子供が頭痛を訴えた時にはどのように対応していますか?鎮痛薬を使っていますか?どのように対応するのがいいのでしょうか。ここでは頭痛を軽減するためのケア・対処法について述べていきたいと思います。また、鎮痛薬を使用する時の注意点についても述べたいと思います。

目次

頭痛の原因は?

子供の頭痛、原因は?注意すべき3つの症状とは」でも解説しましたが、頭痛の原因は原因のはっきりしない一次性頭痛と、何らかの病気に伴って頭痛が出現する二次性頭痛に分けられます。

一次性頭痛には、片頭痛緊張型頭痛があります。二次性頭痛では、風邪副鼻腔炎などの感染症、転倒・転落による頭部外傷などが原因となります。

一次性頭痛では、まずは痛みを認めてあげて

一次性頭痛の場合、原因がはっきりしないことが問題となります。原因がはっきりしないため、周囲の理解を得られにくいです。また、頭痛が強い場合には嘔気などを伴うこともありますが、症状が頭痛だけのことも少なくなく、これも周囲の理解を得られにくい要因となります。

ケアの第一は「痛みを認めること」です。原因がはっきりしないことや上手に表現ができないことから、子供の訴えを聞き流してしまうこともあるかもしれませんが、まずは痛みを認めてあげましょう。その上で、どのような頭痛なのか、頭痛以外の症状があるのかもじっくりと聞いてみましょう。

症状が頭痛のみであったり、症状が軽度であったりするときは、暗くした静かな部屋で休ませましょう

症状が持続する場合や、麻痺や痺れがある場合、日常生活に支障があるなど症状が強い場合には医療機関を受診しましょう。

二次性頭痛では、もとの病気の治療を受けよう

二次性頭痛は何らかの病気があって生じるものです。そのため、頭痛以外の症状を認めることが多いです。

風邪や副鼻腔炎が原因となっている場合には発熱黄色い鼻水鼻づまり、いびきが強いなどの症状を認めることが多いです。

転倒・転落などによる頭部外傷が原因となっている場合には、出血やこぶ(皮下出血)を認めます。

ただ、二次性頭痛の場合には、髄膜炎脳炎脳での出血などの可能性もあります。これらの場合には強い症状を認めることや、他の症状も認めることも多いのですが、症状が頭痛のみということもあり、注意が必要です。

頭痛の原因となっている病気に対して適切な治療を受けましょう。また、注意すべき症状(発熱+嘔吐を認める時、けいれんや意識が悪い時、顔色が悪い時など)を認める場合には早急に医療機関を受診するようにしましょう。

鎮痛薬を使う時の注意点

子供が頭痛を訴えている時には少しでも症状を軽減してあげたくなります。その際には鎮痛薬を使用することになります。

一般的に子供には解熱薬と鎮痛薬は同じものが使われます。成分としてはアセトアミノフェンイブプロフェンが子供に対しての安全性が高いものになります。市販の薬を使用する場合には成分を確認するようにしましょう。

もう1点、注意としては、症状が強い時にのみ使用するようにしましょう。先にも述べたように、発熱を伴っていたり、頭痛のみの場合でも重篤な病気が隠れていたりすることがあります。6~8時間毎など鎮痛薬(解熱薬)を定期的に使用すると、発熱や頭痛が続いているのか分かりづらくなってしまうことがあります。それによって医療機関を受診するタイミングが遅くなってしまうことがあるため、症状に合わせて使用するようにしましょう。

また、慢性的に鎮痛剤の内服を続けると薬の効果も低下し、薬物乱用による頭痛の可能性も出てきます。

一次性頭痛でも症状の強い場合には、他の薬が必要になることがあります。その場合にも医療機関を受診するようにしてください。

まとめ

子供が頭痛を訴えた時、多くの場合は軽症であり、鎮痛薬を使って様子を見て問題ありません。しかし、中には重篤な病気が隠れていることがあります。鎮痛薬(解熱薬)は定期的に使用するのではなく、本人の症状に合わせて使用するようにしましょう。普段の様子をよく知っている両親や周りの方が、「いつもと違う」「何かおかしい」と感じた時には早急に医療機関を受診するようにしましょう。