からせきと発熱が出て苦しい…考えられる病気7つ

口からのど、気管、肺と空気の通り道はつながっていますが、どの段階に炎症が起こっても咳が出る原因になります。可能性として考えられる病気は非常に多様ですが、それらを見分けるポイントとして、咳以外にどのような症状が伴っているかということが重要になります。

今回は痰の出ない咳(からせき)に加えて発熱を生じるような場合に考えられる7つの病気を、原因や症状など交えて紹介していきます。

からせきと発熱が生じる病気

かぜ症候群

原因の80~90%はウイルス感染によるもので、主な原因ウイルスはライノウイルス、コロナウイルスなどがあります(日本呼吸器学会より)。空気中に浮遊するこれらの病原菌を吸入すると気道の粘膜に侵入し、感染します。

感染すると健康な人であっても多くの人が発症する頻度の高い病気です。症状としては、発熱頭痛全身倦怠感鼻水鼻詰まりのどの痛みなどがみられます。

インフルエンザ

インフルエンザウイルスによる感染症で、12月から3月にかけて流行します。ウイルスが気道粘膜に侵入すると1~5日の潜伏期を経て発症します。

症状はかぜ症候群に似たものでのどの痛みや咳、鼻水、鼻詰まりがあり、この他38度以上の高熱頭痛倦怠感関節痛筋肉痛などの全身症状もみられます。インフルエンザでは全身症状が強くみられるため、風邪と見分けるポイントになります。

急性喉頭蓋炎

のどには咽頭喉頭の2つの通り道があります。咽頭は食道につながっている食べ物の通り道、喉頭は気管や肺へとつながっている空気の通り道です。さらに喉頭には喉頭蓋(こうとうがい)と声帯の2つの器官があります。そのうち喉頭蓋はその名の通り喉頭のフタで、食物を飲み込む際に喉頭蓋が閉じて気管へ入るのを防ぎます。

喉頭には呼吸嚥下(食物を飲み込む)、発声の3つの働きがあり、ウイルスや細菌感染によって急性喉頭蓋炎が起きます。発熱や咳、のどの痛みに加えて、呼吸が苦しくなったり、食物が飲み込みにくくなったり、声がかすれる、あるいは出なくなるなどの症状がみられます。

肺結核

結核菌による感染症のうち、肺の症状が現れるものが肺結核です。結核菌は感染力が非常に強く、空気感染によって広がっていきます。感染しても健康な人では免疫力で抑えられます。発症するのは免疫力の低下に伴い、感染した人のうち約10%です(ヒュミラ情報ネットより)。

結核の初期は発熱(初期は高熱、その後微熱)などが主な症状です。進行すると、血痰や喀血、胸痛、呼吸不全などが出てきます。この他、発汗体重減少食欲不振倦怠感などがみられることもあります。咳や発熱が2週間以上続く場合、結核の可能性を見逃さないことが大切です。

のど付近が痛い女性

過敏性肺炎

肺炎は通常、細菌やウイルスなどの感染によって起こりますが、過敏性肺炎は一般的な肺炎とは異なります。原因は本来病原性がない真菌(カビ)やタンパク質、化学物質、ほこりなどであり、これらのアレルギー反応として肺炎の様な症状が現れます。

アレルゲンにさらされることをきっかけに強い炎症が起こり、発熱呼吸困難倦怠感などの症状が現れ、アレルゲンから離れると症状は軽快します。

炎症が繰り返し続くと肺の構造が変化してしまい、アレルゲンがない場所でも咳や呼吸困難が生じるようになってしまいます。原因となるアレルゲンが存在する場所は自宅職場が多く、症状が現れるタイミングを意識することで原因を見分けるポイントになります。

サルコイドーシス

サルコイドーシスは肉芽腫(にくがしゅ)という炎症細胞のかたまりが全身に現れる原因不明の病気です。発症する場所は皮膚に多いといわれています。患者数は10万人あたり12~13人で、男性では20代、女性では50代に発症しやすく、女性にやや多い病気として知られています(日本呼吸器学会より)。

肺に肉芽腫が生じると、呼吸困難発熱などが生じることがありますが、半数近くの患者さんは無症状で、健康診断で見つかっています。多くの患者さんは自然に軽快しますが、稀に命に関わることもあるため注意が必要です。

胸膜炎

胸膜とは肺を覆っている2枚の膜で、呼吸の動きによって肺と肋骨が直接こすれるのを防ぐクッションの役割をしています。この胸膜に炎症が起こる原因としては、細菌感染腫瘍(主に肺がん)、膠原病関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなど)があります。

胸膜炎が起こると2枚の胸膜の間に水が溜まり、これを胸水と呼びます。胸水が溜まると胸痛が生じます。胸膜には痛覚があるため、深呼吸によって痛みが強くなるという特徴があります。その他の主な症状としては、呼吸困難、咳、発熱などがあります。

まとめ

からせきも発熱も、誰もが経験するような発症頻度の高い症状です。しかし放置すると炎症が進行して、痛みのあまり食事をとれなくなってしまったり、気道が狭くなって呼吸が苦しくなってしまいます。

結核やがんが隠れている可能性もゼロではありません。重症化させないためにも、異常を感じたら早めに呼吸器内科を受診することをおすすめします。

参考文献岡庭豊(2013)、year note、メディックメディア、pp.1~pp51

参照リンク日本耳鼻咽喉科学会|耳鼻咽喉科・頭頸部外科が扱う代表的な病気
日本呼吸器学会|呼吸器の病気
扁桃炎・アデノイド|加古川医師会
ヒュミラ情報ネット|結核:結核の概要