「名前に漢字が多くてなんとなく難しいイメージ」の耳鼻咽喉科(じびいんこうか)。何を診てくれるところかご存知ですか?また、内科や小児科とどのように区別すればいいのでしょうか。

目次

耳鼻咽喉科とは

耳鼻咽喉科では、耳、鼻、喉を中心に診察しています。しかしそれだけでなく、首から上の脳と目以外の領域も担当しており、非常に多くの病気を扱っています。

例えば、聴覚、嗅覚、味覚、知覚といった感覚器官や、食べる・話すといった運動器官は耳鼻咽喉科の担当領域です。

これらが機能することで私たちは、聞く、食べる、話す、嗅ぐという行為ができるようになっています。つまり、耳鼻咽喉科は生活の質を高めるために大切な領域を受け持っているといえるでしょう。

また、アレルギー、めまいといった多くの人が経験したことのあるような疾患も扱っています。
耳鼻咽喉科はまさに、私たちの生活をより豊かにするために欠かせない診療科といえますね。

どんな症状をみてもらえる?

耳鼻咽喉科では、主に次のような症状を扱っています。

これら以外でも首より上で気になる症状があれば、耳鼻咽喉科を受診するのがよいでしょう。

何を検査してもらえる?

耳鼻咽喉科でできる主な検査は次の通りです。

電子内視鏡検査

喉や鼻、耳も内視鏡で検査することができます。大きな病院だと、内視鏡で観察しながら手術をすることもあるようです。

聴覚機能検査

もっとも一般的な、音が聞こえたらボタンを押すという聞こえの程度を調べる検査から、聞こえの明瞭度、細胞や神経の反応を見るものなど多くの種類があります。

補聴器適合検査

患者さんの難聴の状態に合わせて、よりよい補聴器を選ぶために必要な検査です。最近では防水型、カラフルなものなど補聴器の選択の幅も広がってきています。

平衡機能検査

めまいの診断を行う検査です。身体の揺れを観察する検査、目の動きを見る検査、筋肉の反応を見る検査など色々な種類があります。

アレルギー検査

鼻の中を綿棒でふきとったり、鼻をかんでもらったりして鼻水を調べて、アレルギー細胞があるかを検査します。

風邪を引いたときは内科?耳鼻科?子供は小児科とどう区別すればいい?

一般的に内科は身体全般を、耳鼻科は耳や鼻、喉の症状、小児科は子供の全身の病気を担当しています。そのため、「風邪を引いたらまずは内科(子供の場合は小児科)で診てもらう」という人も多いのではないでしょうか?

しかし、喉が痛い、鼻水が出るといった風邪の症状は耳鼻咽喉科が得意とする領域でもあります。つまり、内科と耳鼻咽喉科、そして小児科は診療領域が重なっており、どこでも診察可能な疾患があるのです。花粉症、インフルエンザなどがその例です。

ではどのように行く病院を決めたらいいのでしょうか?

例えば、「鼻水がひどい・耳が痛いという症状はあるけれど他の部位には症状がない」といった場合は、耳鼻咽喉科を受診した方が精密かつ的確な治療を受けられるでしょう。
薬をもらうだけでなく、患部に直接処置を施してもらえることもあるはずです。

逆に、「喉が痛く、熱もあるし関節も痛い」という風に全身に症状が現れている時には内科や小児科を受診したほうがよいといえます。これは、全身の症状が病気の診断に影響することも多いからです。

小児科から内科へ移る時期は、日本では中学生頃が多いようです。しかし、中学生はまだまだ成長途中の子供の身体です。内科の中には小児の診察をあまり得意としないところもあります。そのため、中学卒業を区切りに内科へと移行するのがよいかもしれませんね。

まとめ

耳鼻咽喉科は私たちが思っているよりもずっと多くの疾患を診てくれる診療科です。日常生活では内科の次にお世話になる科目といっても過言ではありませんので、ぜひ耳鼻咽喉科について理解を深めてくださいね。