お酒の飲み過ぎは正常な思考から遠ざけ、身体的にも悪影響を受ける可能性があり危険です。習慣的にお酒を飲む生活はアルコール依存症に陥ってしまう危険性もあります。
お酒が大好きでであっても、肝臓を休める「休肝日」を必ず設けて、体に負担のかからないようにしなくてはなりません。
アルコール依存症の症状や危険性については、「アルコール依存症ってどんな病気?」をご覧ください。
アルコールの分解について
アルコールは肝臓で、アセトアルデヒドという物質に分解されます。
さらにこのアセトアルデヒドは酢酸となり、最終的には二酸化炭素と水となって体外に排出されます。
アルコールの分解の経路のうち、2/3のステップが肝臓で行われるため、それだけの負担が肝臓にかかってしまっていることになります。
肝臓病について

アルコールが体内に入ると、そのアルコール分が完全になくなるまで肝臓は働き続けます。
アルコールが毎日体の中に入ってくる状態では常に肝臓が働いていることになり、肝細胞の壊死、繊維化などが起こり、働きが衰えてきます。
その結果起こるのがアルコール性肝障害で、脂肪肝、肝繊維症、肝炎、肝硬変などが含まれます。
さらに、この症状が進んでしまうと肝不全や肝臓ガンになってしまう危険性もあります。
アルコール性脂肪肝
肝臓に脂肪が付いている状態です。
症状はあまりなく、腹部の超音波検査で発見されます。
アルコール性肝炎
脂肪肝の状態でさらにアルコールを大量に摂取し、重症となり死に至る場合があります。
アルコール性肝硬変
長期にわたって毎日大量にお酒を摂取していると生じるといわれています(15年間毎日7合を飲み続けた場合50%)。
断酒を継続すると改善するというデータがあるので、アルコール性肝硬変と診断されても諦めずに治療を続けましょう。
肝臓は沈黙の臓器と呼ばれており、何か異変が起きていても症状が出づらく気が付けない場合があります。
発見した時には手遅れだったという状態にならないように、お酒を飲まない人でも定期的に健診を受けることをお勧めします。
休肝日を設けよう

お酒を飲むと肝臓に負担が掛かってしまうということを理解できましたか?
お酒による肝臓病を防ぐためには肝臓を休める時間を設けることが何よりも大切です。
適正飲酒の10か条においては、「つくろうよ 週に二日は休肝日」と定められています。
ビールの中瓶2本を肝臓で分解するためには平均して6〜7時間かかるといわれています。お酒を飲んで寝ている間にも、肝臓は休まず働き続けていることになるのです。
まとめ
休肝日を設けることでアルコール依存症の防止にも繋がります。
アルコールは依存性のある薬物ですので、危険性を知り、自分で飲む量をコントロールしなくてはなりません。
お酒の誘惑に負けない強い意志を保つためにも、自分自身で「この日は飲まない」と決めておくことが重要です。
家族や友達に宣言をして、協力してもらうことも良いでしょう。