立ちくらみや、息切れ、頭がぼーっとするなど、貧血かな?と思う症状を感じたことがある方は少なくないかと思います。貧血の原因となる疾患はいろいろありますが、女性の場合、その6割を過多月経が占めるとされています。過多月経は、子宮筋腫や子宮腺筋症などの婦人科疾患が原因で起こっている場合があり、そのままにしておくと不妊や不育症の原因となったり、多量出血すると命に関わる場合もあるため、注意が必要です。ここでは、貧血とはなにか、貧血が起きる原因や過多月経の症状についてお話ししたいと思います。
貧血の症状
貧血は、血液中の赤血球の数やヘモグロビンの濃度がなんらかの原因によって低下することをいいます。
赤血球は酸素を運ぶ役割があり、赤血球の中にあるヘモグロビンの濃度が低くなると、酸素を運搬する能力が低い状態になります。
貧血では下記のような症状が出てくる場合があります。
貧血は進行すると、心臓などの臓器に負担がかかり、ひどい場合には心不全となる場合があるので注意が必要です。
貧血の種類
貧血は、赤血球の大きさや、赤血球中のヘモグロビン濃度などから下記の3つに分類されます。
小球性低色素性貧血
鉄欠乏性貧血、慢性化した出血(胃や腸などの消化器官の潰瘍やがんによる出血、過多月経など)や感染症・炎症などが原因。
正球性貧血
再生不良性貧血(骨髄にある血液を造るもとになる細胞が減少し、白血球、赤血球、血小板などの血球成分が減少する病気)、白血病などが原因。
大球性貧血
悪性貧血(ビタミンB12の欠乏によって赤血球がうまく作れないために起こる病気)などが原因。
過多月経ってなに?

過多月経は、生理の量が異常に多いことを指します。通常、ひと月の生理の量は20~140ml(平均50~70ml)ですが、140mlを越えると過多月経とされます。
測ることは難しいですし、少しずつ増えていった場合などには生理の量が多いことに気付かない場合もあると思いますが、目安として、昼間でも夜用のナプキンが必要だったり、ナプキンを1~2時間で交換する必要がある場合は多いと考えられます。
過多月経が続くと、貧血となり、上記のような貧血の症状が出てくることになります。
また、過多月経になるにはなんらかの原因となる疾患が潜んでいる場合があるため、ただ生理の量が多くて困るというだけでは済まないことを知っておいてください。
過多月経の症状
過多月経に当てはまるかは下記の項目をチェックしてみましょう。1つでも該当していた場合は、過多月経の可能性があるため、婦人科を受診するようにしましょう。
- 昼でも夜用のナプキンを使う日がある
- 普通のナプキン1枚では1~2時間もたない
- 生理の時にレバーのような大きな塊がでることがある
- 生理が8日以上続く(過長月経)
まとめ
ある調査では、一般女性の約4割に過多月経の症状がみられ、そのうち7割が過多月経である自覚がないことが指摘されています。
過多月経の症状がある女性の婦人科受診率は15%と低く、過多月経の原因となる疾患に気づかないまま、状態が悪化していく危険があるため、上記のような過多月経の症状がある場合には早めに婦人科を受診するようにしましょう(数値はバイエル薬品株式会社 バイエルヘルスケアより)。
若干当てはまるな…と少し気になるような場合にも受診はしておいたほうが安心です。
婦人科に行くこと自体がハードルに感じる方も少なくないかと思いますが、悶々と一人で悩むより、専門の医師に診てもらって、異常があるかないかはっきりさせたほうが精神衛生上も良いでしょう。
この記事を読んだことをきっかけに、前に進んでもらえればと思います。