目次

急に起き上がったり立ち上がったりしたとき・入浴中立ち上がったとき・朝礼などで長時間立っているときに、気持ち悪くなったりふらっと立ちくらみめまいがしたり、倒れてしまったことはありませんか?

これは脳貧血からくる症状で、脳に十分な血液が送られずに脳が酸素不足となることで起こるといわれています。

ここでは、このような脳貧血を起こした場合の対処法や脳貧血を起こさないようにするための予防法について述べていきたいと思います。

脳貧血とは?

正確には起立性低血圧と呼ばれ、安静臥床時に低血圧は示さないが起き上がったり立ち上がったりしたときに急激に血圧が下がりめまいや立ちくらみなどの症状が現れる状態のことです(原因や詳しい症状は「脳貧血と貧血とは何が違う?脳貧血の症状とは」を参照)。

脳貧血を起こした場合の対処法

脳貧血は急な姿勢の変化、特に頭を動かした場合などによく起こります。なぜなら、急な姿勢の変化・急に立ち上がることで、全身を巡っていた血液が重力の影響により脳へ十分に巡らなくなるためです。

そのため、脳貧血を起こした場合は脳へ血液を送るようにすることで改善されます。

1.まずは横になり休息をとる

脳貧血を起こした場合は、まずは横になりましょう。脳に血液を送るためにさらに足を挙げることも効果的です。

2.しゃがむ

横になれるような環境でない場合は、しゃがむことでも問題ありません。しゃがむ場合、なるべく頭を低くするような姿勢のほうがより効果的とされています。

もし、自分ではなく他人が脳貧血によって倒れてしまって意識がない場合や吐きそうにしている場合などは、顔を横に向けて気道を確保しておきましょう。さらに、速やかに救急車を呼んだり病院へ連れて行ったりするなどの対応をとりましょう。

意識が回復するのを待っている間などは、衣類や紐などを緩めて血流をよくしておくといいでしょう。

脳貧血を起こさないようにするための予防法

1.飛び起きたりしないゆっくり起き上がる頭を低くしてから起き上がる

急な姿勢の変化(起き上がり、立ち上がり時など)で脳貧血を起こしやすい人は、このような方法がいいとされています。また、急に頭を動かしたりしないことも予防法のひとつです。

可能な場合は上半身を高くして寝るという方法もあります。

2.長時間の立ったままの姿勢を避ける

長時間の立ったままの姿勢は、足へ血液が貯留しやすく脳への血液の流れを悪くさせるため、あまり長時間立ったままの姿勢にならないよう注意する必要があります。気分が悪くなったり頭がぼーっとするようなときは無理に立った姿勢を続けず、倒れる前に横になったり休んだりするなどの対策をとりましょう。

3.普段から20~30分前後の運動(ウォーキングや水泳など)を行う

血液循環をよくするために、普段から運動を行うことで下半身を鍛えることも効果的です。足の血液循環がよくなると、脳への血液の循環もよくなります。

ジョギング

4.弾性ストッキングを履く

足の血管を圧迫することで、足の静脈の血液は下から上に流れやすくなり、血流をよくします。

5.長湯は避けるぬるま湯でかけ湯をする

入浴時によく脳貧血を起こしてしまう場合は、これらの方法で立ちくらみを予防しましょう。

6.規則正しい生活、ストレスの軽減

自律神経障害から脳貧血を起こしやすい場合は、まずは自律神経のバランスを整えることが重要です。自律神経障害はストレス疲労睡眠不足が原因で あることが多くあります。そのため、まずは朝食をしっかり摂り早寝早起きのような規則正しい生活を送ることを心掛けましょう。また疲労は溜めずに十分な睡眠時間を確保するようにしましょう。ストレスを溜めこまないことも脳貧血予防のひとつです。

7.こまめな水分や食事、塩分摂取を

屋外での作業や運動会などでは、作業や運動の前にしっかりと水分や食事を摂ることが大事です。

また、こまめに水分を摂取し、多量の汗をかいた際には塩分も併せて摂取することが重要となります。

まとめ

脳貧血は脱水や体液量の減少、薬剤の使用や自律神経障害などの原因から血液が十分に脳へ送られないことによることで起こるとされています。そのため、まずは脳貧血の起こる原因が何かを把握し、その原因を取り除いていくことが改善の一歩となります。

日常生活や普段の行動を注意することで改善されることもあるため、自分の症状に合った対処法・予防策をとるようにしていきましょう。