普段、お子さんのおしっこがどんな色をしているのか知っていますか?血が混ざったような赤いおしっこをしていないでしょうか。

子供の病気の中には、おしっこの色で見つかるものもあります。ここでは、赤いおしっこを認めた時に、どんな病気が原因になるのか、病院へ行った方がいいのかなどについてまとめていきます。

目次

赤い血尿と赤くない血尿

尿は腎臓で作られて、尿管という管を通り、膀胱に貯まって、尿道から排泄されます。

腎臓・尿管・膀胱・尿道のどこかに炎症・腫瘍・損傷などがあると、血尿がみられます。

血尿とは文字通り、尿が赤くなることをいいます。赤くなるのは、尿の中に血液(赤血球)が混ざるためです。

尿に混ざる赤血球の量で、おしっこの色が変わります。非常に多くの赤血球が混じった場合には、見て分かるくらいの血尿になります。この場合を肉眼的血尿といいます。

一方、少ない場合には見た目には分からず、尿検査をすると赤血球が混じっていることが分かります。この場合を顕微鏡的血尿といいます。この顕微鏡的血尿は、見た目には赤くありません。

血尿の原因と病気は?

血尿の原因は何らかの理由で尿に赤血球が混じることです。子供で見て分かるくらいの血尿(肉眼的血尿)になることは多くありません。

肉眼的血尿

子供では多くはない肉眼的血尿ですが、原因となるものをあげていきます。

外傷

おなかや背中を強くぶつけたことが原因で、腎臓・膀胱から出血することがあります。

尿路結石

遺伝的な病気が原因で、尿路結石ができやすいことがあります。

出血性膀胱炎

アデノウイルス感染症などが原因で起こることがあります。

腫瘍

腎臓や膀胱にできる腫瘍が原因になることもあります。

IgA腎症

腎臓に慢性的な炎症を起こす病気です。風邪胃腸炎などにかかった時に、突然の肉眼的血尿を認めることがあります。

急性糸球体腎炎

溶連菌感染の後、無治療の場合には2週間後に、高血圧による頭痛や顔・下肢のむくみにより発症することがあります。

ナッツクラッカー症候群

左の腎臓からの静脈は、解剖学的に他の血管で圧迫されやすくなっています。左の腎臓の静脈が圧迫されると、腎臓の圧が高くなり、結果として血管が破れ 腎臓から出血します。この静脈がはさまれている状態がクルミに似ていることから、この名前がついています。

顕微鏡的血尿

赤いおまる

子供の血尿は、健診などで行われた検尿で見つかることが多いです。顕微鏡的血尿の主な原因には以下のようなものがあります。

尿路感染症

膀胱などに炎症が起こる病気です。赤血球だけではなく、細菌を殺すための白血球も尿の中に認めます。

腎臓の炎症

何らかの原因で腎臓に炎症が起こると、血尿がみられることがあります。遺伝性で起こるものもあります。

家族性良性血尿(菲薄基底膜病/ひはくきていまくびょう)

生まれながらに腎臓の構造に問題があり、血尿が出ることがあります。

過度の運動

足の裏を強く踏むことのあるスポーツでは、衝撃により赤血球が壊れて、血尿になることがあります。

病院へ行くタイミングは?

肉眼的血尿を認めた場合には、すぐに医療機関を受診するべきです。

子供が肉眼的血尿になることは多くはないですが、それなりに大きな病気が原因になることがあるので詳しい検査が必要です。

外傷は分かりやすいですが、他の原因の場合には腹痛倦怠感風邪症状などが合併することもあります。

顕微鏡的血尿の場合には医療機関などで分かるので、きちんと診察を受ける必要があります。経過観察となることも多いですが、定期的な検査が必要になることもあります。

顕微鏡的血尿の場合、尿を見ただけでは分かりませんが、蛋白尿の有無、腹痛や腰痛、むくみなどが診断のきっかけになることもあります。

まとめ

尿の問題は見た目で分かることは多くはありません。肉眼的血尿が出た時には、すぐに医療機関を受診する必要があります。顕微鏡的血尿は分かりにくいですが、健診などで指摘された場合には医療機関できちんと診察や再検査を受けるようにしましょう。経過観察となった場合でも、腹痛やむくみなどの症状が出てきた場合には、早めに受診するようにしましょう。