風邪を引いたとき、膀胱炎や肺炎などの感染症にかかったとき。抗菌薬(抗生物質)を処方された経験がある方は多いのではないでしょうか?この抗菌薬は、感染症の原因となる細菌を退治する薬で、正しく使えば非常に便利かつ有用です。しかし、むやみに服用したり、不適切な使用を続けたりしていると、抗菌薬が効かず治療が難しい耐性菌を生み出すきっかけになってしまいます。

「薬剤耐性(AMR)」「耐性菌」と聞くと、身近な話題とは感じづらいかもしれません。しかし、「抗菌薬」は多くの人が服用したことのある薬でしょう。この機会に、抗菌薬とそれを取り巻く現状について正しく知っていただければと思います。

目次

1.抗菌薬ってどんな薬?

まずは、「抗菌薬」の役割やはたらきを学んでおきましょう。抗菌薬には意外とたくさんの種類があるので、「あの時処方されたのは抗菌薬だったのか!」という気付きもあるかもしれませんね。

1.1. 抗菌薬を種類別に紹介

2.「薬剤耐性(AMR)」って?私たちにもできることはあるの?

抗菌薬が効かない「耐性菌」を取り巻く問題を、薬剤耐性問題(AMR: Antimicrobial resistanceと呼んでいます。多くの抗菌薬に対して耐性を持ってしまった「多剤耐性菌」も登場しており、この問題に対しては早急な対応が求められているところです。

現在、WHOが世界的な対策を進めています。日本でも、厚生労働省が中心となって様々な啓発・対策を行っているところです。遠い世界の話ではなく、私たち一般市民にも関係のある問題として、まずはこれらの問題を知っていただければと思います。

3.こんなにある!「耐性菌」が問題となっている感染症

実際に、抗菌薬が効かなくなり始めている感染症があります。抗菌薬が使えないと病気を根本的に治すことが難しくなるため、通院や治療により時間がかかることになってしまいます。

そして何より、これらの病気に対して抗菌薬が処方された場合、正しく服用することが大切です(これは耐性菌を予防するためだけでなく、症状をしっかり治すことにも繋がります)。まずは身近なところから、抗菌薬を正しく使うように心がけてみませんか?

4.風邪に抗菌薬はNG、それなら一体どうしたら良いの?

風邪の原因の多くはウイルスです。そして抗菌薬は、ウイルスに対しては有効ではありません。であれば、風邪を引いたときは一体どんな治療を受けるべきなのでしょうか?

市販薬を使って症状をやわらげる方法をはじめ、風邪を引いたときに取るべき対処法をご紹介します。