年とともに気になる関節痛、神経痛、腰痛、また筋肉痛…。

どれも毎日の生活を制限し、外に出るのも嫌になってしまいますよね。慢性的な痛みや夜眠れないほどの痛み、また梅雨時や雨の日は痛みがさらにひどくなる…といったお悩みの方にお勧めの漢方が「疎経活血湯(そけいかっけつとう)」です。

あまり聞かない名前かもしれませんが、医療用として処方されることもあったり、ドラッグストアの漢方コーナーにも並んでいたりと、実は比較的目にすることの多い漢方です。今回はこの「疎経活血湯」について詳しく見ていきたいと思います。

目次

「疎経活血湯」ってどんなお薬?

疎経活血湯は「そけいかっけつとう」と読み、痛みによく使われる漢方です。

漢方はいくつもの生薬(自然由来の薬効を持つ植物などを加工したもの)が含まれてなりたっているのですが、疎経活血湯は他の漢方に比べて含まれる生薬の種類が多く、聞きなれない生薬も含まれています。

疎経活血湯を構成している生薬は以下の通りです。

  • 当帰(とうき)
  • 川芎(せんきゅう)
  • 芍薬(しゃくやく)
  • 地黄(じおう)
  • 蒼朮(そうじゅつ)または白朮(びゃくじゅつ)
  • 茯苓(ぶくりょう)
  • 桃仁(とうにん)
  • 牛膝(ごしつ)
  • 陳皮(ちんぴ)
  • 防己(ぼうい)
  • 防風(ぼうふう)
  • 竜胆(りゅうたん)
  • 白芷(びゃくし)
  • 生姜(しょうきょう)
  • 威霊仙(いれいせん)
  • 羌活(きょうかつ)
  • 甘草(かんぞう)

たくさんの名前が並び見るだけでげっそりしてしまいますが、17種類もの生薬が合わさって「疎経活血湯」となっているのです。17種類もの生薬があわさっているため、疎経活血湯は慢性的な痛みにも、急性の痛みにもどちらにも効くとされています。

また噛んでしまいそうな名前の「疎経活血湯」の名前の由来は、経絡(けいらく)という気血の通り道の流れをよくし(疎開し)、流れる血液を活性化させる効能からといわれています。

「疎経活血湯」の効き目は?

それでは疎経活血湯は具体的にどのような痛みに効くのでしょうか?効能効果としては以下のものがあげられます。

急性期から慢性的なものまで、身体の痛みは疎経活血湯でほぼまかなえるとされており、漢方の中での痛みの第一選択薬とされています。

関節リウマチヘルニア、また五十肩、坐骨神経痛ぎっくり腰痛風による関節の痛みなど幅広く使うことができます。

「疎経活血湯」の服用方法

一般的に成人の場合1日7.5gを2~3回に分けて食前、もしくは食間(食事と食事のちょうど中間の時間帯)に服用してください。年齢や体重、症状などにより服用量などは変わってくるため医師に相談したほうが確実でしょう。

「疎経活血湯」はなぜ雨の日の痛みに効くのか?

雨の日はいつもより気温が低くなったり湿気が高くなったりします。痛みの原因として漢方では冷え・湿気があげられますので、雨の日はいつもより痛みがひどくなると考えられています。

疎経活血湯の名前の由来にも出てきた「経絡(けいらく)」という気や血の通り道に冷えや湿気が入り込むと、気や血のめぐりが悪くなり痛みが発生し、慢性化していきます。

そこで「疎経活血湯」が冷えている部分を温めたりよけいな水分を取り除いたりすることで冷えや湿気を改善して痛みを和らげます。

そのため雨の日にいつもより痛みがひどい方などには「疎経活血湯」が効くといわれています。

また疎経活血湯は雨の日だけではなく、慢性的に痛みが続く方にも上記の作用と気や血のめぐりをする作用などによって効果的とされています。

「疎経活血湯」に副作用はあるの?

食欲のない男性-写真

副作用は比較的少ないですが、以下の様な症状が報告されています。

  • 食欲不振
  • 嘔吐
  • 悪心
  • 下痢

しかしこれらはどのような漢方にも表れやすく、服用を続けることで体が慣れていくことも多いため、あまりひどくなければ様子を見ながら服用を続けてもよいでしょう。あまりにも症状がひどい場合は医師に相談してください。

また、以下の様な人は副作用が出やすくなる可能性があるので、使用を控えるか、医師に相談してから服用してください。

  • 胃腸が極端に虚弱な方(上記の副作用が表れやすくなるため)
  • 食欲不振・悪心・下痢の方(左記の症状がひどくなる恐れがあるため)

まとめ

今回は漢方の中の痛みの第一選択薬である「疎経活血湯」をご紹介しましたが、痛みに効く漢方は他にもたくさん出ています。痛みは日ごろの生活にダイレクトに影響を与え、生活を制限してしまいます。そのため、今回ご紹介した「疎経活血湯」を試してみて、もし効かないと感じるならば他の漢方も試してみるとよいでしょう。

また肥満なども痛みの原因の一つです。漢方を服用するとともにダイエットや食事に気を遣い、痛みの元から治すよう努力する必要があるでしょう。