めまい・ふらつきを感じる頭痛、原因は何?


【監修】
高山 哲朗(医学博士)

消化器病専門医、消化器内視鏡専門医。わたクリニック副院長、予測医学研究所所長。東海大学医学部客員准教授。慶應義塾大学医学部卒業後、内科医として臨床を行うと共に、難病の炎症性腸疾患研究に従事。人工知能を用いた予測や分類の臨床研究が国内外で評価されており、予測医学研究所所長として大学・企業と実臨床に応用可能な医療予測ツール開発を行っている。
予測医学研究所HP/ わたクリニックHP

ふらつき

頭痛とめまいは、それぞれある程度は日常的に起きる症状です。
しかし、頭痛とめまい・ふらつきが同時に起きると不安に感じる方もいらっしゃることと思います。
また、症状が激しい場合や長引く場合には重大な病気である可能性もあるため、正しい知識を身につけましょう。
今回の記事では頭痛に併せてめまいやふらつきがあるときに考えられる病名を、いくつかご紹介したいと思います。

<頭痛に関係している場合>

緊張型頭痛(肩こり)

緊張型頭痛は慢性的な頭痛の中で一番多く診断される病名ですが、ふわふわしためまいを伴うことがあります。首まわり、肩、背中、頭の筋肉が緊張することでひきおこされる頭痛で、首の緊張がかなり強く、左右どちらかがより筋緊張している際にめまいが起きることがあるのです。

緊張型頭痛では頭全体や後頭部、首筋が締め付けられるような痛みが、いつのまにか始まり、だらだらと続きます。そのほか、首の筋肉が緊張していると首こり・肩こり、頭の筋肉が緊張していると頭が重いといった症状となって出ることもあります。
長時間のパソコン作業など無理な姿勢や、精神的ストレスが原因とされており、動くと痛みが和らぐことが多いです。シャワー、ストレッチによって体を温めると症状が軽減されることがあります。

片頭痛

片頭痛では、脈を打つような痛みが4~72時間続きます吐き気がしたり、普段より光がまぶしく感じる音やにおいに敏感になるといった症状が付随する方もいます。
その名の通り頭の片側に頭痛が起きることの多い病名ですが、両側に頭痛を感じる患者さんもいらっしゃいます。女性に多く、頭痛の前兆として閃輝暗点という、カメラのフラッシュのようなチカチカした光が見えたり、視野が欠けたりすることもある病気です。

そんな片頭痛もちの方が、定期的にめまいを発症することがあります。めまいを訴える553名の患者のうち、46人(8.3%)が片頭痛に関連しためまいと診断されたというデータもあり(日本耳鼻咽喉科学会会報より)、決して稀な症例ではありません。
片頭痛とめまいの原因が同じところにあると考えられていますが、はっきりとした原因は不明のままです。頭痛とめまいは同時に起きるとは限らず、典型的な例を挙げると1年に1回程度、頭痛にともなって、ぐるぐると回るように感じるめまい、もしくはふわふわするめまいが1~24時間ほど続きます

<脳に関係している場合>

脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血・一過性脳虚血発作(TIA))

めまいに加えて、頭痛や頭の重い感じが続くとき、脳卒中の可能性もあることを知っておきましょう。
脳卒中は脳の血管が破れたり詰まったりすることで、脳に血液がまわらなくなってしまう病気です。命に関わる重篤な病気で、後遺症を軽くするためにはできるだけ早く治療をしなくてはいけません。

症状として、ろれつがまわらない、手足や顔に力が入らない・しびれる、ものが二重にみえる、視野が欠ける、頭痛が経験したこともないような激しい痛みであるような場合には脳卒中の可能性が高いです。
すぐに脳卒中の専門医がいる病院に行きましょう

脳腫瘍

脳腫瘍とは、頭蓋骨の中にできた腫瘍のことです。悪性のものが多く、形や性質を検査した上で治療方法を決めていく必要があります。

頭痛、めまいのほか、嘔吐、目がかすむ、視野が欠ける、ものが二重に見える、手足・顔の麻痺やしびれ、ろれつがまわらない、言葉が出ない・人の言っている言葉の意味が理解できない、けいれんなどの症状が出ます。

脳腫瘍による頭痛は朝起きた時に一番強く痛み、徐々に軽快することが特徴です。また嘔吐の際に、噴出するように突然嘔吐する・吐いてしまうとすっきりし、その後は何事もなかったかのように生活できるような場合は、脳腫瘍が疑われます。

<耳に関係している場合>

中耳炎

中耳炎耳の鼓膜の奥にある空間が感染し、炎症している状態です。中耳炎が慢性化してしまった際に、めまいを生じることがあります。主な症状としては耳だれ(耳漏)難聴が挙げられます。進行するとめまい、頭痛、顔面神経麻痺、耳鳴、耳痛、嘔気、発熱といった症状が見られます。
進行しすぎると髄膜炎や脳膿瘍といった命に関わる病気に発展することもあるため、放置はせず耳鼻咽喉科を受診しましょう。

<その他の原因>

月経前症候群(PMS)

生理痛

月経前症候群では様々な症状が月経前に現れ、月経開始後には和らいでいきます
現れる症状は多種多様で、程度には個人差があります。頭痛やめまいを感じる方もいますが、そのほかにも情緒不安定になりイライラしたり不安を感じたりする、眠気、集中力の低下、のぼせ、食欲不振・過食、だるさ、腹痛、腰痛、むくみ、お腹の張り、乳房の張りなどの症状が出る方もいます。

高血圧

多少血圧が高くても自覚症状はないのですが、血圧があまりにも高い時、頭痛、めまい、肩こりが起きやすくなることがあります。ただし高血圧は基本的に無症状なので、自己判断は禁物です。心当たりのある場合には医療機関を受診する際に医師に伝えても良いでしょう。

一酸化炭素中毒

自動車の排気ガス換気せずに石油ストーブを使うことが原因で一酸化炭素中毒を引き起こす場合があります。
初期には頭痛や漠然としためまい、体に力が入らない、集中力に欠けるなどの症状が見られます。中毒が進むにつれ呼吸困難や錯乱をきたし、最後には失神や昏睡、呼吸不全を引き起こすこともあるため命にも関わってきます。
こまめな換気を心がけましょう。

まとめ

今回、めまいやふらつきを伴う頭痛について紹介しました。命に関わる場合もありますので、動けない場合には救急車の要請も視野に入れ、一度近くの医療機関に相談してみましょう。

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参照リンク

日本耳鼻咽喉科学会会報(PDF)

ファイザー株式会社|スッきりんのバイバイ頭痛講座

日本神経治療学会|標準的神経治療:めまい(PDF)

国立循環器病研究センター|脳卒中

国立循環器病研究センター|めまいと循環器病

大阪医科大学|脳腫瘍は怖くない!

国立がん研究センターがん対策情報センター
がん情報サービス「脳腫瘍(成人)」

徳島大学医学部|慢性中耳炎

日本産婦人科学会|月経前症候群

日本臨床内科医会|高血圧

メルクマニュアル|外傷・中毒|一酸化炭素中毒

インフルエンザ特集