インフルエンザの季節になると、ただの風邪なのかインフルエンザなのか迷うことがありますよね。ここではインフルエンザに関して注意すべき症状と、どのような検査が行われるのかについて確認しておきましょう。妊婦さんと乳幼児の予防接種に関しては、「インフルエンザの予防接種、妊婦さんや赤ちゃんは予防接種を受けるべき?」をご覧になってください。それでは、インフルエンザの症状の特徴から見てみましょう。
強い悪寒と全身の倦怠感に特徴
インフルエンザの症状は風邪と似ています。熱やののどの痛みは共通していますが、インフルエンザは38℃~40℃の高熱が出る傾向があります。強い悪寒をともない、筋肉痛、関節痛、全身の倦怠感が特徴です。
上記のような症状がみられ、インフルンザに感染したかもしれないと思ったら、医療機関を受診しましょう。検査によってインフルエンザであることが分かれば抗インフルエンザ薬を使用して、ウイルスの増殖を効果的に抑えることができます。また、インフルエンザでなかったとしても症状をとるための解熱剤などが処方されるはずです。
高熱の場合、市販薬を服用しようと思うこともあるでしょう。しかしインフルエンザの場合、ロキソニンなどの服用はあまり好ましくないとされています。ですから高熱やその他の症状で辛い場合には、安易に市販薬を使わず、まずは医療機関を受診することをおすすめします。
インフルエンザの検査方法は?
医療機関を受診すれば簡単な検査でインフルエンザかどうかを調べることができます。検査の主流は、A型・B型ウイルスの判別が可能な「迅速抗原検出キット」による検査です。インフルエンザウイルスが一定以上になると、検査キットの抗体と反応する仕組みになっています。
インフルエンザの治療薬は発症から48時間以内に使い始めることで高い効果を発揮します。そのため、インフルエンザの検査においてはスピードが重視されます。上記キットによる検査であれば、30分以内に結果を知ることができます。
手順は次のようになります。
- めん棒を鼻の奥やのどの奥に入れてサンプルを採取します。
- めん棒を検体処理液に入れ、検査キットに滴下します。
- キットに陽性ラインが出現しているかどうかを目で確認します。
※子どもがめん棒を喉に入れるのを嫌がる場合は、鼻水(鼻かみ液)で検査を受けることもできます。
インフルエンザウイルスは体内に入ると急激に増加しますが、初期の段階ではまだ数が少なく、検査によって見つけられないこともあります。発症から12時間ほど経っていないと、陽性にならないことがあるのです。その場合は、時間をあけてもう一度受診するように勧められることがあります。
また、検査の精度は100%ではありません。インフルエンザかどうかの判断は、学校や職場でインフルンザが流行しているかどうかなども加味して行います。
感染を防ぐために

インフルエンザは人からうつされないこと、また、人にうつさないことが大切です。
インフルエンザの感染は咳やくしゃみを介した飛沫感染です。基本的なことですが、咳やくしゃみが出るときはマスクを着けましょう。マスクをしていないときに咳やくしゃみが出そうになったら、人に向けないように注意して、手で受け止め、その後で手をよく洗います。感染を防ぐという意味では、感染者がマスクをする方が効果が高いといわれています。
外出して家に帰ってからは、流水と石けんで手や指についたインフルエンザウイルスを除去します。特に子供は集団生活で他の子供との接触も多いため、帰ったら手洗いをするようによく言い聞かせましょう。
まとめ
インフルエンザは風邪と症状が似ていますが、高熱が出るなど重症化しがちです。インフルエンザの流行が報じられたら、熱や咳などの症状を「ただの風邪」とあなどらず、注意深く経過を観察しましょう。多くの場合は自然に治癒しますが、症状が重いときは医療機関を受診してください。検査で陽性になれば、インフルエンザの増殖を抑える有効な治療を選択できます。