なんだか頭がだるいような、重たい感じがする。頭にこういった不調を感じると、何をするにもやる気が出ないですし、我慢していれば治るのか、何が原因なのか気になりますよね。

医学用語では「頭重感」と表現されますが、この頭重感はいったい何が原因であることが多いのでしょうか。

目次

頭重感

頭が重い・頭が締め付けられる感じがすることを頭重感と表現しますが、これは頭痛の一種です。

頭痛は、肩こりやストレス、精神的な緊張など基礎疾患を伴わないものがほとんどですが、脳腫瘍や脳血管障害などの脳疾患、眼科疾患、耳鼻科疾患などの基礎疾患が背景にある場合もあります。

頭重感の主な原因

この頭重感が生じると考えられる主な原因には以下のようなものが考えられます。付随する症状でおおよその目安がつくかもしれません。

1.一次性頭痛

一次性頭痛とは基礎疾患を伴わない、生命には危険のない頭痛を指します。頭重感の原因になる一次性頭痛としては以下のようなものがあります。

緊張型頭痛

緊張型頭痛は、頭重感の原因として比較的遭遇することの多い病気です。頭全体に起こることもあれば、首の付け根から後頭部にかけて限局的に起こることもあります。あまり激しい痛みは出現せず、片頭痛で出現する光がチラつくような前兆も見られません。ふわふわしためまいを伴う場合もあり、めまいが強い場合は吐き気が出現します。

原因は未だ不明な点が多いのですが、筋肉の過緊張や血流の障害が一因と考えられています。肩こりがひどい人や、首回りに負担がかかりやすい仕事(事務・パソコン作業など)をしている人は注意が必要です。

緊張型頭痛の解消法については「痛みの悪循環に要注意!緊張型頭痛(筋緊張性頭痛)の解消法」の記事をご覧ください。

片頭痛

一般的に片頭痛は脈を打つような拍動性の頭痛であることが多いですが、頭重感が主体のこともあります

体を動かして頭の位置を変えると痛みが増幅することが多く吐き気、光や音、臭いに敏感になるなど頭痛以外の症状を伴います。また頭痛が起きる前に、目がチカチカする・目の前に模様のようなものが出現する(閃輝暗点)、眠気、あくびが頻繁に出る、といった前兆を伴う方もいます。女性の場合、頭痛の出現時期が月経周期と関連することも多いといわれています。

片頭痛の対処について詳しくは「閃輝暗点は片頭痛の前兆?片頭痛解消のための6つの基礎情報」をご覧ください。

2.副鼻腔炎

以前は蓄膿症と呼ばれていたもので、鼻づまり鼻水、発熱などの症状のほかに、特に前頭部や鼻の奥に重苦しい痛みを伴うことがあります。
また、必ずしも鼻症状や発熱を伴わず、症状が頭痛のみの場合もあります。例えば炎症が蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)だけに起きた際には鼻症状が目立ちません。

副鼻腔炎について詳しく知りたい方は「鼻づまりや頭痛がつらい!副鼻腔炎ってどんな病気?」を参考にしてみてください。

3.緑内障

視野が徐々に欠け、失明の危険もある病気です。眼痛視野障害目のかすみ充血などのほかに、頭が重い、吐き気がするなどの症状を伴うことがあります。

詳しく知りたい方は「緑内障ってどんな病気?受診すべき症状とは?」の記事をご覧ください。

4.眼精疲労

眼精疲労

眼の疲れにより、眼痛・目のかすみ・充血などのほかに、頭が重い・吐き気・肩こりなどの全身症状を伴うことがあります。

さらに、ドライアイを伴う場合は眼精疲労が酷くなる傾向がありますパソコン作業やスマートフォンをみる時間が長い方は、ドライアイが誘発されるためそれだけでも眼精疲労を増悪させます。特にソフトコンタクトレンズをしたままの長時間の事務作業は、まばたきの回数が激減し、ドライアイを悪化させる原因になりますので、きちんと定期検診を受け、ドライアイであれば治療を受けることをお勧めします。

パソコンやスマートフォンを操作するときの姿勢も頚部筋のストレスを増大させ頭重感の原因になります。

5.ストレス睡眠不足

慢性的なストレスや不規則な睡眠、生活習慣の乱れは自律神経の乱れや筋肉の過緊張につながります。そのため、頭を支える首周りや肩周りの筋肉の血行不良が生じることで頭が重い・ふらふらするなどの症状を引き起こすことがあります。

6.うつ病統合失調症不安障害などの精神疾患

精神的に不安要素があると、人は痛みに過敏になるといわれています。精神疾患から頭痛が発生する詳しいメカニズムは分かっていませんが、精神的な不安・心配・緊張などは神経を過敏にさせ、頭が重い感じがする、ぼーっとするなどの症状を引き起こしやすいと考えられています。

7.脳疾患

くも膜下出血(脳動脈瘤)や脳内出血・脳梗塞などの脳血管障害、脳腫瘍、髄膜炎などの頭蓋内感染症が挙げられます。

脳疾患を疑うのは,次のような頭痛の場合です。

  1. 突然出現した、今まで経験したことがない頭痛
  2. 頻度と程度が増していく頭痛
  3. 50歳以降に初めて出現する頭痛
  4. 一側の顔面や手足の麻痺・痺れ、呂律が回らないなどの神経脱落症状を有する頭痛
  5. 発熱・項部硬直・髄膜刺激症状を有する頭痛

通常は頭痛の程度も強く、頭痛以外の症状を伴うことが多いのですが、稀に頭重感のみの場合もあるので注意が必要です。

まとめ

頭が重い感じがするのは不快・苦痛を伴います。基礎疾患が背景にある場合はその疾患の治療を最優先に行いましょう。

ストレスや生活習慣の乱れからのものであれば、規則正しい生活への見直しやストレッチやマッサージを行う、ストレスの解消など、普段からできることを心掛けて改善していきましょう。

また、上記に述べた原因のほかにも頭重感の原因は様々であるため、安易にこれが原因だと自己判断せずに、かかりつけ医に相談しまでしょう。