胸に痛みが生じると、心臓や肺の病気の可能性があります。そのため、疾患によっては急な治療を要するものもあるため注意が必要です。そこで、胸の痛みに加えて、息苦しさを覚える場合に考えられる原因について紹介します。
しっかり覚えて、参考にしてみていただけたらと思います。

目次

胸の痛みに合わせて息苦しくなるのはなぜ?

胸の下には心臓や肺といった臓器があるので、異常が生じたときは胸の痛みが生じます。心臓は酸素を含む血液を体に送り出すポンプの役割を果たしますが、心臓の病気によって心臓の機能が低下してしまうと、酸素を体内に運ぶことができなくなり、呼吸困難を生じてしまいます。
また、肺の病気で肺が機能しなくなると酸素を取り込むことができなくなり、呼吸困難を生じてしまいます。以上のように、心臓や肺の病気は胸の痛みや息苦しさ、呼吸困難を生じさせてしまうのです。

胸の痛みや息苦しさを招く生活習慣は?

気分転換する女性-写真
心臓や肺の病気によって胸の痛みや息苦しさを招く危険性がありますが、そのような病気は生活習慣の悪化も大きな原因のひとつとされています。

偏った食事や過度なストレス、運動不足や喫煙などの生活が続くと、肺や心臓の機能が低下してしまい、病気にかかりやすくなってしまいます。
そのため生活習慣を整えることが、生活習慣を原因とする心臓・肺の疾患の症状予防には必要となります。

具体的には塩分や糖質の過剰摂取を控え、適度な運動や禁煙を心掛けます。また、過剰な労働を避けて時間にゆとりをもち、好きなことをして気分転換するなどストレスを溜めないようにすることも必要です。

胸の痛みと息苦しさが出る場合に考えられる原因は?

胸の痛みに合わせて息苦しさが生じる場合に考えられる原因を紹介していきます。心臓や肺に関する様々な病気が潜む可能性があるので、ぜひ参考にしてみてください。

1.狭心症

心臓をしっかりと動かすため、冠動脈と呼ばれる血管を通して酸素や栄養が心臓に届いています。しかし動脈硬化が進むと冠動脈が狭くなってしまい、心臓にうまく酸素や血液が行き届かなくなります。

心臓がうまく機能しなくなってしまう状態を狭心症といいます。階段の上り下り程度の負荷でも胸の痛み息苦しさが強まったり一定の時間帯で症状が出現したりします。

2.大動脈解離

動脈硬化などが原因で動脈の膜が裂けてしまい、膜の間に血液が入り込んで大動脈が拡大してしまう病気を大動脈解離といいます。胸痛背中の痛みが生じます。

3.急性肺塞栓症

長時間座ったり寝ているなどしていると、足の静脈を通る血液が固まってしまい、固まった血が血管を伝って肺まで到達することがあります。

急性肺塞栓症は、その結果肺の血管が詰まってしまう病気です。突然、呼吸困難胸の痛みを生じます。場合によっては突然死する恐れもあります。

4.心筋炎

心筋炎は、心臓の筋肉で炎症が生じてしまい、心臓の機能が低下してしまう病気です。原因はある特定のウイルスや細菌によるものなど様々です。発熱や下痢など胃腸炎風邪のような症状が先行することもあります。

その後、胸の痛みや息苦しさを生じます。先行する症状が見られない場合もあります。

5.肺炎

肺炎は、ウイルスや細菌に感染することで肺に炎症が生じてしまう病気です。風邪に似た症状が見られますが、、高熱が数週間続くのが特徴です。胸の痛みや息苦しさも伴います。

6.心膜炎

心臓の周りは心膜と呼ばれる膜に覆われています。細菌やウイルスなどで心膜に炎症が生じると、胸に鋭い痛みを生じます。深呼吸や咳で胸の痛みが悪化します。発熱や痰、呼吸困難といった症状も見られます。

7.自然気胸

気胸は肺に穴が開いてしまい、肺が縮んでしまうことで肺の機能が低下してしまう病気です。若い痩せ型の男性に比較的多く見られます。
突然の胸の痛み呼吸困難を起こします。

まとめ

胸の痛みに合わせて息苦しさを伴うと、心臓や肺の異常が考えられます。重篤な疾患も考えられ、放置しておくと命の危険も生じます。そのため異常を感じたら、早めに循環器内科や呼吸器内科などを受診するようにしましょう。