口の中に水ぶくれができてしまったら、一体どうしたら良いのでしょうか。早く対処して、口腔内を正常な状態に戻したいですよね。今回は口の中に水ぶくれができた時の治し方についてお伝えしていきます。

目次

口の中に水ぶくれができる原因

口の中に水ぶくれができる原因には様々なものがあります。まずはどんな時に水ぶくれが起きる可能性があるのかを見ていきましょう。

ウイルスによってできる場合

  • 手足口病:コクサッキーウイルスの一種によって起こるもの
  • 単純疱疹(たんじゅんほうしん):単純ヘルペスウイルスによるもの
  • 帯状疱疹(たいじょうほうしん):水痘・帯状疱疹ウイルスによるもの

唾液腺が関係してできる場合

  • 粘液嚢胞(ねんえきのうほう):小唾液腺がある所に唾液が貯留してできるもの
  • ガマ腫:大唾液腺(舌下腺)にできる粘液嚢胞

 原因不明の自己免疫疾患による場合

  • 類天疱瘡(るいてんぽうそう):歯肉に見られる限局性の水疱
  • 尋常性天疱瘡(じんじょうせいてんぽうそう):大きなびらんを形成するもの

歯肉膿瘍

歯周病などが原因で炎症を起こし、膿が溜まっている状態

血腫

咬傷などによって、血液が貯留している状態

 

各病気についてさらに詳しく知りたい方は、「口の中に突然水ぶくれが!考えられる7つの原因」をご覧ください。

水ぶくれの治し方は?

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手足口病

特効薬はないため、経過観察や、症状に応じた治療(対症療法)を行うことになります。

まれに髄膜炎脳炎などの合併症を起こす場合があるので、注意が必要です。下記のような症状がみられた場合は、すぐに医療機関を受診してください。

  • 高熱
  • 発熱が2日以上続く
  • 視線が合わない
  • 呼びかけに反応しない
  • 嘔吐
  • 頭痛
  • ぐったりしている
  • 呼吸が速く、息苦しそう
  • 水分をとることができず、排尿がない

単純疱疹

治療法は抗ウイルス剤の内服や注射軟膏の塗布などです。

水ぶくれは感染源となることがあるので、直接触れないようにしてください。また、症状が治ってもウイルスが潜伏していて、再発することもあります。

帯状疱疹(たいじょうほうしん)

抗ウイルス剤をできるだけ早期に服用することで治療します。

重症な場合は、抗ウイルス薬の点滴静注を行うため、入院が必要です。局所の場合は二次感染を防ぐため、化膿疾患外用薬や潰瘍治療薬を貼布します。

粘液嚢胞(ねんえきのうほう)

しぼんで小さくなっても再び大きくなり、自然治癒することはほぼありません。原因となる小唾液腺と嚢胞の切除が必要です。

ガマ腫

原因になっている舌下腺と、嚢胞を外科的に切除することが治療法になります。

類天疱瘡(るいてんぽうそう)

軽症の場合、ステロイド軟膏の塗布やうがい液による含嗽を行います。

中等症では、テトラサイクリン・ニコチン酸アミド療法を1~2週間行い経過観察します。十分な効果が得られない場合は、副腎皮質ステロイドホルモン(ステロイド)内服を併用します。それでも治りにくい場合は、重症の尋常性天疱瘡(後述)と同様の治療法を行います。

尋常性天疱瘡(じんじょうせいてんぽうそう)

ステロイドパルス療法、免疫抑制剤内服併用、血漿交換療法併用などを行います。治療をせずそのままにしておくと、2次感染や体液漏出による重篤な症状が起きることがあるので注意が必要です。

歯肉膿瘍

膿が溜まっており、腫れが著しい場合には切開して膿を出します。切開したところや歯周ポケット(歯と歯茎の境目にある溝)を薬で洗浄し、抗生物質を処方します。炎症が少し落ち着いたら、歯周病の治療を行います。

血腫

積極的な治療は特に必要ではありませんが、邪魔であれば貯留した血液を排出することもあります。

まとめ

口の中に水ぶくれができる原因はいくつもあります。治療のためには薬を服用したり、ときには外科的な処置が必要なケースもあったりします。

周囲の人に感染させないためにも、そして何より重症化を防ぎいち早く治すためにも、異常に気付いたら早めに病院に行くことを心がけてくださいね。