルスの一種である水痘・帯状疱疹ウイルスが原因となって起こります。
このウイルスに初めて感染した場合、まず水ぼうそう(水痘)を発症します。
水ぼうそうは、一度発症するとその後一生感染しませんが、このときに感染したウイルスは身体の神経節に潜伏します。水ぼうそうが治ったあとも、ウイルスは身体の神経節にひそんでおり、その後、何らかの誘因によってウイルスが再活性化されて、帯状疱疹を発症します。
水ぼうそうにかかったことのある人なら誰もが発症する可能性のある病気ですが、全員が帯状疱疹になるというわけではありません。
帯状疱疹を起こす誘因としては、過労や免疫機能の低下、加齢、手術、放射線照射などが指摘されています。ウイルスが再活性化すると、神経節内で増えて知覚神経を通り皮膚まで行き、表皮細胞に感染します。そこでさらにウイルスが増殖して、赤い発疹や水痘が現れます。神経に沿って症状が現れるので、帯状に見えるのです。
帯状疱疹は人にうつる?
帯状疱疹は、周りの人に帯状疱疹としてうつることはありません。
しかし、水痘・帯状疱疹ウイルスを身体に持っているため、水ぼうそうにかかったことがなく抵抗力の弱い乳幼児などに、水ぼうそうとしてうつる場合があります。
帯状疱疹と単純ヘルペスの違いは?
帯状疱疹と単純ヘルペスは、症状が似ている場合もありますが別の病気であり、原因となるヘルペスウイルスの種類も違います。
同じヘルペスウイルスのなかでも、水痘・帯状疱疹ウイルスが原因で発症する病気は水ぼうそうと帯状疱疹ですが、単純ヘルペスウイルスによって起こる病気が単純ヘルペスです。
唇の水ぶくれなどに代表される単純ヘルペスは、一度かかると何度も再発を繰り返すこともある病気です。
まとめ
帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる病気です。
水ぼうそうにかかったときのウイルスが身体の中に残り、何らかの原因によって 身体の中で増殖して皮膚に感染して発症します。
主な症状は、痛み、痛痒さ、水疱などで、後遺症として帯状疱疹後神経痛を患うこともあります。単純ヘルペスとは症状が似ていますが、異なる病気です。