「男なのに以前と比べて胸のふくらみが気になる」…そんな悩みを抱えている人はいませんか?例え男性であっても、胸が大きくなる症状は表れます。この症状は女性化乳房と呼ぼれ、原因がいくつか考えられます。今回は女性化乳房について、その原因について紹介していきます。

目次

女性化乳房とは

男性であるにも関わらず、乳房が膨らむ症状を女性化乳房と呼びます。女性で発達している乳腺は、男性の乳首の周辺にもあります。基本的に男性は女性ほど乳腺は発達しませんが、腫れてしこりを生じたり、痛んだりすることはあります。

女性化乳房は大きく分けて続発性遺伝性の2つがあります。加齢や病気などが原因になるのは続発性で、思春期以前に発症し、低身長などの症状がみられる場合は遺伝性です。

膨らむメカニズム

男なのに胸が膨らむのは女性ホルモンの増加によるものとされています。通常、男性は男性ホルモンが多く分泌されていますが、女性ホルモンも分泌されています。ただ、女性ホルモンに比べ、男性ホルモンが多く分泌されているため、男性は女性とは異なる体つきになります。

そのため、遺伝的な理由や加齢、病気などで女性ホルモンが過剰に分泌されると、男性ホルモンとのバランスが異常になります。そうして女性のように胸が膨らむ症状が表れます。

女性化乳房を引き起こす病気などは?

ベンチに座って頭を抱える男性

女性化乳房は加齢によるホルモンバランスの乱れでも生じます。また女性化乳房がみられたからといって、胸が膨らむ以外の症状がなければ無害なものが大半です。しかし、何らかの病気をきっかけに起きている場合もあります。ここでは女性化乳房を引き起こす恐れがある病気など4つを説明します。

男性乳がん

男性でも非常に稀ですが、乳がんになる場合があります。乳がんについて詳しくは国立がん研究センターがん対策情報センター|がん情報サービス「乳がん」をご覧ください。

脳下垂体、甲状腺、睾丸の腫瘍

脳下垂体や甲状腺、睾丸では様々なホルモンが分泌されます。そこに腫瘍が生じると、過剰なホルモン分泌が起こり、女性化乳房を引き起こすとされています。例えば、脳下垂体で腫瘍が生じるとプロラクチンと呼ばれるホルモンの過剰分泌で女性化乳房がみられます。

肝機能障害

肝臓は女性ホルモン(エストロゲン)を分解する機能を持っています。そのため、肝炎肝硬変肝臓がんといった肝臓の疾患により肝臓の機能が障害されると、女性ホルモンが分解できなくなります。そうして女性化乳房を引き起こすことがあります。

薬の副作用

病気ではありませんが、薬の副作用でも女性化乳房が生じます。女性化乳房のうち約20〜30%ほどの割合を占めるとされています(松戸市薬剤師会より)。主なものでは強心剤(ジギタリス)、向精神薬、降圧剤(レセルピン)などが挙げられます。

まとめ

男性で胸が膨らむ症状は特に問題がない場合が大半です。一方で病気やホルモンの異常が原因で生じている場合もあります。そのため、他に症状が現れているかどうか確認するのは重要です。また、この症状は他の人には伝えづらく、男性にとっては見た目の問題も抱えています。気になった場合は行きづらいかもしれませんが、病院を受診してみましょう。