脈をとる

動悸と頻脈が起こる病気とは。時には命に関わることも

脈の速さが気になったことはあるでしょうか。脈がたまに飛んだり、興奮して速くなったりすることは心配ないですが、動悸と速い脈(頻脈)を同時に感じるときは要注意です。今回は動悸と頻脈を伴う病気を説明します。警戒したい具体的な脈拍数や計測方法も合わせて紹介していくので、参考にしてみてください。

脈のとり方、注意したい脈拍数

脈をとるには手首の関節の少し下、親指側に人差し指・中指の2本(薬指を加えて3本でも可)を添えます。このときに指を揃えるのがコツです。15秒間の脈拍を4倍、または10秒間の脈拍を6倍すると1分間の脈拍が分かります。周囲に簡易血圧計があれば血圧と同時に脈拍も計れます。

脈拍数が1分間に120以上あって、突然始まったり止まったりする場合は病気が関わっている頻脈といえます。まったく脈が一定していない場合も注意します。

頻脈がみられる不整脈の種類

胸に違和感を覚える女性

心臓のリズムが乱れた状態を不整脈といいます。不整脈自体は特に珍しいものではなく健康な成人であれば多くの人にみられる症状です。ただし、種類によっては危険なものもあります。

不整脈では頻脈のほか、徐脈(脈が異常に遅い状態)がみられることもありますが、ここでは頻脈のみられる不整脈について、いくつかの種類を紹介します。

洞性頻脈

脈が規則正しく速くなる場合(100~150程度/分)、洞性頻脈が考えられます。健康な人にもみられる頻脈で、運動や興奮、緊張などが原因となります。

心房細動

不規則に脈が速くなる場合、心房細動の疑いがあります。心房内で電気的興奮が生じることで、心臓の動きが不規則になってしまうのです。

心房細動は、高齢者に多くみられます。心房細動そのもので亡くなることはありませんが、心房細動が続くと心不全脳梗塞につながることがあるため、早めの治療が必要です。

発作性上室性頻拍症

発作性上室性頻拍症は、突然激しい動悸があらわれる症状で、「今動悸が激しくなった」という明確な不快感を伴います。規則正しく、弱めの脈が140~180回程度/分みられることが多いです。

心室粗動

心室の筋肉の一部が不規則に収縮する症状です。「致死性不整脈」ともいわれ、原因となる病気がなかったとしても、適切な処置をしなければ短時間で死に至ることがあります。一刻も早い治療が必要です。

動悸頻脈がみられる病気は?

貧血

血液中の赤血球数や、ヘモグロビン(Hb)という色素が少なくなった状態が貧血です。動悸・頻脈のほか、めまいや立ちくらみ、疲れやすい、倦怠感など様々な症状がみられます。

鉄分不足や出血(生理や消化管出血)が原因となる鉄欠乏性貧血のほか、血液を作ることができなくなる再生不良性貧血、赤血球が壊れやすくなる溶血性貧血、感染症やがんなど他の病気によって起こる二次性貧血などがあります。

貧血では、洞性頻脈がみられます。

バセドウ病

バセドウ病は自己免疫が原因となって起こる病気で、甲状腺ホルモンが過剰に作られます。主な症状は動悸や頻脈に発汗、眼球の突出、甲状浮腫(首の前側の腫れ)などがありますが、症状が出揃う人はまれです。

根治することは難しくても、抗甲状腺薬やヨウソ素剤を服用したり血液中の甲状腺ホルモンの量をコントロールしたりすれば以前と変わらない生活が可能です。手術による甲状腺摘出も可能ですが、人により摘出すべき甲状腺の大きさに違いがあり、大きさの決定が難しいため医師との相談が必要です。

バセドウ病では、洞性頻脈心房細動がみられます。

自律神経失調症

自律神経(交感神経・副交感神経)のバランスが崩れてしまった状態が、自律神経失調症です。ストレスや不規則な生活などが原因となります。

人によって非常に様々な症状がみられ、動悸・頻脈もあらわれることがあります。
<h3更年期障害

閉経前後の10年間(45~55歳頃が多いです)を更年期といいます。この時期に女性ホルモンのエストロゲンが現象することで生じる様々な症状の総称が、更年期障害です。不調をほとんど感じない人もいれば、日常生活に支障をきたすほどの症状に悩まされる人もいます。

貧血や頻脈、倦怠感、肩こり、腰痛といった身体的症状のほか、イライラや不安感といった精神的な症状がみられることもあります。

まとめ

動悸と頻脈を症状に持つ病気は多くあります。「なんだか胸がドキドキする」と感じた人は脈拍を計測してみてください。数値が速かった場合は命に関わる危険性もあるので病院を受診しましょう。動悸、頻脈の他に長引くだるさがあった場合も医師に相談してみてください。