ズキズキと突然やってくる頭痛、仕事や勉強にも身が入らず困ったことがある方も多いのではないでしょうか?

ロキソニンなどの痛み止めを常備して使用している方も多いとは思いますが、中には痛み止めが効かないような頭痛に悩まされている方もいらっしゃるでしょう。
また胃腸が弱い方は痛み止めを飲むことで胃が痛くなったりなどの副作用を感じる方もいるでしょう。
そこで今回は頭痛の時に使われる漢方「呉茱萸湯(ごしゅゆとう)」について詳しく見ていきたいと思います。

目次

呉茱萸湯とは?

呉茱萸湯は「ごしゅゆとう」と読み、主に頭痛に用いられる漢方です。

漢方はいくつかの生薬が組み合わさってできており、今回の呉茱萸湯は以下のような生薬が含まれています。

  • 呉茱萸(ごしゅゆ)
  • 人参(にんじん)
  • 大棗(たいそう)
  • 生姜(しょうきょう)

体を温めるような生薬が使われており、冷え性の女性などによく用いられますが、苦いお薬の為飲むのに苦労する方もいらっしゃいます。

どうしても飲めないといった方は漢方用の服用ゼリーやオブラートに包んで服用してみてください。オブラートは袋型の物の方が扱いやすいでしょう。

呉茱萸湯の効能効果

それでは呉茱萸湯は具体的にどのような症状に効くのでしょうか?

繰り返し起こるような頭痛に効くとされていますが、特に以下のような症状に用いられています。

1.片頭痛

ズキズキとした拍動性の痛みが片側(人によっては両側)に生じ、4時間~数日続きます。

血管の拡張によって痛みが生じるとされ、原因としては疲労・ストレス・女性ホルモンが関与しているとされています。痛みが激しく嘔吐を伴うこともしばしばみられ、市販の解熱鎮痛剤では効かないこともあります。

2.緊張型頭痛

ストレスや長い時間同じ姿勢でいるなどで血流が悪くなった結果起こる頭痛のことで、肩や首のこりが伴うことが多いです。

後頭部を中心に重く鈍い痛みが朝から晩まで続くような症状で、温めると楽になります。

3.頭痛に伴う嘔吐

頭痛の痛みによって引き起こされる嘔吐にも効果的とされています。

呉茱萸湯はどのようにして頭痛に効く?

ハーブティーでリラックス

では呉茱萸湯の頭痛に対する効果はどのようにして発揮されるのかについてみていきましょう。

漢方では頭痛は「冷え」が頭への(人の体を支える原動力のようなもの、エネルギー)」や「(全身に栄養を与えるもの)」のめぐりのじゃまをして流れを乱れさせてしまうことで生じるとされています。

そこでこの「冷え」をなくす必要があるため、呉茱萸湯ではおなかを温めて「冷え」なくします。その結果頭への「気」や「血」の流れが正常となり、痛みを取り除くのです。

また胃腸の調子を整え吐き気も抑えるため、頭痛に伴う嘔吐にも効果的であり、胃腸が弱い人でも使用できるようになっています。

呉茱萸湯が向いている人

漢方は人ぞれぞれの体質によって使用すべきものが変わってきます。

体力がある方にはある方向けの漢方を、ない方にはない方向けの漢方を選ぶ必要があり、体質を無視した選び方をすると胃腸障害などの副作用が生じやすくなってしまいます。

今回の呉茱萸湯は「体力中等度以下で、手足が冷えて肩がこる方」に適した漢方です。

胃腸にも優しい漢方であるため、西洋薬の解熱鎮痛剤が副作用の胃腸障害で使えない方にもおすすめの漢方です。

呉茱萸湯の使い方

1日3回食前、または食間に服用してください。毎日服用することで慢性的な頭痛が改善されたり、片頭痛の回数が減るなどの効果が出やすいです。

呉茱萸湯の副作用

飲み始めに胃のむかつきや食欲減退が生じることがありますが、慣れていくことも多いので、症状がひどくないようなら様子を見ながら続けてみてください。

また体に合わず蕁麻疹などが生じた場合は使用をやめてください。

まれに肝機能障害も生じることがあるため、体がだるい、白目が黄色いなどの症状が現れたら医師に相談してください。

まとめ

ストレスなどが多い現代社会で、頭痛もちの方は多いのではないでしょうか。しかし頭痛だからと言ってそう簡単には仕事や家事・育児を休むことはできません。

そんなときにはお薬とうまく付き合うことで頭痛を抑え、日常生活を送る必要があります。

今まで西洋の解熱鎮痛剤を使ってきた方がほとんどだと思いますが、西洋薬の使い過ぎで胃の調子が悪い、頭痛の回数を減らしたい・・など考えている方は今回ご紹介した呉茱萸湯を試してみてもよいでしょう。苦くて飲みにくい方もいらっしゃるでしょうが、オブラート漢方用の服用ゼリーなどを使って飲みやすくすることも可能です。

またお薬と合わせて体を冷やさないようにしたり、ストレスをためないようにすることも頭痛予防には効果的ですので是非意識して毎日を過ごしてください。