胸のドキドキなど、動悸が起こった時に気になる脈拍。一定期間に心臓が拍動する回数をいうので、心拍数ともいわれます。通常は、1分間の拍動の回数を数えます。

症状が芳しくない時に脈拍がどのような状態かを知るのはとても重要です。本記事では、自分でできる脈拍の測り方について紹介します。

あわせて、脈拍が異常値を示す原因として考えられる様々な病気を紹介します。

目次

脈拍とは

心臓が血液を送り出す時には、動脈にその収縮運動を表す脈拍が出ます。脈拍の正確な測定は、医療機関などで胸元にセンサーを付けて、心電図や心拍計を用いる方法があります。

自分でできる脈拍の測り方

脈拍の測り方-指で測る-図解

撓骨動脈(とうこつどうみゃく)と呼ばれる手から手首を中心に流れる動脈に沿って、手首の親指側に指をあてて測ります。

通常は、15秒間の脈拍を数え、4倍することで、1分間の脈拍を測ります。健康の成人の安静時の脈拍数は、1分間に60回~100回です。

脈拍異常の原因

まず、日常生活の中で考えられる原因としては以下のようなものがあります。一時的なものであれば問題はないですが、継続するようであれば改善するように気をつけましょう。

  • 緊張や興奮
  • 精神的なストレス
  • 激しい運動や入浴
  • 睡眠不足や過労、飲酒
  • リラックス状態(眠る直前、睡眠中、起床時)

脈拍の異常を伴う病気

胸が痛い女性-写真
脈拍が60回~100回/分」という正常値に収まらない異常値を示している際は、以下のような様々な病気の可能性もあります。危険なものも多いので注意しましょう。

心筋梗塞

心筋梗塞は、心臓の筋肉に血液を送り込む冠動脈が狭くなり、血液が固まってできる血栓がそこをふさいで血流が完全に止まってしまう状態です。心筋の一部が壊死してしまうことから、死に至る危険もあります。

狭心症

心臓の筋肉に血液を送り込む冠動脈という血管の内腔が動脈硬化で狭くなり、血流が不足しやすい状態に陥る病気が狭心症です。

心房細動

心房細動とは、心臓の上方を占める薄い筋肉でできた心房が、異常な刺激で不規則に震え、心臓が正しく収縮できない状態です。放置すると心不全脳梗塞を引き起こし、死に至る危険もあります。

心筋炎

心筋炎は、インフルエンザなどのウイルスが心臓の筋肉(心筋)に感染し、炎症を起こす病気です。軽症で治るケースもありますが、重症化する場合があります。

貧血

鉄分の不足などが原因で、酸素と結合して酸素を身体の隅々まで運ぶヘモグロビンが減少し、血液中の濃度が薄くなった状態です。ただの貧血と甘く見ないようにしましょう。

自律神経失調症

自律神経失調症は、ストレスなどが原因となって自律神経が乱れ、心や体に不調が現れた状態です。人によって様々な症状が現れます。

バセドウ病(甲状腺機能亢進症)

バセドウ病は、全身の代謝をコントロールする甲状腺ホルモンの過剰分泌によって、全身のエネルギー代謝が異常に高まってしまう病気です。

甲状腺機能低下症

甲状腺機能亢進症とは逆に甲状腺ホルモンが低下することで、全身のエネルギー代謝が少なくなり、脈拍数が減ります。

更年期障害

閉経の前後、約10年間の更年期を迎えると、女性ホルモンのバランスが急激に変化し、心や体に様々なトラブルを引き起こします。

これらの他にも、心臓弁膜症、房室ブロックなどの病気も考えられます。

まとめ

医療機関でなくても、自分で簡単に脈拍を測れる方法を紹介しました。動悸や胸がドキドキするような症状の時には、脈拍もあわせて確認しておくとよいでしょう。

また、脈拍の異常には様々な原因があり、重篤な症状に陥る危険性を孕むものもあるので、心配な方は、内科や循環器科の医師に相談すると確実です。なお、病院にかかる時には脈の状態も伝えるとより正確な診断に繋がります。