つらい状態が続いているけれど、何科に受診したらいいかわからない、受診したけれどなんともないといわれて、どうしたらいいのかわからない…それは自律神経失調症かもしれません。「自律神経失調症」は、身体のどこかに異常がないかどうかを見極めて、何もないと分かったところで、たどりつくことが多い状態です。そのため、症状が複数あることも多く、受診も一度では済まないこともあります。こんな症状のときは、というものを大きく3つにわけてみていきましょう。

目次

症状その1~内科系

循環器科

血圧の経過をみたり、心電図や心臓のエコー検査で心臓そのものに異常がないかを確認します。

消化器科

  • 食欲がなくなった
  • 下痢と便秘を繰り返す
  • 腹痛が続く
  • 吐き気、胸のむかつきが続く など

血液検査、内視鏡検査、腹部エコー検査などで胃や腸、肝臓、膵臓などの消化器官に異常がないかを確認します。

ひとまず内科(総合内科)

これらの症状では細かい分類はさておき、まずは全身状態を確認するため、内科に相談します。血液検査などで、糖尿病甲状腺の病気膠原病などが見つかることがあります。

症状その2~耳鼻咽喉科整形外科泌尿器科婦人科

耳鼻科(耳鼻咽喉科)

聴力検査や症状を聞きながら、耳や喉そのものに異常がないかどうかを確認します。

整形外科

  • 肩こり
  • 肩こりに伴う頭痛
  • 手足のしびれ など

いわゆるストレートネックや猫背など、姿勢の悪さや頸椎のトラブルが原因になっていないかを確認します。

泌尿器科

前立腺や膀胱、腎臓の病気が隠れていないかを確認します。

婦人科

更年期障害と自律神経失調症は症状がよく似ています。更年期障害であれば、ホルモンバランスを整える治療で改善する可能性があるので、その確認をしたほうがよいでしょう。

いろいろな科に行ったけれど、身体には異常がなかった

考える人-写真

自律神経の失調には特効薬はないので、症状ごとに緩和していくようにします(対症療法)。「ストレスを少なくしてくださいね」と言われることも多いですが、それが一番難しいですよね。身体的な検査には何も異常がなく、ストレスや心理的な負担が一番の原因と考えられる場合、その状態により、精神科心療内科への受診が改善に繋がることがあります。精神科、心療内科にはそれぞれ次のような違いがあります。

身体の不調が続いて困っている状態、というところから、自律神経失調症は心療内科が適しているといえます。ただし、精神科で治療が必要な状態になってはいないか、という見極めは大切です。躊躇せずに受診して、自分の状態に合った治療を選びましょう。

精神科

うつ、統合失調症、認知症など、「日常生活に支障が出るほどやる気がでない」「幻覚が見える」「幻聴が聞こえる」「ものを忘れてしまう」「記憶力が低下してしまう」などの症状が出るものを扱います。周囲からみれば「こころの問題」と捉えられてしまいますが、脳の働きや伝達のトラブルから起こる不調を扱っています

心療内科

ストレスや心理的な不安が原因となって、身体の症状が出てくるもの(心身症といいます)を扱います。「仕事のことを考えるとお腹が痛くなる」「ストレスで胃潰瘍になった」といったようなものは心療内科で扱うものにあたります。

まとめ

様々な受診先をみてきましたが、自律神経失調症かな、と思ったときは、まずは自分の身体をよく観察することが大切です。どんなときにどんな症状が出るか、メモをするのもよいでしょう。ストレスが原因かもしれないと思ったときは、それがない状態ではどうかと試すこともできます。

病院で検査することはできますが、何もみつからないことも珍しくありません。そんなときは自分自身に改善のヒントがあるかもしれません。医師に相談するのと同時に、自分の身体のサインを上手に見つけてあげましょう