胸にピリピリ、チクチクと針か棘(とげ)が刺さっているような痛みが出て、心臓が悪くなったのではないかと心配になったことはありませんか?急に胸が痛むと何か病気になったのではと不安になりますよね。

今回は、そんな胸のピリピリ、チクチクした痛みが出たときに、心臓以外に考えられる原因を解説します。

目次

胸が痛くなる原因

胸がピリピリ、チクチク痛む原因は、精神に負担がかかった結果心臓が痛むように感じるケースや、ウイルスが胸付近を刺激している場合があります。そのほか炎症によって乳房に痛みを覚えるなど女性特有の症状もみられます。

胸がピリピリ、チクチク痛くなる病気

心臓神経症

心臓を調べても異常がみられないにも関わらず、自分自身が心臓病を抱えていると強迫的に思い詰めて胸がチクチク痛みます。ほかにも不安と恐怖から来る動悸窒息感不整脈など多彩な症状が現れます。

呼び方は色々あり、ちょっとの作業で疲れることから「努力症候群」、戦場の最前線にいる兵士がよく症状を訴えることに由来して「兵士心臓」などが挙げられます。

原因は精神神経の状態(内因)とストレスを与える状況(外因)のバランスによって症状が出てくるものと理解されています。

異常がないため自分が納得できるような心臓への具体的な治療はしてもらえません。心臓の検査を受けて問題ないことを確認しても不安なときは、心療内科や精神神経科の医師への相談を検討しましょう。

乳腺炎乳腺症

乳腺炎出産後、授乳期の女性にしばしばみられる疾患です。乳腺内の乳管の通りが不十分のため、乳汁が極度に溜まってしまい、炎症を起こした状態のことをいいます。乳房全体が赤く腫れ、痛みと熱感が伴うほか、高熱に見舞われます。

休息や水分、栄養をしっかり取りましょう。また温湿布で乳首を温めるなど乳汁をしっかり出す工夫も必要です。出しやすくするために痛み止めを飲むこともあります。

細菌が侵入した場合に起こる化膿性乳腺炎や、症状が改善しないときは抗生物質を服用します。膿が溜まった場合は抜き取ることもあります。

乳腺症は、乳腺が性ホルモンの過剰分泌などで影響を受けて乳房が痛んだり、しこりができます。中年女性によくみられます。レントゲンなどで悪性と判断されなければ、自然回復を待ちます。

胸が痛い女性-写真

乳房痛

乳房がチクチクと痛むもので、月経前症候群の症状として現れることが多いです。この場合は乳房の痛みや張りのほか、頭痛、便秘などが身体的症状として挙げられます。また不安感や意欲低下など精神的な症状もみられます。

月経が来る数日前から痛みを感じ、月経が始まると消失していきます。原因は女性ホルモンの低下などさまざまです。痛みへの治療には鎮痛剤が用いられますが、自分の症状に合った漢方の服用、余計なストレスを抱えないことなども重要です。

帯状疱疹

小児期に感染した水痘・帯状疱疹ウイルスが神経節に潜伏感染し、体力や免疫力が低下したときに再発して発症します。

帯状疱疹ウイルスは神経のある場所に眠っているので、再発した場合には末梢神経・血管を含めた皮下組織や皮膚に炎症が起きます。皮疹は限局した胸部・腰背部・顔面の片側だけに出現します。

胸の痛みは、肋骨の内側にある肋間神経痛が該当します。付近の皮膚がピリピリ・チクチクし、その後皮疹や水泡形成が現れるので、容易に診断がつきます。休息を十分取り、処方された抗ウイルス薬や抗炎症性鎮痛薬で治します。

まとめ

胸がピリピリ・チクチクする痛みは、心臓そのものに問題が無ければ命を奪われるような危険な疾患ではありません。

それでも症状が不快であったり不安であったりすることに変わりはないので、必要であれば病院を受診しましょう。精神的な理由の場合は痛みを過度に捉えず、一人で解決が難しいときは心療内科などに相談してください。