歯茎(歯肉)にできやすい口内炎には、主にアフタ性口内炎ウイルス性口内炎があります。円形や楕円形で中央がくぼんでいる白いものがアフタ性、潰瘍が多発したときはウイルス性口内炎の可能性が高いです。本記事では、歯肉に多くみられるこれら2種類の口内炎の対処法について解説していきます。

目次

口内炎ができるメカニズム

まずは、口内炎ができるメカニズムを確認しましょう。

  1. ビタミン不足や、疲労、ストレス、強いブラッシング圧あるいはウイルス感染など、様々な原因により異常が生じると、血液中のプラスミノーゲンというたんぱく質がプラスミンという物質に変化します。
  2. 上記で発生したプラスミンが、炎症を引き起こす成分(ヒスタミン)や痛みを引き起こす成分(プロスタグランジン・ブラジキニン)を生じさせ、血管を拡張させてしまいます。
  3. 炎症が起こって血管からこれらの物質が漏れ出やすくなり、むくみや痛みが生じます。
  4. さらに炎症が続くと、粘膜の表面がただれたり、ただれた箇所がえぐれてしまったりするのです。

このようにして口内炎ができてしまいます。口内炎を予防するためには、外的物質を予防し、規則正しい生活を送ることが大切です。

では、口内炎ができてしまったら、どのように対処すればいいでしょうか?口内炎の種類別に説明していきたいと思います。

アフタ性口内炎の対処法

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円形~楕円形の中央部がくぼんだ白い口内炎がアフタ性口内炎です。この口内炎の原因には、栄養の偏り疲れ、ストレスなどが考えられます。

口の中を清潔に保つ

口の中にたくさん細菌がいると、炎症がおさまらず治りが遅くなってしまいます。うがいや歯磨きをして、口の中を清潔に保ちましょう。食後の歯磨きは、普段から習慣にしておけると良いですね。

また、口の中が乾燥すると細菌が繁殖してしまいます。刺激の少ない飲み物をこまめに飲んで口の中を潤し、口内炎が治りやすい環境を作りましょう。

刺激を避け、塗り薬・塗り薬で傷口を保護する

タバコやアルコール、熱い飲み物、香辛料など刺激の強い食品などは、口内炎が治るまでは避けてください。

加えて、歯磨き・うがいをした後に、炎症を抑え、表面を保護する効果のある塗り薬(ケナログ、トラフル軟膏など)を塗りましょう。口内炎を乾燥させてから薬を塗ると、塗り薬が長持ちします。

塗り薬を上手く塗れない、味が苦手という人には、貼り薬がお勧めです。アフタッチトラフルダイレクトなど口内炎の張り薬が市販されており、これらの薬であれば違和感も少なく患部に張っておくことができます。

薬を使用しても症状がなかなか改善しない場合、歯科医院で相談するとよいでしょう。

ビタミンを補給する

口内炎を治し、予防するためには、ビタミンB群、ビタミンC、動物性タンパク質が不可欠です。ビタミンたっぷりの食事を心がけましょう。特に皮膚や粘膜の健康を維持するビタミンB2B6を積極的に摂ってください。

ビタミンB2,B6が多く含まれている食品は以下のとおりです。食品だけでうまく取り切れない場合は、ビタミン剤も活用してください。

  • ビタミンB2:レバー、ウナギ、青魚、納豆、卵(卵黄)など
  • ビタミンB6:にんにく、レバー、かつお、まぐろ など

ウイルス性口内炎の対処法

手鏡を見る女の子

歯肉に潰瘍ができた場合、まず考えられるのは手足口病ヘルペス性歯肉口内炎、カンジダ性口内炎です。これらは、歯肉だけではなく口腔粘膜全体に発生し、水疱が破れることで潰瘍の状態になります。

アフタ性口内炎のときと同様、刺激を避けて口内炎を清潔に保つのに加え、なるべく早く病院に行って、相談しましょう。

手足口病

ヘルパンギーナやコクサッキーウイルスへの感染により起こります。口の中だけでなく、手や足にも水ぶくれのようなものができてしまいます。

残念ながら特効薬はなく、対症療法(症状をやわらげる治療法)のみになります。安静にして、脱水症状や体力低下に気を付けるようにしましょう。

ヘルペス性歯肉口内炎

ヘルペスに初めて感染した乳幼児に多く見られる症状です。歯肉に口内炎ができ、強い痛みがあります。病院で薬をもらい、食べやすいもの、飲みやすいものを食べるようにしましょう。

乳幼児は脱水症状を起こしやすいので、飲食できない時間が長く続いた場合は病院で点滴をしてもらうようにしてください。

カンジダ性口内炎

カンジダ菌が原因で生じるカンジダ性口内炎は、抗真菌薬という薬を使って治療します。ただし、カンジダ性口内炎は健康な人にはあまり起こらないため、何らかの病気が隠れている可能性もあります。医師によく相談し、ほかの病気がある場合には合わせて治療を受けましょう。

まとめ

上記、歯茎(歯肉)にできやすい口内炎の対処法をいくつか紹介しました。口内炎は小さなできものなので我慢してしまいがちですが、痛みが長引いたり、なかなか治らなかったりする場合は無理をせず、皮膚科や歯科医院を受診して相談してくださいね。